朝起きて、リビングに行くと母がいた。
「おはよう。」という。すると母も、
「おはよう。」といった。
ご飯を食べ終え、歯磨き、着替えをし、
「行ってきます。」といい家を出た。
母は「行ってらっしゃい。」
と言った。
家に帰ると、母は
「お帰り。」といった。
私も「ただいま。」
といった。
「早く手を洗って、
着替えてご飯食べちゃいなさい。」
と母が言う。
「はーい。」
私はこんな普通の毎日が
当たり前だと思っていた。
ご飯を食べ終え、
お風呂に入り、
自分の部屋に行く。
「あ、お母さん、おやすみ。」
「おやすみ。」
その日はいつも通り終わった。
次の日。
昨日と同じように
「おはよう。」
「あ、おはよう。」
ご飯を食べ、歯磨き、着替えをして、
「行ってきます。」
といい家を出た。
「いってらっしゃい。」
と母が言った。
現在1時23分。
昼休みの時間だった。
「小野屋さん!!」
と先生が私の名を呼ぶ。
「どうしたんですか?」
すると、
「小野屋さんのお母さんが・・
急に倒れたって・・今連絡があって・・・。」
「え・・?」
「病院に運ばれたから、
小野屋さん、今日はもう学校はいいから
行ってきなさい。」
「・・・は、はい。」
走って病院に行く。
「はぁ・・・はぁ・・・。」
病院につき、息を整え入る。
「あの、小野屋愛って人が
運ばれてきませんでしたか?」
「ああ、小野屋さんですか。
先ほど治療室に運ばれていきました。」
「あ・・分かりました。」
「ここか・・。」
中には、朝笑っていた母がいる。
おはよう、いってらっしゃいって、
言ってくれた母が、
この中にいる。
治療中のランプが消え、
中から医者が出てきた。
「・・小野屋さんの子供さんですか?」
「あ、はい。」
「・・・あなたのお母さん・・・私たちは・・・助けられませんでした・・。」
「・・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・治療は・・失敗しました。」
嘘でしょ・・・。お母さん、死んじゃったの?
・・なんで?
あんなに元気だったじゃん。
毎日あんなに笑ってたじゃん。
あんなに張り切って家事してたじゃん。
当たり前みたいにおはようとか、行ってらっしゃいとか、
ご飯食べちゃいなさいとか、おやすみ、とか。
言ってたじゃん。
なんでこんな急にいなくなっちゃうの?
まだお母さんに一度も・・
”ありがとう”って言ってないのに。
こんなの・・あんまりだ・・・。
当たり前だと思っていた日々も、
当たり前だと思っていた言葉も
今日、私は失った。
