こんにちは、リキュウコートです。 #196

今回も動画の解説を行います。

 

今回は前回紹介した、売約済み中古車のガラスコーティング施工前の不純物を除去する目的の「一発磨き」の続きの模様です。

 

※ №133の動画でご確認下さい。

 

前回は、マルチコート剤と専用ウレタンバフによる塗装面の磨きを解説しましたが、今回は「ヘッドライト・雨よけバイザー・シボ加工未塗装樹脂・水きり樹脂モール」の、各樹脂パーツの磨きリフレッシュについて解説致します。

 

今回の樹脂パーツの磨きにおいてもマルチコート剤とウレタンバフを用いて「一発磨き」を行います。

 

という訳で、塗装面と樹脂パーツを区別する事無く、一緒・同時に磨き・処理を行って構わないという事です。

 

あくまでも解説を分かり易く行う為に、別けて解説しておりますがヘッドライトと塗装面のボンネットを、同時に磨きを行っても問題はありません。

 

但し、予め注意点を説明しておきますが、ゴム製品にはマスキングにて被覆する必要がある点と、未塗装のシボ加工樹脂においては、原液を直接塗布し機械磨きを行わない事の注意が必要になります。

 

今回マスキングを行っているのは軟化性樹脂(ゴム製品)へ施しております。

 

マスキングを究極に減らす私においても、最低限のマスキングは作業性を重視する面においても効果が有ると考えます。

 

あくまでも自分の技量も関わりがあるので、各々個別に判断して下さい。

 

商品化で再生された売約済み中古車の現状の写真

※ 商品化で再生された売約済み中古車の現状

 

前回も説明しましたが、決して新しい車ではなく3.5万km走行もある中古車ですが、それなりに商品化時に磨きを行い仕上げておりますので、一見すると塗装面においても光沢も良く綺麗にみえますが、樹脂パーツ全般に経年による劣化が見られます。

 

塗装面が綺麗な分、樹脂パーツの劣化が目立つ為に、結果的に経年を感じる残念な評価になっています。

 

ディーラーより樹脂パーツの磨きは要望されておらず、コーティング施工前に小奇麗に磨いて欲しいというだけの依頼です。

 

しかし、一般的な磨きとは塗装面の磨きを示しますが、小奇麗な状態の塗装面を、より綺麗な状態に仕上げてしまうと、余計に樹脂パーツの劣化が目立つ結果になってしまいます。

 

その様な理由で、今回は樹脂パーツに重点を置いた磨きを行いました。

 

マルチコート剤とウレタンバフにより「一発磨き」を行った完成状態の写真

※ マルチコート剤とウレタンバフにより「一発磨き」を行った完成状態

 

そもそもの疑問ですが、何故?商品化時に樹脂パーツの劣化を改善しないのでしょうか?

 

その訳は、ヘッドライトなどの樹脂製品においてはコンパウンド等で磨くという事は出来ますが、シボ加工未塗装樹脂などはコンパウンドでは磨けませんし、樹脂モール等も劣化を蘇らせる液剤も少ない?と言う理由で、あまり重点を置いて仕上げていないのが実情です。

 

せいぜい一過性の艶出し剤でその場しのぎを行っている為だと思います。

 

また、ヘッドライトやバイザーなどの、ポリカーボーネットの素材はコンパウンドの様な研磨剤で磨くと、細かい傷が入る為に劣化が促進されるというデメリットもあります。

 

その為に、ヘッドライトは黄ばみも進行している状態や、バイザーにおいても表面が白っぽく変化し透明感が薄れているのが現状です。

 

決してマルチコーチコート剤は樹脂パーツを磨く専用の液剤ではありませんが、これまでの磨きの実績で、劣化を補修し若返らすという効果があります。

 

永遠と続く効果ではありませんが、少なくても多くの一過性の誤魔化しの様な補修ではありません。

 

塗装面と同じくコート剤の樹脂成分が、樹脂パーツへ浸透する為だと考えられます。

 

この様な理由で、マルチコート剤で塗装面の不純物を除去し光沢を補修し、同時に同じメカニズムで樹脂パーツの補修が行えるという事になります。

 

もう一つ、この作用に大きい役割を果たすのがマルチ専用ウレタンバフの存在です。

 

