最近定番になってきている、風呂上りは、浴衣でビール。

いつもは暑くて、クーラーの効いた部屋で乾杯。が多いけれど、今日は風があって涼しいのでまだクーラーは入れていない。

風呂から上がってくると、先に風呂からあがっていたまおがまだ湿った髪の毛で、バルコニーに小さなテーブルと夜景が見えるように並べた円イスを用意してくれている。

テーブルには、冷えたビールと、簡単につまめる枝豆。

「・・・・・・あ。大ちゃん。今日は、涼しいから、お外でビール、にしない??」

花が咲いたように笑うまお。ぺっこりとえくぼができて、かわいい。
キラキラ光る夜景をバックにして、そこだけキラキラ・・・のなかで、ふんわりとした白いベールがかかったようなあたたかさ。

「100万ドルの夜景も、まおの存在感にはかなわないなあ。」

なんて、思わずつぶやいてしまうぐらい、改めて惚れ直す。

「------んん??なんか言った??」
「・・・ふふっ。夜景もまおにはかなわないってこと。」

「ええ~~?なに、それえ。意味、わかんない・・・・・。」
「わかんなくていいの。要は、俺が、まおに心底ほれてるってこと。」

「・・・・ふふっ。そうなの?」
「・・・そうなの。」

ちょっぴり照れて、頬を赤く染めるまお。
ああっ!!やっぱり浴衣姿で照れるまおは無茶苦茶かわいいっ!!!
しかも、今日は金魚。
いやあ。我ながら、ナイスセレクトだったなあ・・・・・。


「さあさあ。大ちゃん、座って??」

いそいそ、という感じでイスをすすめてくれるまお。
俺の世話を焼きたくてしょうがない、という雰囲気がでていて、愛おしくて、くすぐったい。

「はいはい。オクサマ。」
「・・・なに、それえ!?」

「ん・・・??なんとなく。今のお前、そんな感じ。」
「・・・おれ、ダイチャンのお嫁さん??」
「・・・だろ?」
「・・・・うん・・・・・・。」

ふたたび、もじもじと両手を合わせながら照れるまお。
少し生ぬるい風が、髪の毛をなでてゆく。

なんだか、そこだけ異空間のように、はんなり、ほんわか、といった空気に包まれている。

「じゃあ、俺のお嫁さんに、乾杯!!」
「・・・・乾杯。」

乾杯、と言いながらも、やっぱり照れ照れのまお。

「ねえ~~。大ちゃん。やっぱり、面と向かってお嫁さん。は恥ずかしいよお。」
「・・・・そう??」
「・・・・うん・・・・・。うれしいけど、やっぱり、まおでいい・・・・・。」

乾杯したのに、あんなに大好物のビールに口をつけずにテーブルに置いた缶をつついているまお。

「ふう~~ん。俺のお嫁さんの、まおちゃん??」

そんな、反応が可愛くて、いじらしくて。
ついつい、もっとからかってしまいたくなる。

「も~~。大ちゃんてばっ!!!」

おもむろに、膝にバシャンとかけられるビール。

「うわっ!!つめて~~!!何、するんだよお!!」
「・・・だって、恥ずかしいんだもん。」

「・・・・まおの弱点、みーつけたっ!!」
「・・・大ちゃん、シュミ、わるいよ・・・・・。」

だって、楽しいのだ。新しいまおを発見するたびに。
しかも、今回はこんなに可愛い照れ照れまおを発見できて、テンションあがらずにはいられないだろお??

「まま。気を取り直して。・・・・俺の愛するまおに、乾杯。」

少し減ってしまったまおの缶ビールにカン!と俺の缶をぶつけて。

「ほら。まおの分。」

まだ冷たいビールをまおの頬に、ぴちゃっとくっつける。

「ひゃっ!!冷たい。」
「・・・だろ?早く飲まないと、ぬるくなっちまうぞ~~。せっかくの外で、夕涼み。なのに。」

「・・・そうだね。」

こつん、と俺の肩に頭をあずけるまお。
ふふ。この重みがしあわせだ。

「・・・・きれいだねえ。夜景。」
「・・・・ああ。あんまり、夏にじっくり見ることってないもんなあ・・・・・。」

冬の夜景が硝子細工や宝石箱。といった印象なら、夏の夜景はカラフルな金平糖やゼリービーンズといった感じ。

「・・・なんか、おいしそう。」
「・・・・・おいしそう??」

まお語録??なんで、夜景で美味しそう、なんだ??

「なんかねえ。かわいい金平糖を、ばーってまき気散らしたみたい。」
「・・・・ああ。なるほど。」

確かに。
このややあたたかい風に吹かれながら、この夜景をみていると、そんな気分になってくる。

「ビールもいいけど。なんか、カフェモカ、とか飲みたくなってくるねえ。」
「・・・・なるほど。・・・じゃあ、今度涼しいときがあったら、それだな。」

新しいまおの発見と、あたらしい感性の発見。
夏の夜景をゆっくり眺めながら、外でカフェモカを飲む。

うん。一人暮らしでは、絶対に考え付かない発想だ。

---------やっぱり、まおをお嫁さんにもらってよかったなあ。


「あいしてるよ。まお。」
「ん・・・・。おれも。」

すぐ側にある肩を引き寄せると、長いまつげを伏せて目を閉じるまお。
やっぱり、美人だ。
なんて思いながら、その唇にそっとキスをした・・・・・・・・。



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リクエスト第一弾。
ベランダでビール。です。
なんだか、ワタシも入り込めないようなお二人の世界で・・・・・・・。

いやん。覗いてていいのかなあ??
って気になりながら、私も照れ照れしながら書いていました。

あまいわあ~~。南国とはまた違ったスイートな感じですねWW