中小企業の決算書は、
粉飾とは言わないが、本来処理済とすべきものが
未処理のケースが散見される。
例えば、ゴルフ会員権=購入時の価格で計上
だとか、不良在庫を在庫に計上している
焦げ付いた売掛金をそのままにしている
減価償却を先延ばしにしているなど
総じて税務的対応が遅いことがある。
そのままの決算書を財務分析したところで
元の数字が正しくないのだから
いい数値が出たと喜んではいけない。
銀行は一定額(これは銀行の規模によって違う)
以上の融資先には特に綿密に
資産の洗い直しをする。
遠慮なく、未償却残高、ゴルフ会員権状態
などを調べて、資産を時価金額に近づけていく。
地道な作業を行い、企業の真の体力を測定する。
一度は機械的な財務分析が出されるが
そこからは、経験やシステムにより
粘っこく数字を追跡する。
言わば、もう一つの時価ベースの決算書が
できると考えれば分かり易い。
表面的な数字での財務分析は銀行は重要視
しない。