胎児の成長

 

 今回は胎児の成長について書きますが、まず始めに国際標準胎児成長をみてもらいたいので、下に載せておきます。

 

 

       

 

 

 

 さすがにこの国際標準胎児成長表の数値は現在の日本人の体格には合いません。これは男性183cm・女性169cmの国なら妥当な数値と考えられます。もっとも、日本人の遺伝子や体格を調べる人たちから見れば、日本人の出生体重を年々に増やしていくことによって、将来的にはこの平均身長になるといわれていので、それほど問題はないようです。

 

 ただ、現在の日本人の体格(男性172cm・女性158.6cm)から考えて、新生児の平均出生体重は男児3310・女児3210gでいいと考えられます。この平均出生体重ならば、現在の日本人とそれほど変わらない体格をしている、他の東アジア諸国(中国・台湾・韓国)ともそれほど変わりません。

 

 

 

 面白い情報としては、日本人のうち、1990年代に国際基準で体重管理された病院で生まれ、その後20代となった人たちの平均身長は、男性176.1cm・女性162.4cmに成長しました。現在、年齢別で見ても年々伸びているので、日本人の遺伝的な平均身長は高いようです。

 

 しかし、日本の70年代・80年代生まれの人たちは出生体重が現在よりも重かったにもかかわらず、20代の平均身長が現在とそれほど変わらないではないのか、とそういった疑問に思う人がいるでしょうが、それには原因があります。

 

 

 

出産後の子供の成長を阻害させる要因

 

 ヒトの成長を妨げる病気として、成長ホルモン分泌不全性低身長症(旧名称: 下垂体性小人症 )や思春期早発症などは例外として、当時の子どもたちには成長阻害要因が二つあり、一つは、彼らが生まれた当時の家庭内ではちゃぶ台や卓台など、高さの低い和式テーブルで食事などをしていました。これにより長時間(20分以上)の胡坐や正座をするのが習慣でした。また学校においても子どもたちは長時間体操座りがありましたから、このような座り方も含めて、長時間腰を曲げるなど、腰に負担のかかる姿勢をすると子どもの成長を阻害させてしまいます。

 

 しかし、もっとも大きい原因は家庭や学校、あるいは部活で親や教師による体罰があったことです。体罰を受けた子供、あるいはその光景を見ていた子供は大きなストレスを受けることになります。こういったストレスは無関係な周囲の子どもにも伝染させてしまうので、特に人の痛みを感じやすい子供たちは、体罰を受けた子どもの顔の表情やしぐさで伝染してしまいました。

 

 こういった原因で現在よりも出生体重が重かった、70年代・80年代に生まれた人たちは成長を阻害させられ、本来であれば男女ともに4cmほど平均身長が伸びていたはずなのですが、生活環境が原因で伸ばしてもらえなかったのです。

 

 

 90年代生まれの人たちはそういった体罰が少なくなり、また家庭では、ダイニングテーブルでイスに座って食事をするのが当たり前となりましたが、今度はテレビゲームで遊ぶ習慣ができました。これにより長時間床に胡坐をする子供たちが多かったようです。現在はイスに座ってテレビゲームをするようになりましたが、それでも学校では長時間の体操座りがありますから、短時間ならともかく、長時間床に座ることは成長阻害要因になるのでお勧めしません。

 

 

 また正座をすることでたしかに背筋がよくなるため、この座り方を採用する保育園があります。体重が軽い幼児期ならば、まだ長時間でなければ胡坐や正座は問題は少ないと私も考えています。ただ子どもの体重が20kgを超えたあたりから、長時間床に座ることは極力避けさせて、イスに座ることをすすめます。ただし、床に座っておもちゃで遊ぶことについては問題ありません。床に座っているといっても実際には体をある程度動かしているからです。

 

 

 計算上の話ですが、平均出生体重が男児3310・女児3210gで生まれた日本人の子どもたちが、上記の阻害要因がほぼ存在しない環境で生活をした場合、その20代の平均身長の予測値は、男性178.0cm・女性164.2cmとなります。90年代に妊娠期に国際標準で体重管理された女性たちから生まれた人たちの、20代の平均身長が男性176.1cm・女性162.4cmでしたから、まだまだ日本人の平均身長が伸びると予測されています。

 

 

