この冬、例年の3倍という意味の分からない積雪に見舞われた留萌市。

市内の一部では積雪が230cm。市街地でも190cmに迫る積雪で、車道と歩道の間に積まれた雪山は建物の二階まで隠れる高さ。至る所が雪山に覆われ、市内はさながら雪の回廊のような有り様に。

アパートの裏側に面したうちの居間の窓は一時期下から半分以上雪に埋まるも、屋根から豚ばら肉の塊の雪像(積もった順に層になり、それが脂身と肉のように見える)のような巨大な雪庇がせり出し、そこから大聖堂のパイプオルガンみたいなでっかいツララが一階の窓に達するほどの長さで垂れ下がりいつ崩落してもおかしくない状況なのでどうすることもできず。

雪かきで痛めたあちこちに湿布を貼るので家中に湿布の香りを漂わせながら『この大雪、いつまで続くのかなぁ』と白目をむきつつ日々を過ごし、窓を埋める雪が減ったり増えたりを繰り返し漸く下から1/3を埋める程度まで減った1月下旬のこと。

朝食の準備をしていたら、窓のすぐ近くを何か小さな黒い影が物凄いスピードで横切って行きました。

時々カラスが横切ったりはするのですが、カラスにしては地面スレスレ過ぎる。

ネコにしては速すぎる。

え?この世のものでないもの?←時々みえる人

でもそれにしても小さいし速すぎる。

………疲れて幻覚………?


そこへ、雪かきをしていた夫が「大変だ!」と叫びながら家に入ってきました。


「エゾリスが足元を走って行った!」と。


「えっ!何その北海道っぽいイベント!ずるい!私も見たかった!さっきの窓の外のはエゾリスかー!じゃあやっぱり去年のあの玄関前の雪に残ってた見慣れない不思議な足跡はエゾリスかぁー!」と、夫と二人でギャイギャイ騒いでいたら再び窓のすぐそばに黒い影が。

今度はしっかり目撃しました。

耳も大きなシッポも真っ白なお腹も全部フワフワモフモフなエゾリス!

すぐに走り去ってしまいましたが。

か…………可愛い~~~!!!!!!!!!!!!

気温が低く積雪も多いので窓の外に積もる雪はフワフワサラサラのパウダースノーなのですが、その上を走っても全然沈まないなんてエゾリスって軽いんだなぁ。


こんな住宅街にエゾリスが住んでいるのか、と本当に驚きです。

夫はこの前夜、仕事終わりに会社の駐車場で立派な角を生やした大きな雄のエゾシカに遭遇しており「オレは最近野生動物を引き寄せる運が来ている!( ・`д・´)」と大喜び。


大雪に見舞われていなければいつもの年なら積雪は窓より全然下なのでエゾリスが駆け抜けたとしても見えなかったので、これも大雪のおかげと言えなくもないラッキーでした。


これ以降、窓の外に目をやる時はつい『またエゾリス来ないかなぁ』と期待に満ちた目で見てしまう……


因みに、今月半ばのある夜。

ドガガガガッと物凄い音がしてカーテンがバフッと舞い上がり、家がドンッと揺れてストーブの安全装置が作動。

震源が近い直下型の縦揺れのような、爆発したような揺れだったので最初は地震かと思ったのですが特にテレビで地震速報が流れたりも無かったので「流石に地震だったら情報出るだろうし、万が一ミサイルが落ちただったら停電するよねぇ、何だろう?」と夫と二人で外の様子を確認しようとカーテンを開けたら立ってる目線の高さまで雪に埋もれていました。

「雪庇が落ちたのか!」と慌てて各窓が割れてないか確認。

翌朝、明るくなってから外に出て家の裏を確認したら豚ばら肉塊の巨大雪像も大聖堂のパイプオルガン氷柱もすっかり消えており………

どうやら少しずつではなく一気に全部落ちてきたらしい。

あの物凄い量が一気に落ちたんだから、そりゃストーブの安全装置が作動するほどの衝撃だよね。

窓割れなくて良かったー……


でも落ちた雪庇と氷柱で家の裏は雪と氷の塊がゴロゴロ転がりボッコボコになってしまい、エゾリスには走り辛い路面状況になったせいかあれ以降一度もエゾリスを見掛けなくなりました。

もう少し暖かくなって雪が溶けて平らになったらまた来てくれるかな……。