こんにちは、リキュウコートです。 #201
今回も動画の解説を行います。
今回の動画は、前回解説したウレタンバフ磨きを行ったフェンダーパネルを使って、追加の検証を行います。
前回は、固着した水垢のシミを専用ウレタンバフにより除去し、同時に失われた光沢を補修して仕上げる検証でした。
これは、磨きの経験が無い方でも、見様見真似で綺麗に出来るという方法でお伝えする為にスポンジバフを使用しました。
※ 全体が水垢に覆われて濁った色合いの塗装状態
専用ウレタンバフであれば不純物の除去は出来るのですが、光沢を補修するという面では、摩擦が若干弱い為にコート成分の浸透が浅いという実情があります。
それでも、十分に綺麗に仕上がるのですが、前回の様に塗装自体に何らかの不具合がある場合は、強い浸透による光沢補修が必要になります。
その不具合を補う意味でウレタンバフによる2回のコート剤の塗布磨きを行いました。
本来は、経年の頑固な汚れを除去する場合や、塗装に不具合が見られる場合では、掻き取る能力や摩擦力が強いウールバフを使用するのが最適な方法です。
しかし、ウールバフの磨きは初心者の方にとって少し抵抗感があるようなので、前回はウレタンスポンジでも此処まで仕上がるという所をお見せしました。
今回は、前回ウレタンバフにより仕上がった綺麗な状態を、更にウールールバフ磨きを行い仕上がりに変化があるのか?検証します。
よほどの仕上がり能力の差が無ければ、変化は見られないと思います。
また、ウレタンバフは不純物の除去は出来るのですが、傷を埋める・摩擦傷を消す能力には適しておりません。
損傷した傷などが、一万円で購入が出来るDIY用ランダムサンダーとウールバフ磨きで、何処まで対応出来るのか?検証します。
早速実際の磨きに入りますが、その前にウールバフの磨き方を知る上で必要な解説を行います。
特別な技能という訳ではありませんが、摩擦の作用を利用して不純物の掻き取りや成分の浸透を行う磨きの為に、バフのどの場所で磨くのかを知る必要があります。
大きく分けると3つのパターンに別けられます。
強い摩擦が必要な磨き方から解説します。
深い線傷や局所的な強い損傷部の磨きでは、バフを面で磨くよりも点で磨く方が効果的です。
※ ① 局所的な傷除去等で使用する箇所
動画の解説でよく使用する「エッジを立てた磨き」や「エッジを利用した磨き」と言う磨き方です。
写真で示すように、バフの最も大きい外周部分を使用して点で磨きます。
※ ①の箇所を使用した強い磨きで局所の傷を除去する磨き方
その箇所は、バフをマジックテープで固定するバフパッドという機械側にあるパッドの先端部を示します。
※ バフを装着するバフパッド先端(外周)部が最も強い磨きが可能
このパッドは固いウレタン素材で出来ている為に、裏当ての役割を果します。
点で磨くというのは、バフの接地をベタ付けにしていては磨けない為に、必然的に傾けた磨きになります。
その時に固いバフパッド先端(外周部)が裏当ての役割を果して強い摩擦が生じるのです。
この様に局所的な強い摩擦が必要な場合に使用するバフの使用箇所になります。
続いては、局所的な損傷ではないが、固着した不純物などが堆積している場合の磨きで使用する箇所です。
※ ② 不純物の除去やコート成分の浸透を図る磨きで使用する箇所
大体の磨きでは、何らかの除去が目的のために、最初の磨きで最も多く使用する磨き方です。
これもよく解説に出て来る「バフの半円を使った磨き」と言う部分です。
先程の点で強く磨くのではない面で強く磨くという磨き方です。
※ ②の箇所を使用した強い磨きで傷除去磨きを行う磨き方
面で磨くと聞けばバフ全体で磨くように理解しがちですが、バフの接地をベタ付けした磨きでは殆ど効果はありません。
その訳を説明するのは一言では難しいので今回は省きますが、バフの半円を使用した強い押さえの磨きが、広い面積での磨きでは最も効果があります。
