税務署に提出した決算書を銀行独自の基準数値に置き変えて、
取引先の財務内容を把握し、財務分析から債務者区分などの
評価を行っています。
債務者区分は次回具体的に説明したいと思います。
銀行がどこから、どんな観点から見るかを知らずして、
銀行と交渉ができない時代となったと言えます。
中小企業の決算書は減価償却資産を除いて、
基本的に土地であれ、有価証券であれ購入価格で
その後価格の上下に係らず売却等をしない限り
同じ金額で「資産」に計上され続けられます。
日本の会計基準では、実際の企業の実力(財務内容)を
反映していないともいえます。
たとえば老舗の企業が50年以上前に1万円で買ったものが、
その後の地価の上昇で100億円になっていることもありますが、
決算書には、相変わらず1万円のまま計上されています。
そのため上場企業には現在価値で計上する「時価会計」が導入されよう
としています。(それが真実の企業の実力を見られる気がします。)
さて、銀行の決算書分析に話を戻すと、銀行はまず当期の利益と
自己資本の金額を見ます。
ここからの話はお手元に自社の決算書を見ていただくと
分かりやすい気がします。
まず貸借対照表の資本の部が黒字か、若しくは赤字か、
赤字の状態を「債務超過」といいます。貸借対照表を良く見てもらうと
(左側)資産=負債+資本(右側)の右左の合計額が同じになっている
はずです。負債が資産を上回ると自己資本はマイナスとなっている
はずです。
何も銀行が修正を加えない状態で、「債務超過」30%以上、
これに2期連続赤字なんてことになると、
新規の銀行はもちろん今迄の取引銀行も見方が厳しくなり、
借入は相当難しいといっていいと思います。