 またなぜ日本人が他の東アジア人よりも身長が伸びるのかというと、大陸では頻繁に大規模な戦争があったからです。戦争になると身長の高い人たちが優先的に徴兵されますから、自然と全体の平均身長が縮んでいくのです。

 

 一方、日本のような島国では、大規模戦闘があっても凄惨な戦いとは無縁でした。昔の日本人の身長が低く、特に江戸時代はさらに低かったのには原因があります。

 

 

 世界各国同じことですが、昔の日本でも長時間腰を曲げる作業を行っていたことで人々の身長は現在よりも低く、平安時代前期の日本人の平均身長は、男性164cm・女性152cmでした。

 

 それが平安時代中期ごろに、「末法思想」という、「世の中が最悪となり正法(仏教用語で、正しい教えの意)がまったく行われない時代がきた」、といった思想が世に流布し、それがしだいに 人々の現実社会への不安を一層深まらせたため、人々はこの不安から逃れるために厭世的な思想に傾倒していき、日本各地では群盗の活動が活発化して、社会不安が増大していきました。

 

 こうした世の中が不安定になったことで、当時の農村や漁村では子供たちへの農業、あるいは漁業における技術継承が困難になることを恐れて、その対策として労働開始年齢を早めます。もっとも子供ができる仕事といえば草むしり程度ですが、むしろ自分たちのそば近くに子供たちをおくことで、誘拐されるのを防ぐためだったかもしれませんが、これにより日本人の平均身長が全体的に縮み、男性160cm・女性148cmになります。

 

 江戸時代になると、子どもたちは6歳になると神社や寺で読み書きなどを教えてもらうのですが、長時間正座することになるので、これが成長を阻害させたようで、江戸時代の平均身長は男性158cm・146cmになってしまいました。

 

 そして明治時代になり、この時期から日本人の平均身長が徐々に伸び始めます。よく栄養事情がよくなったから日本人の平均身長が伸びた、といわれていますが、もちろんそれも理由の一つですが、なにより大きいのは、子どもたちが義務教育によって、家業である労働から、学校でイスに座って学習するようになったからです。

 

 そして日本人の平均身長はその後も伸び続けたのですが、1970年代から始まった妊婦への過度な体重制限のせいで、順調に伸びていた日本の若者たちの平均身長が止まったというわけです。

 

 

 

 日本人の平均出生体重の限界数値は男児3510g・女児3410gなのですが、逆にこの数値を超えると子供の成長を阻害させてしまうようです。ただ、誰しも自分にとって適正な出生体重なんてわかるわけがないので、この日本人の平均出生体重の限界数値を守る以外、対策のしようがありません。

 

 また、出生体重が重い子どものほうが軽い子どもよりも、胎児期に栄養を摂取していたので、将来病気になる確率が少ないという研究結果がイギリスで出されていますので、できることなら子どもの出生体重は重いほうがいいようです。

 

 

子供の成長を阻害させる要因

 

 ヒトの成長を妨げる病気として、成長ホルモン分泌不全性低身長症(旧名称: 下垂体性小人症 )や思春期早発症などは例外として、当時の子どもたちには成長阻害要因が二つあり、一つは、彼らが生まれた当時の家庭内ではちゃぶ台や卓台など、高さの低い和式テーブルで食事などをしていました。これにより長時間(20分以上)の胡坐や正座をするのが習慣でした。また学校においても子どもたちは長時間体操座りがありましたから、このような座り方も含めて、長時間腰を曲げるなど、腰に負担のかかる姿勢をすると子どもの成長を阻害させてしまいます。

 

 しかし、もっとも大きい原因は家庭や学校、あるいは部活で親や教師による体罰があったことです。体罰を受けた子供、あるいはその光景を見ていた子供は大きなストレスを受けることになります。こういったストレスは無関係な周囲の子どもにも伝染させてしまうので、特に人の痛みを感じやすい子供たちは、体罰を受けた子どもの顔の表情やしぐさで伝染してしまいました。

 

 こういった原因で現在よりも出生体重が重かった、70年代・80年代に生まれた人たちは成長を阻害させられ、本来であれば男女ともに4cmほど平均身長が伸びていたはずなのですが、生活環境が原因で伸ばしてもらえなかったのです。

 

 

