一生かかっても叶わない恋もある。

 

努力すれば、なんとなかる。

自分を磨けば、振り向いてもらえるかもしれない。

付き合っているうちに、好きになる。

失恋したって、時間がたてば立ち直る。

 

ぼくの中の常識は、たったひとつの出会いで覆された。

 

 

「わあ、緊張するなあ。どうしよう・・・。」

 

初主演の映画で部長と共演するというだけでも驚いたのに。

キスシーンがあるなんて、聞いてなかった。

 

同じテニミュという舞台に出演して、合宿だってあったし、楽屋でわいわい騒ぐこともあった。

気さくな性格の部長は、決して近寄りがたい雰囲気を醸し出すタイプではなかった。

むしろ、引っ込み思案なぼくがみんなとなじめるようにまめに声をかけてくれたし、時には強引に輪の中にいれてくれた。

 

だからこそ、なのかもしれない。

デビューしたばっかりの未熟以外の形容詞なんて見当たらないぼくと。

舞台慣れもしていて、歌もお芝居も上手で、気配りもできる部長と。

 

住む世界の違う人。雲の上の存在。

同じ空気を吸っていても、彼は二次元に存在するような気がしていた。

 

そんな憧れの先輩。と口にするのもおこがましい人と共演で恋人役を演じる。

想像しただけで、口から心臓が飛び出そうで、台本がちっとも頭に入ってこない。

 

「でも、わかるんだよなあ・・・。」

 

タクミの気持ちが。

自分とは関わり合いになることもないほど、眩しい存在だと自分の気持ちを否定する気持ちが。

本当は惹かれて惹かれてやまない存在なのに、成就することなどありえないから、と自分で自分の気持ちを遠ざける。

 

「まお。ちょっと予習しようぜ。」

「まお、困ってるとこないか?セリフあわせとこう。」

 

今までテニミュメンバーとしてその他大勢のくくりで接してきたから、緊張もすることもなかった。まお。と名前で呼ばれ、まっすぐ見つめられると、特別な存在になった気がする。二人きりになったら、今までどんなふうに話していたのかわかんなくなる。

 

恋する相手になるなんて、思っていなかった。

小説を読んでも、身分違いの恋に身を焦がし、破滅するなんて馬鹿らしいとさえ思っていた。

自分は冷静で、未来も自分の手で動かせるものだと思っていた。

 

なのに、どうして。

 

あのまなざしで見つめられると、逃れられない。

あの手のひらで頭を撫でられると、胸が躍る。

あの唇で触れられると・・・。

 

ダメだ。

 

キスなんて、唇と唇を合わせるだけ。

お仕事なんだから、台本通りに、予定通りに、演じるだけ。

そう言い聞かせても、カラダがこわばる。

 

「愛してるよ、タクミ。」

 

そんなふうにささやかないでほしい。

 

役柄だから愛してくれるとわかっているのに、錯覚する。

 

好きになったら、絶対に幸せになれない。

同性同士で恋の対象になりえるわけがない。

もし、好きになったら性別なんて関係ない。と言ってくれたとしても。

自分と釣り合うわけがない。

 

恋しているのだと自覚した途端に、失恋する。

失恋しているのに、終わらせることなんてできなくて。

恋人役を演じるたびに、夢をみて、束の間の幸せに浸る。

 

諦めることができるなら、諦めたいのに、心はどんどん惹かれてゆく。

恋することが、こんなに怖くて、苦しいことだなんて思わなかった。

 

ぼくの初恋は初恋のまま、永遠に続く。

 

操れない自分の心。自分の未来。

 

ぼくの中にある台本は、永遠に実現することはないだろう。

 

 

今日も抑えられない気持ちを胸に抱いて、初恋の人をみつめる。

 

 

ぼくの中のタクミだけを愛してくれている、部長を。

 

 

 

 

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ちょっとダラダラとしたお話しになってしまいましたW

タクミとギイと、まおと大ちゃんって、関係性が似てるなあ。

ってふと思ったのです^-^

最初の頃は、ね?

 

 

 

 

今日は、お仕事が遅くなって夕飯が間に合わない!!

と、すきやになりました~。

と、思ったら勘違いしていて、作る時間あったW

悔しい!

 

明日は義理母が退院してくるので、お迎えに行きます。

ってことでお休みをいただきました^-^

 

職場でインフルエンザ大流行だし、私も咳がでるからうつさないか心配だわあ。

予防注射は打ってるし、今までワクチンが有効な期間にかかったことはないんだけどね。