どうしようもなく気がふさぐ。
寅次郎は鬱状態で眼も虚ろだった。
ふと見上げると自分の顔が青空にかかっていた。
恥ずかしかった・・・・・・
あまりにも恥ずかしかった!
何で俺がこんなところにいるのだ。。。。。
鬱にしては走るのが速かった。
こんなところをあの女に見られたら大変だ。
きっと俺を馬鹿にするだろう・・・・・
深川の団子屋が見つからなかった時から
寅次郎の単純して精密な頭脳のネジが飛んでしまったのだ。
朝の夢に出てきた七つの栗のことが気になって仕方なかった。
七つの栗を愛撫すると願いが成就するというのだ。
しかし栗を買うお金はなかった。
200円しかポケットになかった。
寅次郎は神社の裏にある栗の木に目をつけた。
彼女は今頃上品なクラシック音楽を聴いていることだろう。
とにかく夢に出てきた七つの栗を取らなければならなかった。
ついに寅次郎は栗を取ることに成功したが、足が滑って木から落ちて、頭を打ってしまった。
鬱だった頭はますます朦朧としてきたが、七つの栗はしっかりと手に握られていた。
意識はなかったが、指は優しく栗を愛撫していた。
栗は暖かかった。
栗の愛が伝わってきた。
気を失ったようになって、寅次郎は安らかな眠りに落ちた。
寅次郎は七つの栗がオレンジ色に輝く夢を見た。
くりくり、くりりん・・・・・・
七つの栗よ、我が苦悩を救い給え!
クリクリ、クリリン、クルルンパ。。。。。
クルクルぱーーー!
七・七・八♀七・七・八♂
七・八・九・八・七・八・七・六◎ ふう・・・・・
オシムが言った、「最後の一歩は歩幅が広い」というのは、すごい名言だ。




