こんにちは、リキュウコートです。 #155

 

今回も動画の解説を行います。

 

今回の動画は、先日近隣のディラーから磨きの依頼があり、その施工の模様を解説したいと思います。

 

 

※ №94の動画でご確認下さい。

 

この依頼は電話でサービス責任者の方から説明を受けましたが、いつも車種・年式・カラー・具体的な状態と仕上がり希望を聞いたうえで、施工の日程を決めています。

 

どの様な磨きを行うかは実際の現状を見ないといけませんが、概略の説明を受ける事で、シミュレーションが予め出来ますし、概略の予算も決められるので必要なやり取りです。

 

今回の希望は「洗車傷が気になるので磨いて欲しい」との事で、「いつものリフレッシュ施工でお願いします」との依頼で返答として「リフレッシュ施工は傷を除去する磨きではないので傷の後追いは出来ませんよ」と返答し了解を得ました。

 

「リフレッシュ施工」とマルチコート剤とスポンジバフによる一回磨きの施工です。

 

その為に、堆積した汚れは除去出来ますが、基本傷を除去する磨きではありません。

 

しかし、何年かの堆積した汚れの被膜に微細な傷が入っているので、汚れを除去すれば必然的に微細な傷は汚れと共に除去されます。

 

意外とこの事をご存知ない方が多いようですが、傷除去には大きな幅があり一言では説明が出来ません。

 

その為に一回磨きで改善出来るのか?出来ないのか?と言う意味で「リフレッシュ施工」というメニューを用意し、お客様から依頼を受けるディラー様と認識を共有しています。

 

実際に車を引き取ったのが夜で、作業を始める朝に現状を見て依頼を受けた症状とは違う事が分かりました。

 

実際の症状は逆に洗車傷は少なく、明らかにコンパウンドで手磨きに失敗した光沢がムラムラになった状態と雨染みが多く見える状態でした。

 

コンパウンド磨きにより光沢を失ったボンネット全面の写真

 

コンパウンド磨きにより光沢を失ったボンネット全面の写真

※ コンパウンド磨きにより光沢を失ったボンネット全面

 

推測ですが雨染みの酷い部分を粗いコンパウンドで手磨きに失敗したという感じです。

 

私は嘘と誤魔化しが嫌いです。

 

信頼が持てなくなる為です。

 

このディラーとは8年以上の付き合いですが、前々回の解説でもした「小奇麗にして欲しい」などと曖で都合のいい言葉で依頼してくる事が嫌なのです。

 

その為、「またかよ!」というのが正直な気持ちです。

 

仕事となれば責任も発生しますし施工金額も内容によって変わってきますので、お人よしでは務まりません。

 

解説ブログにはふさわしくない愚痴の前置きが長くなりましたが、この様な裏事情もあるという事実も考慮して、依頼をするお店選びや依頼する内容について参考にして貰いたいと思います。

 

解説に入りますが、今回の車は3年経過し2万km走行している現状です。

 

コンパウンドによる磨き傷が沢山ありますが、予定通りスポンジバフによる一回磨きで対応する事にしました。

 

汚れの除去よりかは手間取ると思いましたが、スポンジで対応出来るのではないかと思ったからです。

 

それより、雨染みが多いので何処まで対応出来るか少し心配でした。

 

最初にボンネットから磨きましたが、磨いた瞬間に磨きの手応えで塗装の状態が掴めました。

 

磨きの感覚で単純な汚れとは違う抵抗を感じました。

 

言葉で説明するのは難しいですが、摩擦に抵抗する引っ掛かりの様な手応えがありました。

 

これまでの経験であくまで推測ですが、この様なケースの場合は、普段お手入れしているカー用品による被膜であると思いました。

 

通常の経年による汚れの磨きではあまり抵抗感は感じません。

 

抵抗感があるという事は塗装表面に強く喰い付いているという感じです。

 

この様な場合は、ワックス・シリコン系の撥水シャンプーの様なカーケア商品を使っている事が考えられます。

 

雨染みや光沢が鈍ったボンネットの状態の写真

※ 雨染みや光沢が鈍ったボンネットの状態

 

全てのワックス・シリコン系の商品を否定するつもりはありませんし、価格や使用者の好みもありますので個人の自由だと思います。

 

