私自身、経営コンサルタントの傍らボランティアで
“中小企業支援相談”をしています。多くの中小企業経営者
の方とお話する機会があります。
その中で本当に感じるのは、金融、銀行等への経営者の知識
不足、金融庁主導で銀行が動いていることです。
このようなことを経営者の方の認識が余りお持ちでないことが
多々あるからです。
税理士さんも相当温度差があって、従来型の税務計算書から
銀行を意識した決算書を勉強している方や一緒にクライアント
の利益のために協力しましょうという方もいらっしゃいます。
これからは税理士さん選びも企業経営にとって重要なファクター
だと思います。
たとえば銀行借入の全てを短期借入金に入れてしまっている場合
確実に財務分析中の流動比率は確実に悪化してしまいます。
ただ、これは企業側が資料等を紛失するなどして長期と短期の
区分けができない場合もあるので、一概に誰に責任が在ると言う
のではなく、結果的に銀行の評価を下げる一因になっていることは
確かです。
それ以外にも会計的には義務付けされていない減損会計Or時価
会計が銀行の評価方法の原則です。
復習すると決算書を提出すると、それを機械に入力して
点数化され向こう1年間の債務者区分、融資方針や貸出下限金利などが
決まってしまうのです。
債務者区分は正常先→要注意先→要管理先→破綻懸念先→実質破綻先
→破綻先と区分され、要注意先以下になると融資は相当難しく
なります。
昔は融資審査もある意味簡単でした。良く言われる「担保依存主義」
で何ら問題が無かった訳です。土地神話で誰も土地が下がることなど
考えなかったのですから。(バブルが発生した一因)
でも今は違います。絶対といえる担保はないのです。
ですから毎年の決算書、つまり財務内容が最重要になるのです。
銀行サイドの事情を熟知した人や、金融庁の検査マニュアルを知り、
金融庁の動向を知ることが多くの企業に有益だと思う次第です。