「ま~~お~~。」


学校帰りに9歳年下のお向かいさんのまおを迎えにいくのが俺の仕事。

・・・というか、一日の締めくくりの楽しみでもある。


園児たちはテレビのアンパンマンマンに夢中で、降園準備でみんなお揃いの帽子をかぶっているため、
すぐには見分けがつかない。

入り口のドアをちょっと開けて、名前を呼ぶと、

「大ちゃんっ!!」

って嬉しそうに振り返る。



「いいわねえ。まお君、いつもカッコいいお兄ちゃんが迎えにきてくれて。」
「うんっ!!」

自信満々に肯定され、ちょっと照れくさい。


「だいちゃ~。かえろ?」
「そだな。」

ちっちゃい手が、俺の人差し指をぎゅっと握る。

用水路にスイスイと泳ぐお魚さんたちを追いかけながら、焼け付くようなアスファルトを走る。



「あっ!!まお君だあ~~。」

まおを必死になって追いかけていると、無邪気な子どもの声が聞こえる。


あっと言う間にまおの手を繋いで、「一緒に帰ろ~~?」と笑う男の子。
名札を見れば同じ色だから、きっと同じクラスなのだろう。

まおの手を繋ぐのは、俺の役割なのに・・・。

寂しく思ったけれど、園のお友達と仲が良いのはいいことだ。


と、一歩下がって二人を見守る。


がっ!!!


べったりしすぎだろおおおおおっ!!!


恋人繋ぎして、頬をくっつけあって。
ああっ。もうっ、そんなにくっついて歩いてたらかえって危ないわっ!!!


って、すっかり保護者モードになり、まおに悪い虫がついてしまわないかっ。
って心配する父親気分だ。



「ほら。見て見て。まお君。」
「なあに?」

「へへっ。はーと。ラブラブだね~~。」
「あっ。ほんとだ~~。」


こっつんこした頭が二つ並んで、影がハートのように見える。


「わあっ!!!びっくりした~~。」
「せっかく、ハートだったのに~~。」


オトナ気ないなあ。って思うけれど、あまりにもいちゃいちゃしているのに腹が立って。

ハートだなんて、許さんっ!!!

と、二人の後ろに仁王立ちになってはーと。を自分の影で真っ黒にしてやる。



「大ちゃんの影、大きいから全部隠れるね~~。」

無邪気に笑うまおと、睨みつける同じクラスのお友達。



園児相手と言えども、ライバルに手加減はナシ。だからな。



9歳も年が離れている分、俺のほうが不利なんだから。



ライバルは一人でも少ないほうがいいだろ?



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これ、3男君がお友達にされてたのWW

今の園に入って、まだ2ヶ月ぐらいかな~~?のときに。
恋人つなぎで「はーと。」って。。。(笑)

うちの子、ちっちゃくて、ぶりっこで、演技派だからな~~。
きっと、オトコをメロメロにしてるんだわ(笑)


大ちゃんがお迎えに行っていたら、きっとこんな感じかなあ?って思いました^^