あらすじ:お化け達が住む森にも春がやってきた お化け達のイースターはどんなのでしょうか?

配役
いたずらお化け♀:オレンジ色に黒い目のお化け。ピンクのリボンがお気に入りの女の子
おねしょお化け:水色の身体に黒い目の水精霊の男の子。まだ赤ちゃん
虫歯お化け♂:黒い身体に赤い目のお化け。村長で優しい
夜更かしお化け♂:全身毛でもこもこの紺色の身体に青い目のお化け。かなりヘタレ
蟲お化け♂:緑色に身体に茶色の目のお化け。生意気だが、お風呂お化けの事がすき
お風呂お化け♀:白い身体に青い目のお化け。いたずらとおねしょの母親
ナレーション/卵配りお化け:(女性演者でお願いします)

 

(おねしょは一番幼いので、女性演者でおねがいします)

 

ストーリースタート

いたずら:あれ、卵配りのおばちゃんがおうちにきてる?

おねしょ:うきゅ?

いたずら:ねえ、おねしょ ちょっといってみよっか

おねしょ:うきゅきゅ~

ナレ:雪が溶け森に春がやってきた、ある朝 いたずらとおねしょが家の前でシャボン玉で遊んでいると、鶏の卵をたくさん手提げ籠に入れた一匹のお化けがやってきて、お風呂お化けに渡していました

お風呂:まあ、届けにきてくれてありがとうございます これだけあれば、十分ですよ

卵配り:そうかい いつもは数個でいいっていうのに、たくさんほしいっていうから旦那と子供達にも手伝ってもらったのさ

いたずら:ねえねえ、ママ なんで卵いっぱいなの?お昼ご飯に大きなオムレツを作ってくれるのかなあ?

おねしょ:きゅ~

お風呂:もう、いたずらもおねしょも ご挨拶をちゃんとしなさい

いたずら:あ、忘れてたぁ 卵売りのおばちゃん、おはよぉ~

おねしょ:むきゅきゅ~

卵配り:はいはい、おはよう おちびちゃん達はいつも元気ね

いたずら:んで、ママ~ 卵いっぱいで、なんのお料理するの?

お風呂:これは、イーズターってお祭りに使うのよ

いたずら:なあに、そのお祭りって?

おねしょ:う~にゅきゅ?

いたずら:はい、言えてなーい この前もおねしょ言おうとしてたよね よちよち

おねしょ:きゃい♪

お風呂:あのね、ママこないだお花をもらいに妖精の国へ他の大人お化け達とお出かけしたの そしたら人間界のある国では、春になると卵を使った遊びをしたりして盛大にお祭りをすることがあるんだって、教えてもらったの

いたずら:うわあ、春のお祭り!?楽しそう!

おねしょ:うきゅきゅ!

卵配り:へえ、それをやろうってのかい 面白そうじゃないのさ あたしも村のみんなに教えてこようか?どうせなら、村のみんなと盛大にやったほうがいいだろうしさ 手分けしてやったほうが祭りの準備もはかどるしさ

お風呂:あら、いいんですか?

卵配り:なあに、こんなに卵をもってきてほしいって言ってくれたんだ あんたら親子だと数多すぎだろうし、少しあたしが配ってきてあげるよ

お風呂:まあ、ありがとうございます

卵売り:さてと、長話をしてすまんね そろそろ仕事に戻りながら、村の南側も回ってくるさ おっと、その前に村長のところにもいってこなきゃなあ

お風呂:ええ、お願いしますね

いたずら:おばちゃん、ばいばーい!

おねしょ:うきゅきゅ~!

ナレ:お風呂お化けから半分卵を受け取り、卵売りお化けはいそいそと来た道を引き返していきます その途中で蟲お化けは自分の側を通っていく少しだけ振り向いてみたあと、一家の所へやってきました

蟲:なんだあれ?あんなに美味そうな卵を沢山もってよ

お風呂:あら、蟲君いらっしゃい どうしたの、そんな顔して

おねしょ:うきゅきゅきゅきゅ!

いたずら:わーい、蟲お兄ちゃんだ! ねえねえ、あそんであそんで!

蟲:おいおい、ちょっと待てよ!?落ち着けっての! 

お風呂:もう、いたずらもおねしょも向こうで遊んでなさい

いたずら:え~?つまんなーい

おねしょ:むきゅ

蟲:ほら、あとで一緒に散歩に連れてってやっからよ

いたずら:はーい… いこ、おねしょ

おねしょ:きゅい

蟲:ふぅ 相変わらず元気いいな、ちびっこどもは

お風呂:ごめんなさいね、うちの子供達が落ち着きなくて それで、さっきはどうしたの?