但し、商品の特徴として役目を終え撥水効果などが衰えて来ると消えて無くなる訳ではなく、薄い被膜として塗装面に留まる特性があります。

 

それを繰り返す事により薄い被膜も堆積する事により、逆に汚れが吸着し易くなり、雨染みが着き易くもなり、決して固くは無い不純物の被膜の為に傷も入り易くもなります。

 

その上、役目を終えた被膜の堆積は、ただの不純物の堆積であるので塗装本来の透明感や輝きも鈍って来ます。

 

これらの事は、一般の方が事前に理解出来るものではないので仕方のない事ですが、車の美創を維持したい方はこの様な事も理解して商品選びやお手入れを考える必要があります。

 

今回の持ち主の方は、雨染みや輝きが鈍ってきた事をコンパウンドで改善しようと思い失敗したのだと思います。

 

コンパウンドの手磨きによる磨き傷の状態の写真

※ コンパウンドの手磨きによる磨き傷の状態

 

また、この様なケースではコンパウンドの削る磨きを行うと、破膜がある事により余計にムラムラの仕上がりになってしまいます。

 

これを解消するには、堆積した汚れを含む不純物の被膜を全て剥ぎ取る事以外ありません。

 

マルチコート剤のクリナー効果により不純物(被膜)を瞬時に分解し粗い目のスポンジバフで掻き取る事により、全ての問題が解消されたのです。

 

一回磨きと撥水保護による修復後の状態の写真

※ 一回磨きと撥水保護による修復後の状態

 

通常よりも引っ掛かる抵抗感はありますが、強めに抑え込んで磨けば一気に古い被膜は除去出来、その後はコート成分の浸透により光沢の補修を行いました。

 

失っていた塗装の潤いが修復したボンネットの状態の写真

※ 失っていた塗装の潤いが修復したボンネットの状態

 

動画のタイトルにも書きましたが、この作用は絶対にコンパウンドでは真似できません。

 

一回磨きと最後にミラーコート剤で保護が出来ているので、お客様にとっても相場の半額以下で磨きと簡易コーティングが行えたのではないかと思います。

 

もう一つ解説しておかないといけない事がありますが、ガラスとガラスに挟まれている「ピラー」という未塗装樹脂のシボ加工(艶無し)の磨きですが、機械磨きを行う場合は絶対にマルチコート剤を塗布して磨いてはいけません。

 

コート剤の余力で磨いた未塗装部(シボ加工)ピラーの状態の写真

※ コート剤の余力で磨いた未塗装部(シボ加工)ピラーの状態

 

手磨きの場合はコート剤を少量塗布しても問題ありませんが、機械磨きは手磨きの100倍の動きで磨きますので、白い液のまま浸透してしまいます。

 

これを避ける為に、コート剤を塗布しないでドアパネルの磨きを行った後の状態で磨くとコート剤の余力で汚れが除去出来ます。

 

この余力という事が重要で、何も磨いていない状態のスポンジバフで磨いても全く除去出来ませんのでご理解下さい。

 

洗車から磨き&コート仕上げまで1.5時間のリフレッシュ施工の仕上がり状態の写真

※ 洗車から磨き&コート仕上げまで1.5時間のリフレッシュ施工の仕上がり

 

今回は愚痴のせいで長い解説になりましたが、気分終わるい状態で作業する事により、関係のないお客様に不利益になる事があってはいけないので裏事情も含め解説しました。

 

ついでに説明しておきますが、コーティング施工や磨きの仕事ではリキュウコートとは全く違う屋号で行っており、施工の依頼を受ける業者の方にはブログをはじめサイトや動画の存在も伝えておりません。

 

その理由は、今回の様な解説ブログなどで本音の解説が出来なくなる為です。

 

表には出ない裏事情も大切な業界も含めた情報の解説だと思っておりますので、施工においても本音の解説をこれからも行いたいと思います。

 

最後の言い訳ですが、今回のディラー様へは何年間も自らを売り込む営業活動は一切しておりません。

 

正直、信頼関係が築けない相手に仕事を貰って有り難いという感情も感謝もございません。

 

ただ、顔の見えないお客様が満足している所をイメージして作業をしているだけです。

 

という、私の気難しさが分かる解説でした。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。