福岡国際マラソン分析シリーズ第2回は「練習編」です。
(↓第1回目の「レース編」は以下)


https://ameblo.jp/rikunokirin/entry-12778114932.html



福岡国際マラソンを意識したトレーニングは6月から行ってきましたので、まずは半年間の練習を振り返っていきます。



と、その前に普段は私のブログを読んでいない方にも伝わりやすくなる様、基本的な練習スタンスを載せておきます。



・練習は概ね週6回で、1日は完全休養

・基本は早朝練習(4時〜7時くらい)のみ

・ポイント練習(中〜高負荷)が週2,3回

・残りは20km前後のjog(5'00"/km程度)

・日曜日はロングジョグorロング走

・週間走行距離は120km〜130km目安

・3〜4週間に1回はリフレッシュウィーク



では、早速見ていきましょう。



◯6月

月間走行距離:604km

主なポイント:

40km走(Ave.4'10"/km)

200×10(32"〜33",r:70")

1000m×4(3'04"〜3'06",r:70")

3000m(9'34")



6月は基本的には距離重視。40kmを3回実施するなど安定して走り込め、月間走行距離は2年ぶりに600kmの王台を突破しました。



また、この月は安定して水曜日の部活に参加する事ができ、定期中に良いスピード刺激が入れられたので、それ以外の練習は整える程度。おかげで特に疲労や体調不良を感じる事なく、1ヶ月を過ごす事ができました。



◯7月

月間走行距離:595km

主なポイント:

40km走(Ave.4'16"/km)

200×10(31"〜32",r:70")

2000m(6'01")

8km PR(Ave.3'26"/km)



7月も基本は距離重視。この月も40kmを3回実施しました。8月に予定されていた医学部の大会が中止になった事によりモチベーションは低下してましたが、とりあえずjogだけはしっかりしようと意識。



ここ数年、夏場はスピード強化に充てる事が多かったですが、今年は気が乗らなかったので最低限の刺激だけ入れる感じで。比較的涼しい日を選びながらショートインターバルや2kmトライアル、ペース走等を実施しました。



◯8月

月間走行距離:592km

主なポイント:

40km jog(4'20"/km)

200×10(31"〜32",r:70")

1km×5(3'09"-01",r:5')

10km PR(Ave.3'20"/km)



8月は中旬に「4日連続30km超」を実施して走り込みの総仕上げ。その後は徐々にトラックモードに移行していきました。



夏場下がっていたモチベーションも徐々に上がっていき、それに伴う様にコンディションも向上。これまで8月の段階で10km PR(3'20"/km)をこなせた事は無かったので、夏の走り込みに確かな手応えを感じました。



◯9月

月間走行距離:534km

主なメニュー:

40km jog(4'15"/km)

200×10(31"〜32",r:200m)

1000m×5(3'00"-03",r:80")

5km PR(Ave.3'16"/km)



9月は夏の疲労を一旦リセットするべく走行距離は抑えめ。かつ、ピークが早めに来る事を防ぎたかったので、全体的に強度を抑える事を意識した1ヶ月でした。



また、5000mを1本走ってタイムは15'41"。申請タイムの関係でスローな展開となり、タイムは今ひとつでしたが、十分に手応えを感じるレース内容でした。



◯10月

月間走行距離:589km

主なメニュー:

30km走(Ave.3'27"/km)

40km走(Ave.3'35"/km)

200×10(31"〜32",r:70")

5000m PR(15'32")

7000m PR(3'15"/km)



10月は前月から一転、質・量ともに追求した1ヶ月間でした。



週1ペースで部活の練習に参加させてもらって高強度のトラック練習を実施すると共に、週末はレースペースに近いロングラン。繋ぎのjogで上手く負荷をコントロールし、最後までコンディションを崩さずやり遂げる事が出来ました。



40km走と2回の30km走はいずれも想像以上の走りで手応えは十分。11月の記録会を利用してもう一段階調子を上げ、後はしっかり疲労を抜けばかなり戦えるのでは?と期待は高まってきました。



◯11月

月間走行距離:486km

主なメニュー:

30km走(Ave.3'30"/km)

1000m×5(2'58"-59",r:70")

8km PR(3'15"/km)

12km PR(3'20"/km)



11月は前半に1500mと5000mを1本ずつ走って、中旬移行はフルに向けての調整。



1500mは4'12"とまずまずの走りで、その後のポイント練習(1000m×5,r:200m)も抜群に調子が良かった事から、5000mの14分台も十分に射程圏内と思っていましたが、蓋を開けるとまさかの15'54"。