蟲:ああ、そうだった すれ違った卵売りがたくさん卵をもっていたし、何かあったのかと

お風呂:ああ、あれね 春のイースター祭りをこの村でもやりたくて、卵をもってきてもらったの 今、村の南側を回って虫歯おばけやみんなに教えてくるって帰ったところなのよ

蟲:へえ、イースターってアメリカとかのやつですよね?

お風呂:あら、知ってるの?

蟲:ああ、こないだ初めて師匠に連れられて人間界へ行ってきたんっす。その時に準備とかで、美味そうなお菓子とか売ってるのみたんです

お風呂:そう、知ってるならちょうどよかった 蟲君にもお手伝いをお願いをしたかったから

蟲:ああ、お手伝いっすか?任せてください 俺、お風呂さんのお願いなら、なんでも聞くっすよ

お風呂:お祭りのご馳走で野イチゴを沢山使ったケーキやパイを作るから、子供達と一緒に摘んできてほしいの あたしはその間にゆで卵を作って色付けする準備するから

蟲:それならお安い御用です ここに来る途中で苺摘んで帰る家族を何匹かみたし、手提げ籠をもって行ってきますよ おーい、いたずら、おねしょ いちご摘み行くぞぉ~

お風呂:ふふっお願いね

いたずら:ママ、いっぱい持ってくるね!

おねしょ:うきゅきゅ~!

ナレ:蟲お化けは小さな手提げ籠をふたつ受け取ると、いたずらお化けとおねしょお化けをつれて、村の東側にある野原へ歩いていきます その途中でニジマス釣りから帰る夜更かしお化けに会いました

蟲:よお、魚の餌もどき

夜更かし:はぁ!?会ったとたんに言うかよ、このエセガエルが!!

蟲:じゃかあしい!、誰が爬虫類だ!!てめえの身体が毛鉤(けばり)に見えるからだよ、さっさとニジマスに食われてろ!

いたずら:もう、お兄ちゃん達喧嘩しないでよお

おねしょ:うにゅ

夜更かし:ああ、わりいわりい んで、お前らどこに行くんだよ?

蟲:ん?お風呂さんに頼まれて、野いちごを取りにいくんだよ なんでも、イースターで振る舞うお菓子で使うんだとさ

夜更かし:ああ、さっき卵売りとおばちゃん達が井戸端会議してて聞こえたやつか なんだか楽しそうだし、俺も釣ったニジマスを何匹かパーティ料理に使ってもらえるように虫歯の城にある食糧庫に入れようと思ってな

蟲:だから、お前が餌になったんだろ?

夜更かし:コイツまだ言うか(笑)

蟲:うそうそ(笑)んじゃ料理頑張ってくれや

いたずら:わーい!夜更かしお兄ちゃんが釣ったお魚のお料理楽しみ~

おねしょ:う~、きゅ!

夜更かし:そうかそうか、楽しみ…って こらおねしょ!お前水精霊の子だからって、魚をそのまま食おうって飛びつくんじゃねえよ!?

いたずら:あ~もう、だめだったら~!

蟲:よしよし、おねしょいい子だから楽しみにしてような?

おねしょ:むにゅ

夜更かし:ふぅ こいつ普通の物を食えるようになったとたん、食べれる物があると時々大食いするようになったもんな 前も俺の魚釣りについてきて釣った魚を生のままたいらげられたし

蟲:え?腹壊さねえのか?

夜更かし:それがさ、具合悪くねらねえらしいんだよ

いたずら:ほえ?おねしょは、おうちでおりこうさんだもん さっきみたいに飛びつかないし

蟲:なんで、お風呂さんの家ではやらねえんだ

夜更かし:やっぱりオカンだからだろ

虫歯:おい、久しぶりだなそのネタ(笑) まあ、おねしょが食い意地張ってるのは、精霊だからだ

ナレーション:夜更かし達がおねしょの事を話してると話してると、虫歯お化けがのんびりと歩いて近寄ってきていました

いたずら:あ、虫歯おじちゃん こんにちは

おねしょ:うにゅにゅ

夜更かし:は?どういう事だよ

虫歯:ああ、精霊は食いしん坊なところあって、時々タガが外れたように俺達より物凄い量を食う奴もいるんだ それはお化けや妖精だっているから当たり前なことさ まあ、おねしょは水精霊だから消化が早いし生まれつき身体が丈夫なんだろうよ

蟲:へ~、そうなんすね

虫歯:だからって、なんでも食われるのはさすがに困るから、その辺は教えたらちゃんと覚えてくれるさ

おねしょ:きゅ~

いたずら:そうだ!あのね、おじちゃん

虫歯:ん?ああ、イースターの事だろ?さっき、卵売りに会ったから知ってるぞ

いたずら:うん、そうなの?

