こんにちは、リキュウコートです。 #132

今回も動画の解説を行います。

 

今回の動画は、推定5年前後のレッドパールカラーの廃棄パネルを使って、「マルチコート剤」による「塗り重ね効果」を再現・検証するという動画です。

 

※ №71の動画でご確認下さい。

 

使用するパネルの状態は、全体に靄が掛った様に白くボケた状態で、洗車傷の様な細かい傷が無数に入っている状態です。

 

その他にも、深めの傷が幾つも見られる状態です。

 

一目見た時から、塗装自体に何らかの問題があるという事は予測出来ました。

 

これまでも、似たような状態を幾つも磨いて修復してきましたが、今回の様に「DIYサンダー」を使って、尚且つ「スポンジバフ」のみで修復するという事例はあまりありません。

 

単純に白くボケた状態の磨きはありますが、無数に傷が入っているというのは、いつもの事例とは少し違います。

 

勿論、手入れの具合で洗車傷も入りますが、何の問題も無い塗装では簡単に無数の傷は入らないものです。

 

傷が入り易いという事は、単純に考えれば塗装もしくは被膜が柔らかいという事です。

 

そもそも、塗装の色によって硬さが違うってご存知ですか?

 

赤色の原色は、そもそも柔らかい特徴があります。

 

隠蔽率といって、色の濃さが薄いと例えて説明するのが判り易いと思います。

 

修理の塗装時でも赤や青または黄色などの原色は、隠蔽率が悪い為に、何度も繰り返し塗装を行わないと下地が消えないという特徴があります。

 

この様な原色は耐候性にも弱く、その為にソリッド(単色)カラーでも必ずクリヤー(透明)塗装を行います。

 

横道に逸れましたが、この原色は塗装の硬さも柔らかいという特徴があります。

 

しかし、クリヤー塗装が施されている為に、日常の使用で大きい差が出るという事はありません。

 

しかし、熱が発生した時などは柔らかいという特徴により差が出ます。

 

特に機械磨き作業の時には気を付けないといけません。

 

特に今回の事例には関係しませんが、赤色と言うのは何らかの関係でこの様な問題が多いように感じます。(経験上の私的な意見です)

 

その不具合により、独特な不純物の被膜が形成され、靄が掛った柔らかな被膜に傷が多く入っている事は、磨く前に想像が出来ていました。

 

その不純物が簡単に除去出来るものと、しつこく除去が難しい場合があります。

 

それは実際に磨いて見ないと判りません。

 

今回、実際に磨いてみると後者の除去が難しい方に当て嵌まりました。

 

決して頑固に塗装面に喰い付くというイメージではなく、除去出来たように思えても、靄が移動し完全な除去が難しいという感じです。

 

通常なら、剥ぎ取った不純物はカスとなって飛散するかバフに取り込塗装面から除去出来るのですが、塗装面を移動するので完全な除去には手間取ります。

 

それなら手で拭き取ればいいと思うでしょうが、クロス等で拭き取っても取れません。

 

上手く摩擦の力とコート剤の能力で除去しないといけません。

 

しかし、難しいテクニックと言うほどの技能は必要なく、磨きのピッチを細かく移動しながら丁寧に磨いて行けば徐々に無くなって来ます。

 

最初に説明した柔らかい特徴がありますので、粗いコンパウンド等で強く磨くと発熱により傷が入り易いという事がありますが、「マルチコート剤」で磨く事により短時間で磨き傷を入れる事無く仕上がります。

 

この事から何時もより手間取りました。

 

その除去にコート剤の浸透の役割が奪われる事により、一回の磨きでは除去と浸透が一度では行われませんでした。

 

決してコート剤の能力不足ではなく、数年間の不純物を一気に除去する場合は、汚れの除去に能力が奪われるというのは通常の事です。

 

2回目の磨きでは不純物の除去は不要なので、コート剤の役割が成分の浸透に全て働く事で、完全な傷除去ではありませんが、目視ではほとんど見えない位まで傷の除去・鮮明な発色が復元出来ました。

 

「削らない磨き」により修復・復元出来た仕上がりの状態の写真

※ 「削らない磨き」により修復・復元出来た仕上がり状態

 

このメカニズムはコート剤の特性である「塗り重ね効果」によるもので、再び磨いても前回の光沢を除去することなく、深みのある光沢が重なり増幅するというメカニズムによるものです。(塗り重ねにも限界があります)

 

逆にコンパウンドであれば繰り返し磨きを行う事で、平滑になる事で光沢が出て来ますが、確実に繰り返しの磨きにより塗装が削られ、結果的に塗装が薄くなってしまいます。

 

今回の磨きも特別なテクニックも必要としないで、誰が行っても同様の仕上がりになります。

 

また、今回の症状であってもスポンジバフのみで改善出来たという事は大きな収穫でした。

 

最後に「スプレーし拭き取る」だけの「ミラーコート施工」により長期に渡り仕上がった品質を撥水・光沢成分により保護する事が可能になります。

 

「ミラーコート剤」による撥水状態の写真

※ 「ミラーコート剤」による撥水状態

 

という事で今回はコート剤の能力で「誰でも出来るポリッシャー磨き」について解説しました。

 

最後までお付き合い頂き有難うございました。

気になった方はサイトも覗いてみて下さい。

https://rikyuu-coat.amebaownd.com/