ゆんの部屋は本当に居心地がよかった。

年齢の割りに大人びているけれど、俺が馬鹿をやっても大笑いしてつきあってくれる。
気配りの部長なとど言われ続け、お兄ちゃん的立場を演じるようになったけれど。
本当は自分のやりたいようにやるマイペースな部分もあって、一人でいるのが楽なときもある。

ゆんは俺が語りたければそれにつきあってくれるし、ぼーっとマイペースに過ごしたい。と思えば、
同じ空間にいながらにして気配を消してくれる。

・・・あまりにくつろぎすぎて、寝落ちしてしまったことが何回あるか。


親友、と呼んでしまうには怖さがあった。

自分の心を預けてしまうのは、心地さとともに、失ってしまったときの不安がつきまとう。
失う悲しみを知っているからこそ、今を大切にしなければ、という切羽詰ったような思いもあったのかもしれない。

「ちょっと仲よすぎない?あやし~。」

周囲から冷やかされることもあったけれど、周りの目を気にして後悔したくなかった。
ゆんの自分を高めよう。と努力する姿勢は尊敬できる部分でもあり、切磋宅磨できる存在で。
自然体なゆるい自分と、高みへと上り詰めたい自分と・・・。
なんというか、芯の部分のフィーリングが似ていたんだ。