 90年代生まれの人たちはそういった体罰が少なくなり、また家庭では、ダイニングテーブルでイスに座って食事をするのが当たり前となりましたが、今度はテレビゲームで遊ぶ習慣ができました。これにより長時間床に胡坐をする子供たちが多かったようです。現在はイスに座ってテレビゲームをするようになりましたが、それでも学校では長時間の体操座りがありますから、短時間ならともかく、長時間床に座ることは成長阻害要因になるのでお勧めしません。

 

 

 また正座をすることでたしかに背筋がよくなるため、この座り方を採用する保育園があります。体重が軽い幼児期ならば、まだ長時間でなければ胡坐や正座は問題は少ないと私も考えています。ただ子どもの体重が20kgを超えたあたりから、長時間床に座ることは極力避けさせて、イスに座ることをすすめます。ただし、床に座っておもちゃで遊ぶことについては問題ありません。床に座っているといっても実際には体をある程度動かしているからです。

 

 

 計算上の話ですが、平均出生体重が男児3310・女児3210gで生まれた日本人の子どもたちが、上記の阻害要因がほぼ存在しない環境で生活をした場合、その20代の平均身長の予測値は、男性178.0cm・女性164.2cmとなります。90年代に妊娠期に国際標準で体重管理された女性たちから生まれた人たちの、20代の平均身長が男性176.1cm・女性162.4cmでしたから、まだまだ日本人の平均身長が伸びると予測されています。

 

 

 またなぜ日本人が他の東アジア人よりも身長が伸びるのかというと、大陸では頻繁に大規模な戦争があったからです。戦争になると身長の高い人たちが優先的に徴兵されますから、自然と全体の平均身長が縮んでいくのです。

 

 一方、日本のような島国では、大規模戦闘があっても凄惨な戦いとは無縁でした。昔の日本人の身長が低く、特に江戸時代はさらに低かったのには原因があります。

 

 

 世界各国同じことですが、昔の日本でも長時間腰を曲げる作業を行っていたことで人々の身長は現在よりも低く、平安時代前期の日本人の平均身長は、男性164cm・女性152cmでした。

 

 それが平安時代中期ごろに、「末法思想」という、「世の中が最悪となり正法(仏教用語で、正しい教えの意)がまったく行われない時代がきた」、といった思想が世に流布し、それがしだいに 人々の現実社会への不安を一層深まらせたため、人々はこの不安から逃れるために厭世的な思想に傾倒していき、日本各地では群盗の活動が活発化して、社会不安が増大していきました。

 

 こうした世の中が不安定になったことで、当時の農村や漁村では子供たちへの農業、あるいは漁業における技術継承が困難になることを恐れて、その対策として労働開始年齢を早めます。もっとも子供ができる仕事といえば草むしり程度ですが、むしろ自分たちのそば近くに子供たちをおくことで、誘拐されるのを防ぐためだったかもしれませんが、これにより日本人の平均身長が全体的に縮み、男性160cm・女性148cmになります。

 

 江戸時代になると、子どもたちは6歳になると神社や寺で読み書きなどを教えてもらうのですが、長時間正座することになるので、これが成長を阻害させたようで、江戸時代の平均身長は男性158cm・146cmになってしまいました。

 

 そして明治時代になり、この時期から日本人の平均身長が徐々に伸び始めます。世間的には栄養事情が改善されたから日本人の平均身長が伸びた、といわれていますが、もちろんそれも理由の一つですが、なにより大きいのは、子どもたちが義務教育によって、家業である労働をとにかく止めさせて、学校でイスに座って学習するようになったからです。

 

 そうやって明治時代から順調に伸びていた日本人の平均身長でしたが1970年代から始まった妊婦への過度な体重制限のせいで、順調に伸びていた日本の若者たちの平均身長が止まったというわけです。

 

 

 

 日本人の平均出生体重の最適数値は男児3510g・女児3410gなのですが、逆にこの数値を超えると子供の成長を阻害させてしまうようです。ただ、誰しも自分にとって適正な出生体重なんてわかるわけがないので、この日本人の平均出生体重の限界数値を守る以外、対策のしようがありません。

 

 また、出生体重が重い子どものほうが軽い子どもよりも、胎児期に栄養を摂取していたので、将来病気になる確率が少ないという研究結果がイギリスで出されていますので、できることなら子どもの出生時の体重は重いほうがいいようです。