スポンジ素材でありながら、強固な不純物を一回磨きで掻き取る役割と、樹脂成分の浸透を図り光沢を補修する役割を一度に果たせるのは、素材の特性が大きく関わります。

 

強い磨きを行うにはウールバフが最適ですが、仕上げにスポンジで仕上げる必要があり、結果的に2回磨きを行う事になります。

 

ウールバフ程の役割は果たせませんが、不純物の除去と浸透を図るには、特徴のある目の粗さとコシのある固い素材が役目を果たします。

 

そのお蔭で、時間・労力の削減が出来る「一発磨き」が可能になるのです。

 

勿論、磨き傷を付けてしまうと台無しですが、その点についてはマルチコート剤の特性で補われます。

 

これらの基本的なメカニズムを知る必要があるので、前説が長くなりました。

 

 

最初はヘッドライトの磨きですが、今回はあくまでも汚れ・不純物の除去が目的である為にウレタンバフを使用しますが、本当に綺麗に仕上げるにはウールバフによる樹脂成分の浸透が望ましい事はご理解下さい。

 

1分30秒のウレタンバフによる「一発磨き」でリフレシュを行っているヘッドライトの写真

※ 1分30秒のウレタンバフによる「一発磨き」でリフレシュ

 

今回は劣化の進行による黄ばみを除去する目的でウレタンバフによるリフレッシュを行いました。

 

動画を観れば判ると思いますが、塗装面を磨くよりも長い時間磨いております。

 

それは、思った以上に黄ばみの進行が重症であった為です。

 

通常はマルチコート剤の撥水効果も生かす為に、ある程度の消化が行わられた時点で磨きを辞めますが、ウレタンバフに余力を使い果たす為に、水分が無くなる手前まで磨き込みました。

 

その為、液剤の一回塗布でかなりの変化・補修が行われたと思います。

 

しかし、撥水成分は殆ど無くなっていると思いますが、最終仕上げでミラーコート剤を施工しますので、磨きでの撥水効果が無くなっても問題はありません。

 

時間を掛けたと言いましたが、僅か1分30秒の磨きです。

 

この時間で頑固な黄ばみを除去し、樹脂成分の浸透を図り透明感のある仕上がりを行えるのは優秀だと思います。

 

磨いている最中に透明感が増している事が動画でも確認できると思います。

 

1分50秒のウレタンバフによる「一発磨き」でリフレシュを行っているヘッドライトの写真

※ 1分50秒のウレタンバフによる「一発磨き」でリフレッシュ

 

右ヘッドライトは動画の編集上、磨き作業は省きましたが、黄ばみが左よりも進行している為に、1分50秒の磨きで完了しました。

 

磨き作業を省いたビフォ・アフターの為に、一気に変化が見られたと思います。

 

完成映像は、最終仕上げとしてミラーコート剤の撒布施工が完了した状態のものです。

 

ウレタンバフの磨きで、此処までリフレッシュ出来れば十分だと思います。

 

 

続いて雨よけバイザーですが、基本的にはヘッドライトと全く同じの磨き補修となります。

 

ヘッドライトの黄ばみの様な現象はありませんが、表面が摩擦傷等で白っぽい表面により透明感が損なわれている状態です。

 

ウレタンバフにより雨よけバイザーへ樹脂成分の浸透を図る磨きの写真

※ ウレタンバフにより樹脂成分の浸透を図る磨き

 

不純物は多くはないので、樹脂成分の浸透を図る磨きになりました。

 

浸透を図る磨き?とは誤解を招く表現ですが、人的な磨きの切り替えではなく、液剤が独自に判断して浸透を図ってくれるので、誰が行っても同じ仕上がりになります。

 

ここで、もう一つ補修において重要な役割を果たすのが、ミラーコート剤の存在です。

 

マルチコート剤で除去・浸透を行いますが、その上の仕上げを施すのがミラーコートです。

 

最終仕上げとしてミラコート剤の撒布施工を行っている写真

※ 最終仕上げとしてミラコート剤の撒布施工を行う

 

動画でも判別出来ると思いますが、マルチコート磨きを行った仕上がりよりも、色の濃さが増した仕上がり感と、映り込みがクッキリとした光沢の向上はミラーコートによるものです。

