こんにちは、リキュウコートです。 #167

今回も動画の解説を行います。

 

今回の動画は、これまで何度も磨きの施工で使用してきた「DIY(ランダム)サンダー」について改めて詳しく解説するという動画です。

 

※ №105の動画でご確認下さい。

 

ポリシャーの紹介だけではなく使用するバフの紹介や、全機種に共通する磨きのポイントについても解説しております。

 

動画の冒頭に余談として紹介した「エアー式のダブルアクションサンダー」について簡単に解説しておこうと思います。

 

このサンダーは、板金塗装でパテなどを研磨する目的で研磨紙を張り付けて使用するものです。

 

圧縮空気で動く最少・軽量エアー式ダブルアクションサンダーの写真

※ 圧縮空気で動く最少・軽量エアー式ダブルアクションサンダー

 

動画で見て判るように手の平にスッポリと納まる小型で軽量のサンダーです。

 

オービタルと言う偏芯運動の幅が半径3mmという小型でありながら少しだけ大きく動くサンダーで、前職のコーティングメーカー勤務時に私が車の磨きとして採用し、各ディラーを中心に販売していた商品です。

 

販売対象が工場での使用がメインであった為、どの工場でも身近に設置している圧縮空気の利用が容易に行える為、この商品をエアーツールとして採用しました。

 

私の知る限りでは、この最少・軽量サンダーを用いて車の磨きとして採用している研磨剤の商品は聞いたことがありません。

 

その理由は簡単で、通常のコンパウンドでは機械のパワーが無さ過ぎて磨けない・通用しないからです。

 

それを可能にしたのが現在の「マルチコート剤」の原型商品の性能によるものです。

 

その理由で、当時は他社商品との差別化を図る上で、インパクトのあるアピールとなり目を引く事に成功し販売を行っておりました。

 

引き続き現在においても軽量で誰でも使い易く疲れないという理由で使用して貰っております。

 

現在の一般販売においてはエアーツールを使える環境は殆ど無い為に、今回は大きさのみを表現する意味で撮影・紹介しました。

 

最少・軽量ですが前回紹介した「ワックスポリッシャー」の何倍もの働きが可能なサンダーです。

 

話しは本題に戻り、このDIYサンダーは数ヶ月に渡り動画の紹介で使用しましたが、プロの目から見ても能力を秘めた馬鹿に出来ないサンダーであると再認識している商品です。

 

先程紹介したエアーサンダーの倍程度の能力があります。

 

エアーサンダーでは手軽に不純物を除去する分においては十分ですが、本格的な磨きには能力不足です。

 

しかし、このDIYサンダーは使い方次第ではプロの仕上がりに近い所まで磨く事が可能なサンダーです。

 

電動DIYランダムサンダーの写真

※ 電動DIYランダムサンダー

 

元々の使用目的が研磨紙による木材などの研磨である為、完璧な塗装を磨くポリッシャーとしては不十分な点もありまあすが、強制的な回転運動が無いダブルアクションサンダーとして磨きの経験が無い初心者の方でも扱えるサンダーであると思います。

 

このサンダーの有り難く思える機能が、スピード調整機能がある点です。

 

ダイヤルは①~⑥までの無段変速ですが、初めて(未経験)の方はダイヤル①であれば恐怖を感じなく磨きを始める事が可能と思われるからです。

 

私からすると①のダイヤルではもどかしくなり無理ですが、①から始め自分の技量に合わせてスピードを上げて行く事が可能なので、初心者の方にも勧め易いサンダーと言えます。

 

この私でさえダイヤル⑤までしか使用していないので、初心者だけではなくセミプロの方まで幅広く対応出来る能力を秘めたサンダーだと思います。

 

今回はサンダーや磨く液剤の能力を検証する動画ではなく、このDIYサンダーも含め全てのポリッシャー磨きに共通する「磨きの極意」を中心に解説しております。

 

私も磨きに関わる仕事を約28年近く行っておりますが、ポリッシャー磨きについて手取り足取り他人から教わった事は一度もありませんし、教科書の様なもので学んだ経験もありません。

 

その為、今回の解説は全て私の経験から学んだものである為に、全てにおいて正しい答えだと言えるものではありませんが、ポリッシャー磨きで一番重要だと思う事を解説させて頂きました。

 

それは「磨きの効果的な作用」を理解し実践する事だと思っております。

 

これはテクニックや裏技ではありません。

 

