まおも来年から小学生だなあ。
泊まりにくる日も限られてくるかも。

なあんて、ちょっぴり感傷に浸るこのごろ。
自分の高校受験の勉強も忙しくなって、以前ほどまおのことをかまてやなくなって、さみしい思いをしていた。

なので。

久々の息抜きを兼ねてのまおのお泊り会、にはなんだか気合いが入ってしまう。

「だいちゃ~~。お風呂、はいろ?」

バスタオルとパジャマを抱えたまおがぱたぱたとやってくる。
ひょこっと風呂場を覗き込んで、大好きな可愛いまおの発した恐ろしい言葉に、凍りつく。

「・・・あ。あひるしゃん。いなくなってる~~。死んじゃったの?お引越ししたの?あひるしゃ~~ん。
あひるさんのいないお風呂、やだあ。・・・おうち、帰る。」
「ああああっ。まお。あひるさんは、ちょっと散歩中なんだよ?」

うわあ。焦るわ~~。
今更、家に帰るとか言わないでくれよ。まお。

大掃除をしていた時に、あまりにも長いこと忘れさられていて、カビだらけになっていたので、ごみに捨ててしまいました。なんて口が裂けても言えない。
きっと、大ちゃん、大嫌い~~~!!なんて言って、しばらく会ってくれないだろう。

「・・・そうなの?」
「そうそう。今から、呼んで来るから、待ってろよ。」

日が沈んで、外は真っ暗。
1月の風はものすごく冷たい。

・・・それでも、躊躇せずに財布だけつかんで、ちゃりんこに飛び乗って全速力で近所の玩具店に駆け込む。

19時閉店になんとか間に合ったあああああ。

はあ。はあ。と息をつきながら、あひるさんを見つけて、レジに並ぶ。

--------は。と我に帰る俺。

閉店ギリギリにこんな息切らせて、あひるさん握り締めて・・・・。

「あ・・・の。これ、ください。・・・年の離れた弟に頼まれて・・・・。」
「はい。699円ですね。」

聞かれてもいないのに、そんな言い訳を口のなかでもごもごしてみるけど、店員さんは聞いちゃいない。って感じで、ぴっ。ぴっ。とレジを打ってゆく。

「あ。お友達、連れて帰ろう・・・・。」

レジ横にあったビニール製の蛙も追加して、ことん。とレジに置く。

つぶらな瞳で見詰めてくるあひるさんと蛙。

「・・・まお。喜ぶかな・・・・。」


包みを自転車のカゴに放り込んでこぐペダルは、行くときよりもずうっと軽く感じた。

「ただいま~~。」
「あ。おかえりい。あひるしゃん。みつかった??」

すがりつくような瞳でうるうると見上げてくるまお。
さみしかったよおお。心配したよおお。と言わんばかりに。
・・・ああ。でも、俺を、じゃなくてあひるしゃんを、だけどな。今回は。

「ああああっ。まお。一緒に帰ってきたのに、どっか行っちゃったなあ?もう、お風呂に戻ってるかもっ。見てきてごらん?」
「えっ。そうなの~~??」

キラキラ。とテンション高く風呂場に直行するまおの後姿を見送って、ほっと安堵のため息を漏らす。

「・・・値札取るの忘れてた・・・。」

大急ぎで、値札を引きちぎって、風呂場をのぞくまおの後ろにあひるさんと蛙を並べて、わざとらしくびっくりしたような声を上げる。

「あっ!!まお~~。後ろからついてきてるぞ?みんな。」
「わあ。ほんとだあ。わあ。お友達も増えてる~~~。」

おもちゃをかき集めて、ぎゅううっと小さな胸に抱きしめる。

嬉しくて、幸せで、えくぼがぺこっとへっこむ顔。

「大ちゃん、探してきてくれて、ありがとおお。一緒にはいろ?」
「・・・ああ。まおが脱ぐ間、預かってやるよ。」

「逃げないように、しっかりつかまえててね!!」
「おう。まかせとけ。」

---------久しぶりの再会(本当は新しいあひるさんだけど)に感激していつもまでもあがろうとしないまおに付き合って、ふらっふらになりながらも、やっぱりまおのことが大好きなんだなあ。と自覚する。

この笑顔を守りたい。


オトナになってから、大ちゃんってさりげない気配りができて凄いですね。とか。
サプライズ好きですよね。とか言われるようになったけれど・・・・。

それもこれも、こうやって日々まおで訓練されたからだよ。

なんて思う30台を迎えた今日この頃でした。


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小さい頃、一緒にお風呂に入ってたら??か~ら~の~~。妄想。

ちょ。トリゾ見てないのに、次はBACS??ってことで、本当に内容のない軽いお話一本ですが、
今日はこれだけ~~。
急いで、トリゾ見ます。期限が切れちゃう~~wW