レース直後はさすがに凹みましたが、「ここで凡走した事により福岡国際にピークがくる可能性も…」と切り替え、その後の調整練習は概ね予定通りにこなす事ができました。



という感じで、運命の12月4日が訪れ、結果はこちら。





途中までは3'20"/kmが普段の30km走の感覚で走れていたので、レースに向けたテーパリングは上手くいっていたと思います。



今回は「直前期も負荷を軽くし過ぎない」というスタンスで臨んでいたので、疲労が残らないか心配な部分は有りましたが、その点は杞憂に終わってくれました。



ただ「しっかりピークが合わせられたか?」と問われると自信は無く、ピークは10月末〜11月上旬ぐらいに来ていた様な気がします。



11月の5000m記録会は微妙でしたが、この直前までの走りの感覚は抜群に良く、一方で調整期に入ってからは疲労が抜けているにも関わらず、どうもピリッとしない走りが多かった様に思います。



昨年の反省もあって、今年は"ピークアウトしない様に"という所はかなり強く意識していました。



だからこそ9月は敢えて強度を抑えた訳ですが、それでもピークが早く訪れた事を考えると、私が思っている以上に調子が上がってくる傾きは急なのかもしれません。



また、もう一つの反省点はやや単調な練習が多かった所です。



半年間の練習を眺めると一目瞭然ですが、ペース走にしても距離走にしても、「一定ペースを刻む」練習しか実施していません。



今回の福岡国際マラソンに限らず、フルマラソンにおいては「余計な動きはせずイーブンペースで淡々と」という所を意識していますが、そうは言ってもレースはペース走ではありませんので、節目節目にチェンジオブペースが発生します。



そしてチェンジオブペースへ対応するタイミングではどうしても解糖系優位にせざるを得ず、「一定ペースで刻む」練習しかしていないと、より糖を多く消費してしまったり、その時の糖の減少に中枢神経が過剰反応してしまうのでは?と分析しています。



今回で言うと、特にダメージが大きかったのが13km地点で集団が分かれたタイミング、30km地点での数人のスパート、32kmの折り返し地点での風向きが変わった瞬間の3回で、前半2回はどうにか対応できたものの、3回目で力尽きてしまいました。



もし今回の福岡国際マラソンに3'20"/kmのペースメーカーがいて、起伏が全く無く、かつ風も穏やかなコンディションであったならば、チェンジオブペースに対応する練習は不要だったかもしれません。



しかし、中々そういった恵まれた環境で走れる機会は無い事を踏まえると、多少はチェンジオブペースを見据えた練習(変化走、距離走の後半をペースアップなど)を実施しておくべきだと思いました。



後は似たような所でもう一つ感じた事として、距離走のペースは抑えて実施した方が良いのでは?という点です。



先述の通り、今年は10〜11月にかなり質の高い距離走を入れられたと書きましたが、果たしてこれがレース本番にどれだけ活かされているかは怪しい所です。



というのも、質の高い距離走を繰り返した事により、肉体的にも精神的にもレース前半の余裕度は高まりましたが、ことフルマラソンにおいては前半の余裕度と後半の余裕度に相関性が無い様に感じるからです。



自己ベストで走った3年前の福岡国際は、今年の前半よりも明らかに余裕の無い走りでしたが、後半もしっかり足はもってくれました。



全体的な走力向上で前半の余裕度が高まる分にはもちろん良い事だと思いますが、私の場合は距離走のペースを上げても体がハーフマラソン仕様に変わるだけで、むしろ距離走のペースを抑えてフルマラソン仕様の体のままレースに臨む方が賢明に思えています。



その意味ではレース週に「ちょっとスピード刺激が足りなかったな〜」とショートインターバルを入れたのも悪手で、多少キレは無くても自信を持って挑むべきでした。



まぁ練習メニューはどうしてもトレードオフになる部分がありますので、新しい事を取り入れる事で失う能力も出てくるでしょう。



また、これはセルフコーチングで練習を行うランナーなら誰しも直面する問題だと思いますが、やはり好きな練習の実施頻度は増えがちですし、嫌いな練習は中々やる気がおきないものです。



そんな中で大きく練習のコンセプトを変えるのは難しいと思いますので、基本は3月の東京マラソンに向けたトレーニングも同じ様なメニューで実施していく予定です。



そして、頭の片隅にでも今回の反省を置いておき、多少なりともアレンジできたら万々歳かなと。



①思っている以上にピークは早く訪れる

②チェンジオブペースに慣れる練習も必要

③30km走のペースは遅い方がいいかもしれない



これで少しでも良い結果に近付ける事を願ってます。



という訳で振り返りブログ第2回目の「練習編」はここまで。次回は最後の「その他編」です。



12月7日

完全休養


12月8日

朝:12km jog(5'05"/km)

日間累計:12km

月間累計:77km