機械の動力を最大限有効に使って磨く基本的な知識です。

 

動画でも画像を使い解説しましたが、バフ全体を使用して磨くというのは間違った理解です。

 

バフで効果的に磨ける箇所(スイートスポット)は一部であるという事を最初にお伝えしたいのです。

 

ダブルアクションは強制的な回転運動が無い為に、ベタ付け(塗装面に対し平行・均等)の磨きが可能です。

 

しかし、それは「磨き」の作業・行為ではありません。

 

ワックスや艶出しコート剤などの「塗り込み」を行う行為です。

 

「磨き」とは不純物(汚れ)等を除去するなど塗装を研磨するという行為ですが、ベタ付けでは機械の動力を磨きの作用には使えません。

 

この磨きの作用を可能にするのがバフの一部(スイートスポット)を使い磨くという事です。

 

ベタ付けの姿勢では、バフ全体に動力が分散する為に、的を得た磨きが出来ません。

 

強い磨きや慣らしの磨きは機械の角度・バフの角度を調整しスイートスポットの面積で調整しているのです。

 

平面での通常磨き・慣らし磨きでは、バフの半円で磨く意識が必要です。

 

逆に強い磨きを行う場合は、バフの接地(スポット)を小さくして機械の動力を集中させて磨く必要があります。

 

平面の除去磨きで行うスイートスポットの写真

※ 平面の除去磨きで行うスイートスポット

 

強い磨く場合のスイートスポットの写真

※ 強い磨く場合のスイートスポット

 

趣味で機械磨きを行う一般の方では、この点を正確に理解されている方が少ないように思えます。

 

見様見真似で行う方が多いので当然の事です。

 

その為に意識しないで、それなりに近い磨きで行えているというのが現状だと思いますが、あえて認識し意識して磨くという事が改めて重要になるので、今回は動画で紹介しました。

 

これが機械の動力を効果的・有効に利用して磨くという事に繋がるのです。

 

コンパウンドの磨きも勿論ですが、{マルチコート剤」も磨きの行為でコート成分の働きが生かされるのです。

 

しつこいようですが、マルチコート剤はベタ付けの「塗り込み」では効果が発揮されません。

 

技能不要と言っても、磨きの基本である働き・作用は知識として認識する必要があります。

 

この作用を理解し実践さえできれば上手い下手はあまり関係なく自然に仕上がってくれます。

 

この基本的な説明をしている方を見た事が無いので、あえて紹介させて頂きました。

 

最後にバフの紹介ですが、これも磨きの作用に関わる事です。

 

機械の動力とバフの素材との相関関係により、それぞれの素材を生かす仕上がりを再現します。

 

専用のダイヤカットバフはマルチコート剤の傷が入りにくい特性を生かし、あえて固く目の粗い素材を採用しました。

 

マルチコート剤の性能が一番発揮されるダイヤカットスポンジバフの写真

※ マルチコート剤の性能が一番発揮されるダイヤカットスポンジバフ

 

硬い素材がダイレクトに動力を伝え、粗い目が不純物(汚れ)を掻き取る役目を果たす為に採用しました。

 

その上目の粗さが、もう一つの特徴である濡れた状態で磨けるという水捌けの良さも兼ねています。

 

この作用により、頑固な汚れの除去に必要な強い磨きも含め、濃色車の仕上げとしても一度の磨きで完結できるようになりました。(一般販売へ向けて準備中です)

 

もう一方の仕上げ用ウレタンバフは、モチモチとした肌理の細かい素材と動力を中和させる作用により、濃色車や新車の不純物の無い塗装を仕上げる磨きで性能が発揮されます。

 

肌理の細かいモチモチ感のある仕上げ用ウレタンスポンジバフの写真

 

※ 肌理の細かいモチモチ感のある仕上げ用ウレタンスポンジバフ

 

最後のウールバフは機械の動力を最大限に生かし、強い磨きに特化した磨きで性能が発揮されるのです。

強い磨きに適した素材のウールバフの写真

※ 強い磨きに適した素材のウールバフ

 

コンパウンドの磨きでは、この説明・知識以外にも数多く必要でテクニックも要しますので、使いこなす上では非常に難しいというのが実情です。

 

一方、マルチコート剤では今回紹介した作用について理解出来れば、どなたが行ってもそれなりに綺麗に仕上がるという事が最大のメリット・特徴であります。

 

長々の解説になりましたが決して理解が難しいという事ではありませんので、認識する事から始めて下さい。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。