バフの半円を使用すれば、前方部でも後方部でも何処を使っても構いません。
重要なのは、自分がバフのどの部分を使用して磨くか?磨いているか?を認識して磨く事が肝心です。
半円を利用して、パターンを重ねながら移動させながら磨きます。
パターンを重ねるというのは、半円を利用して半円を重ねながら磨くという意味です。
この重ねが無ければ、磨きが不均一になってしまいます。
バフの範を使って磨くと言っても、半円部が全て均等な磨きとは言えないからです。
そのバラつきを抑える為に、半円程度を重ねながら磨く必要があります。
この磨きにより、クリーナ成分で分解された汚れが掻き取られます。
その後のコート成分の浸透が均等に行われるという事になります。
最後に、バフを最も広く利用した磨き方です。
※ ③ 目消し磨きや均し磨きを行う場合に使用する箇所
マルチコート剤は磨きムラや磨き傷が殆ど発生しないという大きな特性がありますが、エッジを立てた磨きや強い磨きだけで終了するのは禁物です。
流石に目視では確認出来ない磨きムラが発生している可能性があります。
それは全ての作業が終わり直射日光下で初めて確認が出来る不具合です。
一般的にはオーロラと呼ばれる不具合です。
一般的なコンパウンドの磨きよりも、はるかに少ない現象ですが、見栄えが悪い現象です。
その不具合を抑えるために、半円よりは広い面で「均し磨き」が必要になります。
この磨きは動画では確認しにくい磨きになるので、解説による理解をして下さい。
※ ③の箇所を使用し仕上げ磨き・均し磨きをウールバフにて行う磨き方
最初に説明したように、バフをベタ付けに接地した磨きは効果が無いので、ベタ付けに接地した状態から半円で磨くと意識した状態の磨きです。
先程の半円を使った強い磨きでは、傾きが確認できるものですが、「均しの磨き」では傾きが判らない程度の磨きになります。
殆ど「半円で磨く」という意識レベルで実行される磨き方です。
均し磨きや、仕上げ磨きでウール磨きを終えればオーロラの心配は殆どありません。
最後はウレタンバフによる「目消し磨き」により、目に見えないレベルのウールバフによる磨きムラは解消されます。
※ ③の箇所を使い最終仕上げ磨きをウレタンバフにて行う磨き方
という訳で、基本的にウールバフを使用した場合はウレタンバフの磨きが必衰となります。
という事は、最低でも同じ箇所を2回は磨く事になります。
この手間も仕事で使用する場合は考慮する必要があります。
この3パターンの磨き方で損傷部や全体磨きを行った仕上がり具合は、ウレタンバフの2回の塗布磨きよりも色合いが鮮明になり、更に光沢感が増した仕上がりになりました。
これが、摩擦力の違いによる浸透力の差です。
塗装表面は電子顕微鏡レベルで見ると無数の穴が開いているのですが、その穴にコート成分が浸透して埋まる事により、塗装表面の密度が増します。
その現象により、塗装が鏡面磨きを行った様な鏡面光沢に覆われるのです。
コンパウンドの研磨剤による磨きは、塗装表面を極限に平らに削る事により鏡面化しますが、マルチコート剤では塗装を削らずに、密度を増す事により鏡面化させます。
この磨きで得た仕上がりは光沢がアップするだけではなく、透明感も増します。
塗装本来のパールやメタリックの顔料が鮮明に見えるようになる現象です。
まるで塗装を塗り直した直後の様な透明感です。
この仕上がりにおいては、コンパウンドの磨きでは絶対に再現出来ない仕上がりであると断言が出来る程です。
※ ウールバフによる鏡面光沢磨きを行った完成状態
この仕上がりをDIYサンダーと、磨きに熟知していない方でも真似が出来れば誰でも再現出来るという事です。
難しい事は全てコート剤が行ってくれるという事です。
今回の検証では、これらの点を再現する為に行いましたので参考にして下さい。
最後までお付き合い頂き有難うございました。
気になった方はサイトも覗いてみて下さい。