こんにちは、リキュウコートです。 #277

今回も動画の解説を行います。

 

今回の動画は前回紹介した№209動画の続きで、ボディの中で最も塗装が劣化しているルーフパネルと、擦り傷が入ったドアパネル磨き補修を行う模様をお伝え致します。

 

※ №210の動画でご確認下さい。

 

ボディの現状・状態を簡単に説明しますが、車の持ち主は女性の方で10年間スタンドにて、洗車/撥水コートによるお手入れを定期的に行っていた202ブラック塗装の車です。

 

塗装を保護する為に良かれと思い、撥水コートを繰り返し行って来た結果、保護の役目を終えても塗装表面上に残留し続ける保護剤により、塗装本来の輝きを失い見るも無残な状態になり磨きの依頼となりました。

 

前回はフロント部のボンネットやフロントバンパーの補修を行いましたが、10年間繰り返した保護被膜の堆積を除去すれば、ある程度の浸食した雨ジミの補修で、新車以上の輝きへ修復する事が出来ました。

 

しかし今回は堆積した保護被膜の除去だけで完了するレベルではありません。

 

見た目ではボンネットよりも汚れが多く堆積した感じで、全体的に白く濁った状態で映り込みも殆ど無い状態です。

 

最初にボンネットを磨いた事により、不純物を除去すれば簡単に修復出来ると簡単に考えておりましたが、実際にルーフパネルを磨いてみて全く違う事に唖然となりました。

 

不純物の除去後の状態がボンネットとは全く違う、ルーフ全体に無数の塗装を侵食した雨ジミに覆われた状態でした。

 

雨ジミだけではなく、長期にわたり塗装を不純物に覆われていた弊害により、針で穴をあけた様な無数の穴が露わになりました。

 

磨き後は不純物が除去された状態ですので、塗装自体を侵食した損傷という事です。

 

202ソリッドブラックとは思えない白く膜が張った様なルーフパネルの写真

※ 202ソリッドブラックとは思えない白く膜が張った様なルーフパネル

 

さすがに浸食した全てを完全・完璧に除去する事は、コンパウンドの磨きでも出来ません。

 

削る磨きで除去する場合、侵食した底の部分まで塗装を削る必要があります。

 

今回の症状は深さもあるシミや穴により、完全に除去すればクリヤー塗装を剥がしてしまう事になリ、キュウコートの削らず磨きにおいても埋め切れる深さではない為、完全な除去は出来ない症状です。

 

今回はお金を頂く仕事としての施工の為、どのように磨くのか?作業の方針を決めなければいけません。

 

完璧な除去を目指せば、当然に手間と時間が無数に必要となり結果として予算も高額となってしまいます。

 

それでは単なる自己満足の仕事となってしまいます。

 

その場合、依頼者がどの程度の仕上がりを望むのか?という点を正確に把握する必要があります。

 

希望する仕上がりに対し工賃が目安として提示出来るので、希望する仕上がりと予算の兼ね合いで作業方針が決まります。

 

それにより今回は、完璧を求めない光沢の復元を目指し、上面はウールバフによる2回の塗布磨き・側面は1回の塗布磨きにより修復するという方針です。

 

ウールバフの2回塗布磨きで鏡面の映り込みに仕上がったルーフパネルの写真

※ ウールバフの2回塗布磨きで鏡面の映り込みに仕上がったルーフパネル

 

結果として不純物は全て除去しますが、塗装を侵食した雨ジミは2回の塗布磨きまでで完了させることにより、雨ジミや傷は残っても仕方がないという作業となります。

 

リキュウコート/マルチコート剤は塗装を削らずに樹脂成分を塗装に浸透させる磨きにより、シミや傷を埋める事が出来ますが限界があります。

 

一度の施工では3回までの塗布磨き・磨き重ねを認めております。

 

10年間の汚れと擦り傷が入ったリヤドアの施工前の写真

※ 10年間の汚れと擦り傷が入ったリヤドアの施工前

 

ウールバフの2回塗布磨きで割り切って仕上げたリヤドアの状態の写真

※ ウールバフの2回塗布磨きで割り切って仕上げたリヤドアの状態

 

鏡面磨きを行った様な映り込みの側面部の仕上がり状態の写真

※ 鏡面磨きを行った様な映り込みの側面部の仕上がり状態

 

無謀な磨き重ねは樹脂成分の硬化が極端におそくなり、柔らかな表面では傷が入ってしまう等のトラブルが発生しますので危険です。

 

今回の施工では2回の塗布磨きにより、100%の埋める能力は発揮しない磨きとなりますが、時間が削減出来る事により予算の節約に繋がります。

 

しかし、完璧は望まないが依頼者が喜べない仕上がりでは意味がありませんので、予算以上の仕上がりをプロとして目指す必要があります。

 

これらの裏事情を知ったうえで動画を見て頂ければ、より理解が深まるのではないかと思います。

今回はプロの仕事として、どの様に施工・作業の方針と仕上がり具合が決まるのか?とういう裏事情について説明させて頂きました。

実際の作業の模様や仕上がり具合については、文章による説明よりも動画を観て頂き判断して下さい。

 

磨きと同時にコーティング被膜が形成される完成状態の写真

※ 磨きと同時にコーティング被膜が形成される完成状態

 

このチャンネルでは様々な題材・素材を使いオリジナルコート剤の特徴である「塗装を削らない磨き」の能力をお見せし、色々な検証等を行っておりますので是非、他の動画もご覧下さい。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。