「ショーゴが主役だし。まおも、未成年だし。」
やっぱ、そこに合わせないとな。ってことで、健全な夕方の早い時間で声をかける。
心のどこかで、メンバーは少ないほうがいいかも、と願いながら。
結局、予定外というか、予定通りと言うか。
ショーゴとまおしか予定が合わなくて、こじんまりとした集まりにほっとする。
いい訳の理由はなんとなくわかっている。
まおに惹かれるのは、みんな同じなのだから自分だけがトクベツなわけではない。
トクベツじゃないけど、トクベツでありたい。
誰かの一番でありたい。
子供じみた独占欲なんて卒業したと思っていたけれど。
まおの綺麗な瞳が追いかける背中が、他の誰でもなく自分であることが嬉しかったんだ。
「・・・遠足前の子供かよっ!」
自分で突っ込みをいれずにはいられないぐらい、約束の前日はそわそわして落ちつかなかった。
「しかも、ショーゴの合格祝いだっつーのっ!」
ネタにして、ごめん。と、思えてしまうぐらいに、まおに会えるのを楽しみにしている自分がいる。
テニミュではお互いにゆるゆるの稽古着姿しか知らなかったけど。
焼肉に行くというのに普段使いのTシャツでは気合いが足りないような気がして、こ洒落たシャツを選ぶ。
会ってしまえば、こんなものか。
と言うぐらい、二人とも変わってなくて、でも懐かしくてほっとする。
「じゃあ。またね!」
改札にぴかぴかの笑顔で満足そうに消えてゆくショーゴを見送りながら、奮発した甲斐があったなあ。と、嬉しく思う。
「・・・・。」
ショーゴが消えてしまうと沈黙が流れ、どうしていいかわからなくなる。
考えてみれば、みんなに囲まれているまお。というスタンツでしか接してこなかった。
ショーゴの背中を名残惜しそうに眺めているまおの横顔を眺めながら、次の言葉を探っているうちに、携帯が鳴る。
ゆんからだ。
<・・・もしもし?ああ。ごめん。ちょっと出先だから。>
自分でもどうして言葉を濁してしまったのか、わからない。
主役がもう帰ってしまったから意味がないだとか。
でも、まおとゆんだって久しぶりなんだから合流するか?とか。
いくらでも、話すことはあっただろうに。
「またね。」と、笑顔で帰っていったショーゴ。
「また。」いつ会えるのだろう?
隣に並んだまおとも、今度いつ会えるのかなんてわからない。
ゆんにはいつでも会える。
時計を見ると、次の店に行くには時間が中途半端で。
「もうすぐ時間だな。駅まで送ってゆくよ。」
まおが一瞬傷ついたような瞳をするのに気がついたけれど。
俺だって楽しい時間をもう少し過ごしたいけれど。
所詮、4代目の部長で、まおにとってはホゴシャみたいもんで。
トクベツになりたいけど、トクベツになってはいけない。
という予防線みたいなものがあって。
まおの背中を力強く押しながら、自分に言い聞かせる。
「・・・じゃあ、またな。」
ぽんっ!と駅の改札に押し出した指先が、まおの背中を離れる。
指先が、名残惜しそうに空をつかむ。
そう。また・・・。
また、っていつだろう?
不確定な約束だから、こんなセンチメンタルな気分になるのだろう。
くるり、と踵を返して自宅へと向かいながら、なんとなく一人で帰る気分になれなくて。
だからと言って寂しさを埋めるようにゆんと会うのもためらわれて。
久しぶりに夜のクラブへと繰り出した。
やっぱ、そこに合わせないとな。ってことで、健全な夕方の早い時間で声をかける。
心のどこかで、メンバーは少ないほうがいいかも、と願いながら。
結局、予定外というか、予定通りと言うか。
ショーゴとまおしか予定が合わなくて、こじんまりとした集まりにほっとする。
いい訳の理由はなんとなくわかっている。
まおに惹かれるのは、みんな同じなのだから自分だけがトクベツなわけではない。
トクベツじゃないけど、トクベツでありたい。
誰かの一番でありたい。
子供じみた独占欲なんて卒業したと思っていたけれど。
まおの綺麗な瞳が追いかける背中が、他の誰でもなく自分であることが嬉しかったんだ。
「・・・遠足前の子供かよっ!」
自分で突っ込みをいれずにはいられないぐらい、約束の前日はそわそわして落ちつかなかった。
「しかも、ショーゴの合格祝いだっつーのっ!」
ネタにして、ごめん。と、思えてしまうぐらいに、まおに会えるのを楽しみにしている自分がいる。
テニミュではお互いにゆるゆるの稽古着姿しか知らなかったけど。
焼肉に行くというのに普段使いのTシャツでは気合いが足りないような気がして、こ洒落たシャツを選ぶ。
会ってしまえば、こんなものか。
と言うぐらい、二人とも変わってなくて、でも懐かしくてほっとする。
「じゃあ。またね!」
改札にぴかぴかの笑顔で満足そうに消えてゆくショーゴを見送りながら、奮発した甲斐があったなあ。と、嬉しく思う。
「・・・・。」
ショーゴが消えてしまうと沈黙が流れ、どうしていいかわからなくなる。
考えてみれば、みんなに囲まれているまお。というスタンツでしか接してこなかった。
ショーゴの背中を名残惜しそうに眺めているまおの横顔を眺めながら、次の言葉を探っているうちに、携帯が鳴る。
ゆんからだ。
<・・・もしもし?ああ。ごめん。ちょっと出先だから。>
自分でもどうして言葉を濁してしまったのか、わからない。
主役がもう帰ってしまったから意味がないだとか。
でも、まおとゆんだって久しぶりなんだから合流するか?とか。
いくらでも、話すことはあっただろうに。
「またね。」と、笑顔で帰っていったショーゴ。
「また。」いつ会えるのだろう?
隣に並んだまおとも、今度いつ会えるのかなんてわからない。
ゆんにはいつでも会える。
時計を見ると、次の店に行くには時間が中途半端で。
「もうすぐ時間だな。駅まで送ってゆくよ。」
まおが一瞬傷ついたような瞳をするのに気がついたけれど。
俺だって楽しい時間をもう少し過ごしたいけれど。
所詮、4代目の部長で、まおにとってはホゴシャみたいもんで。
トクベツになりたいけど、トクベツになってはいけない。
という予防線みたいなものがあって。
まおの背中を力強く押しながら、自分に言い聞かせる。
「・・・じゃあ、またな。」
ぽんっ!と駅の改札に押し出した指先が、まおの背中を離れる。
指先が、名残惜しそうに空をつかむ。
そう。また・・・。
また、っていつだろう?
不確定な約束だから、こんなセンチメンタルな気分になるのだろう。
くるり、と踵を返して自宅へと向かいながら、なんとなく一人で帰る気分になれなくて。
だからと言って寂しさを埋めるようにゆんと会うのもためらわれて。
久しぶりに夜のクラブへと繰り出した。