どうにもブログを書こうにも何を書いていいのか困ってしまうので

読んだ本についてでも書いてみようかなっていう。


タイトルがなんだかアレすぎて、普段twitterで絡んでいるような世代の人には

少々気が引けてしまうのですが、おそらくそこから想像されるような話ではないかと。

ほほうと思った方が本屋さんで冒頭だけ読むと、これまた大きく誤解を招くように作られているので

なかなか他の人には勧めにくいという一面がありますが。

34歳の女性官能小説家(処女)のお話です。

(あ、タイトルがタイトルですし(?)作中で処女ではなくなりました。)


この作品、というか姫野作品は主人公の内面のぐだぐだしてるところが素敵。

わたしも大概ぐだぐだした人間なので共感しつつ、

こんなにリズミカルな文章は書けないなぁと羨望しております。


わたしがこんなことを言うと常々「それは厭味ではないのですか」と相手に勘繰られるのですが

根本的なわたしの気質というのは本当に本当に喪女なんです。

モテない路線の思考をする人間なんです。

なのでわたしが好んで読む小説の主人公というのも大抵モテないんです。

今回の『不倫』の主人公の理気子さんも見事にモテないんです。

そんな彼女がなんだか一度に二人もの異性に「コトを致したい」と思っていただける、という話。

…って書くとなんだかまた誤解を受けそうな気がしてしまいます。

いや、あまりそういう恋愛的な成分を否定しては却って理気子さんに失礼なんでしょうか…


この二人の男性というのがまた両極端で、面白いのです。

インテリぶってるバカとバーバリアンなバカ。

理気子さんは後者にキュンキュン来たらしいですがわたしは両方お断りですね…

でもインテリぶってるバカの長台詞はちょっと楽しいのでしっかり全部読みました。

あまり読みすぎると真似したくなるので危ないです。

そう考えるとある意味前者的なバカは嫌いじゃないのかもしれません。


理気子さんやらバカ二人が濃いキャラなもので、ともすると

「姫野カオルコという人は変な人物しか描けないのでは?」と見せかけて

ごくごく普通にレンアイやらフリンやらしているような人々も出てくるのがまたよろしいです。

作中で「エルメスのスカーフが好きだというのとチョコレートが好きだというのはまったく別のもので

スカーフが好きだからといって食べないしチョコレートも首に巻かないでしょ」と

主人公が恋愛観を語っていて、それに「ああ、そうだよね」とも思うし

「それができれば苦労しないのよ!」と悲鳴を上げる人物のほうにも「そうだよね、うんうん」とも思ったり。

なんていい加減なノンポリ野郎だ、とか脳内でセルフツッコミが発生しましたけれども

人の心理というのは多面性があるほど魅力的なんだ、と自己弁護をしておきます。


あまり話の本筋に触れずに紹介をするのって難しいですね。

とりあえずわたしの中ではかなり気に入っている本なのです、ということはお伝えできていますかしら。

もともと同じ本を何度も読み返す傾向にあるわたしですが、

おそらくこの本は現在我が家にある本の中では読破回数がトップなんじゃないかと推測されます。


「自分は所謂非モテである」かつ「うだうだ考え事をしたりするタイプ」という方になら

きっと楽しんでもらえるのではないでしょうか。

なんだかとてもおかしな勧め方をしているというか、

折角気まぐれにこの駄文を読んで興味を持ってくださった方を

全力で排水溝にぶち込むかのような失礼なまとめ方でした。