遺品整理で,かつての夫に出会う日々 | 「前頭側頭葉変性症の夫と私」ひまわり日記

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野球大好き。MLB、欧州サッカーをはじめ、スポーツ全部好きです!夫の難病(前頭側頭葉変性症)に悩み苦しみつつ、息子の心配事にヤキモキしつつも、明るく楽しく暮らしていきたいと思っています。

 死後事務と言われる、人が亡くなったあとで必要な様々な手続き。

私に全部できるかなと心配ではありましたが、一つ一つやってみるとそんなに難しいことではなく、社会の仕組みを今さらながら理解できてとても勉強になりました。

 相続のことも、相続人は私と息子だけでシンプルなので、自力でやっています。今は不動産の相続登記の申請をすすめているところです。

専門家に依頼すると数十万円はかかるそうなので、仕事と思うとやりがいがあります。自分のこととなると、難解な言葉も頭に入ってくるものですね。

 家のなかも少しずつ片づけています。夫の遺品を整理していると、思いがけず、かつての夫の書きつけたものに出会うことがあります。大変な思いをしていたのだなと切ない思いにかられます。その記述をそのままここに書きます。55歳の6月のことです。

 

「シャワーをあびた後、ふきとったが汗が出るのでパニック状態になった。自殺しようと思った。浴室で自殺しようと思ったが、火事になるのではと勘違いしてしまい、頭を打ったが死ねなかった。そのまま外に出て、玄関口と私道で何度も頭を打ったが、死ねなかった。何人かの人がそこに集まってきた。その時には落ち着いてきて、正気に戻った。警察に通報してくれて、来た。涼しい風が幸運にも、ふいてきたので、体も乾いて、正気に戻った。家の中に帰りパンツをはいた。家でウロウロしていたら、なおさら良くなった。今は普段より落ち着き過ぎたほどだ。」

 

その当時、夫は入浴後にいくら体を拭いても水分がとれないとよく言っていました。そしていろんな妄想が頭のなかにあるようでした。さらに気持ちをすっきりさせるためか、水をがぶ飲みするようになり、度々意識も失うようになり、低ナトリウム血症を起こし、病院に入院しました。

大滝詠一のロングバケーションのカセットテープが出てきました。1980年代の若かりし頃の恋愛観がなつかしいです。私たちにも、こんな時代がありました。あっという間に過ぎていきました。