先日シン・ウルトラマンを観た。



自分は昭和も初代とセブンは全話、他もつまむ程度には観てきたし、TDG〜メビウスも(恐らく)全話観ている。

(現行作を引き合いに出すことになんの意味があるかは知らないが、)近年に感じる範囲での作品としてはギンガ〜ルーブ、ZならTVシリーズを全話追いかけている。

なんなら現行作のアイテムもネクサスにまつわるものなら集めているし、ダークメフィストに会うために怪獣酒場へ、ジュネッスに会うために墓場の回廊へはるばる向かったこともある。

その程度にはウルトラマン(ネクサス)が好きではある。



ここまでは知識自慢だ。
「俺はこのくらい作品を追っているオタクだ!」と、何に対してかイキリ散らかしただけである。

そして、だからこそ言いたいことがある。

































シン・ウルトラマンは終盤まで退屈だった!!











観ていて面白い・楽しい作品だと感じていることについては誤解してほしくはないので、予め伝えておきたい。
しかし一方で「あぁ、にせウルトラマンか。」や「はいはい巨大フジ隊員ね。」と思ってしまう自分のことも確かに存在していたのだ。

今回は友人と二人で見たのだが、終わったあとに何点か「あれって元ネタあるの?」と聞かれ、一応知っている限りでは回答をしたが、そのこと自体がとても悔しく感じる結果となった。



シン・ゴジラを見た際にはこうはならなかった。
あの時も今回とは別の友人と映画館に行き、二人並んでスクリーンに目を釘付けにされたことを今でも覚えている。

(終わったあとにはこれまた)自分の知る限りのウンチクをタレ流したが、あのときは自分も興奮冷めやらぬ様子だったように思う。

小学生の頃に平成ガメラに脳を犯された身としては、そもそもゴジラなんてガキかバカの観るもので、そこには怪獣がいる現代としてのリアリティもカタルシスもない、好きなのは初代とvsデストロイアだ、くらいに思っていたので、ゴジラというコンテンツにはさほど思い入れも無かったのだ。


そんな中であれをぶつけられたのだから、当時の自分は桂三枝もかくやというレベルに椅子から転げ落ちる気分だった。



またさらに、新劇エヴァの中ではQとシンが好きだというのも、この事態に対しての解答を表しているように思える。

自分が庵野作品に求めていたのは、端的に言うなら新しさだった。

ゴジラは熱戦(パワーブレスでない)で都市を焼くし、綾波はシンジを守るために盾を構える。そんなものはオタクの世で言えば常識に近いし、それをやらないのはエメゴジやマツイくん、育成計画やちびえゔぁあたりで十分だとも思っている。



だからこそ、自分にとってシン・ウルトラマンは拍子抜けだった。


なぜなら全て「新しいけどなんか見たことある」だったからだ。

もちろん観たことのないものも数多くあった。しかし話の骨子を初代のプロットが担っている以上、これはいわばエヴァ序に過ぎず、そこにイデアは生じないのである。

ゼットンとの最終決戦は独自のラストに終わったように思えるが、劇場では「マリンスペシウムだけは撃ちませんように…」と頭の中で必死に祈っていた。
それほどまでに作品の名場面を繰り返されるのが嫌になってしまったのだ。



ただ、これに関しては思う部分がないでもない。

ゴジラとはファイナルウォーズからギャレゴジまでの間、長らくにわたり死んだコンテンツであり、一方でウルトラマンはメビウスから大怪獣バトルや劇場シリーズを経て生き返ったコンテンツだ。

この空白期間の差は両者の保守意識に大きく影響を与えているように思える。


ウルトラマンにとって、過去作とは積み重ねであり歴史そのものだ。新マン以後は作品群としてのウルトラシリーズが確立され、紆余曲折がありながらも今日までその魂は受け継がれている。
※これについては非常に物申したいこともあるが……


一方のゴジラについては、その同世代の作品間ですら、そのつながりがないものも多い。
作品を見返せばそれは理解できるようにも思うが、積み重ねてきたものにさほど意味を感じ得なかったとしても無理はないだろう。

シン・ゴジラの終幕では竹之内豊がこんな台詞を口にしている。

「日本はスクラップ・アンド・ビルドでのし上がってきた。」

これこそ、シン・ゴジラの制作側、突き詰めれば東宝の言いたいことではなかったのだろうか。偉大な先人たちのことを思えば、その決心をするにはとても勇気のいることだろう。
(だからこそ適当にガメラ3を擦った記念PVを出したKADOKAWAや、トリガーを「ティガっぽいなにか」として作った円谷には強く言いたいこともある。)



ここまで長くなったが、つまりは作品に対して、ウルトラマンに対して、そして何よりも自分に対してこう言いたいのだ。




こんなに君を好きでいてよかったのか、
ウルトラマン。

作品をはじめて観るという体験を逃したことが残念でならない。