・・・やっぱり。

満天の星空が、男の黒い影でさえぎられてゆくのを、悲しいような諦めに似たような境地でぼんやりと見詰める。

「ふたりっきりで、こんな人気のないところに行きたい。なんて、始めっからそのつもりだっんだろ?」

違う。と否定するのもなんだか馬鹿らしくて、流されるままに男の体重を受け止めた。

はあ。はあ。と興奮する息遣いと、性急に下半身に押し付けられる硬いもの。
リアルな感触とは裏腹に、自分の中を他人事のように通り過ぎてゆく。
人肌恋しくて、いつか分かり合える人が現れるんじゃないかって。
淡い期待を抱いて、
何度も同じ過ちを繰り返してしまう自分が腹立たしい。

「あっ。んっ・・・。」

この男も違った。と思いながらも、触れられることを渇望している肌は容易に上気してしまう。
そんな自分を浅ましく、汚らわしい。と思う。
どんなに楽しく会話が弾んだとしても、どんなに優しくエスコートしてくれたとしても、どんなに情熱的に愛をささやいてくれたとしても・・・。
結局最後は身体目当てで、ぼくの内側にあるものなんて理解してもらえない。

ぼくの中は、からっぽ。

どこにも属することができず、ただふわふわと不安定に漂うだけの存在。

怒りをぶつけることもできず、早くコトが終わってくれればいいのに。
と、願うのだった。