 

これは、バイザーだけではなく他の樹脂パーツでも同様の効果が観て取れます。

 

いつも高撥水の性能ばかりが目立ちますが、磨き作業ではミラーコート剤の鏡面光沢に助けられる心強い存在です。

 

塗装面と同様に樹脂パーツにも高い効果があるという事が、今回の動画で表現出来と思います。

 

 

最後に未塗装樹脂のシボ加工樹脂と樹脂モールについてですが、共通しているので同時に解説します。

 

2つの樹脂パーツに共通するのが、機械磨きの場合は直接原液を塗布して磨いてはいけないという点です。

 

ハンド処理利による手磨きでは問題ありません。

 

皆さんが思っている以上に機械の動きは激しいものです。

 

この激しい動きにより、手磨きでは困難な研磨などの磨きを可能にします。

 

未塗装シボ加工樹脂を原液を塗布しない「余力」で磨いている写真

※ 未塗装シボ加工樹脂を原液を塗布しない「余力」で磨く

 

マルチコート剤は研磨剤ではありませんが、この摩擦を利用して強制的に浸透を図りますが、機械磨きの激しい摩擦により、原液の白い成分粒子が艶の無い樹脂表面へ、浸透する前に焼き付きを起こしてしまいます。

 

それを避ける狙いで、ドアパネルを磨いた後のバフ内に残る成分を使った「余力磨き」で樹脂パーツの汚れを除去し、自然な光沢成分の浸透を図るというものです。

 

通常の除去と浸透であれば余力磨きで充分綺麗になり潤いも蘇らす事は可能ですが、今回の様な樹脂モールの様に経年劣化が進行し、白化が出始めると余力磨きでは充分な改善は行えません。

 

その時に使用する磨き方を樹脂モールにて実演しました。

 

マルチコート剤をマイクロクロスに少し多めに塗布している写真

※ マルチコート剤をマイクロクロスに少し多めに塗布

 

マイクロクロスにて粗磨きを行い原液を消化している写真

※ マイクロクロスにて粗磨きを行い原液を消化する

 

マイクロクロスに少し多めのコート剤を塗布して、強めの手磨きにより粗磨きを行います。

 

その後に樹脂モールに消化され切っていない成分を利用して機械磨きを行います。

 

原液を直接補給している事もあり、劣化が進行している樹脂パーツには効果が有る磨き方です。

 

 

劣化が進行する樹脂モールを機械による余力磨きを行っている写真

※ 劣化が進行する樹脂モールを「余力磨き」でリフレッシュ

 

この方法であれば、シボ加工樹脂へも同様の磨きが可能です。

 

余力磨きで不十分な時に、一旦はマイクロクロスにて粗磨きを行った上で、機械による追加磨きが行えます。

 

但し、全ての樹脂に対応できるかと言えば、劣化があまりにも進行して白化してしまった樹脂には効果は期待できません。

 

見分け方としては、マイクロクロスの粗磨きで効果が見られる場合は期待が持てます。

 

今回の様なドアガラス下にある水切り樹脂モールでは、同様の磨きで効果を果たすケースが多いので参考にして下さい。

 

経年劣化により潤いが無い樹脂モールの写真

※ 磨く前の経年劣化により潤いが無い状態

 

マルチコート剤とウレタンバフによる機械磨きを行った状態の写真

※ マルチコート剤とウレタンバフによる機械磨きを行った状態

 

ハンド処理でも改善出来る場合が多いので、むやみに機械磨きをお勧めしている訳ではありません。

 

という訳で、樹脂モールでは初めてお見せする樹脂パーツの磨き方の紹介でした。

 

 

今回は、樹脂パーツの磨きで劣化を補修し潤いを蘇らせましたが、シットリとした潤いの仕上がりはミラーコート剤の役割によるものである事を、お忘れない様にご理解下さい。

 

最終仕上げ(ミラーコート)を行った樹脂モールの状態の写真

※ 最終仕上げ(ミラーコート)を行った樹脂モールの状態

 

樹脂パーツはメインの目立つ存在ではありませんが、補修により潤いが蘇る事により、結果的に車全体が若返り・引き締まった様に見えるという事を、ご理解頂ければ幸いです。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

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