虫歯:どうせ夜更かしはゆで卵も作れなさそうだからよ お風呂に夜更かしの分も作ってもらおうと思ってよ

蟲:ぶっwwwwwww 確かにこいつ鍋を爆発させてそうだもんなwwwwww

夜更かし:おい、何笑ってんだよ!てめえこそ、作った片っ端から食ってそうなくせに!

虫歯:ぷぷっwwwwwwwww

いたずら&おねしょ:(笑ってる)

虫歯:(笑いこらえつつ)まあまあお前ら、どっちもヘタレなくせに言い争うなよwwwww

夜更かし&蟲:はあ!?

いたずら:ねえ、蟲お兄ちゃん 早く野イチゴ摘みにいこうよ~

蟲:おう、そうだったな んじゃ、俺達は行くわ

虫歯:じゃあの

夜更かし:またな

ナレーション:春の日差しを浴びて実った野イチゴを手提げ籠に沢山入れて家に帰ると、蟲お化けも一緒にお昼ご飯を食べ片づけたテーブルの上に殻つきのゆで卵と絵の具やクレヨンを並べました

蟲:へえー、中々楽しいですね

お風呂:そうね、なんか子供の頃に戻ったみたいね

いたずら:ねえねえ、ママみてー

お風呂:あら、上手ねいたずら

いたずら:えへへ、らくがきしてるみたいでおもしろいの

おねしょ:うにゅ…

お風呂:ん?どうしたの、おねしょ?

おねしょ:うに

蟲:ああ、もしかしてやりたいのに、させてくれないって拗ねてるのか

おねしょ:(不機嫌)にゅ

お風呂:だけど、おねしょはまだおててが短いからもてないし、口に咥えたら危ないからそこでみててね

おねしょ:(いやいやしてる)うにゅにゅ!ぴぃ!

いたずら:うーんと、そうだ!おねしょ、おいで~

おねしょ:にゅにゅ?

いたずら:えっと ママー、卵を一個もってて

お風呂:ん?こう?

いたずら:うん これをこう持ってっと

おねしょ:(嬉しそうに)うきゃきゃきゃ!

蟲:ああ、なるほど おねしょの手にクレヨンを持たせて一緒にお絵かきしてあげるのか えらいぞ、いたずら

お風呂:そうね これなら一緒にお祭りの準備できるわね よかったね、おねしょ

おねしょ:にゅ!

いたずら:ほめられちゃった ねっ、おねしょ お姉ちゃんと一緒にやろうね

おねしょ:きゃい!

蟲:そういえば、こんなに綺麗な色をつけてどうするんですか?

お風呂:これは、イースターの時にエッグハントっていう遊びで使うの

いたずら:なにそれ?

お風呂:あちこち隠した色付き卵をさがす遊びよ もらった卵はあとで食べれるし、楽しいわよきっと

おねしょ:きゅきゅ!

いたずら:うわあ~、早くお祭りにならないかなあ

蟲:そんな遊びあるんですか きっと村のみんなも楽しみにしてますね

ナレーション:何日かしてイースターの日 村の広場には花飾りが飾られ、用意されたテーブルにはごちそうが並び、村のお化け達が集まってきました 子供たちはエッグハントという遊びで村のあちこちで卵をひろい、大人達はスプーンに卵をのせて運ぶエッグレースをしてます

いたずら:あった、みーっけ!えっと、いーち、にー、さーん

おねしょ:うきゃきゃ

いたずら:これで3つだ あれ?おねしょ?

おねしょ:きゃい!

いたずら:あ、いた そっちにあったんだね これで4つだよ 次の探しにいこ!

おねしょ:にゅにゅ~

夜更かし:ああ…、そっと運ばなきゃなあ

蟲:おい、なに緊張してんだよ

夜更かし:いや、だってよ 生卵だぞ?落としたら失格になるじゃん

蟲:だよな 本物だから落としたら汚れるしよ

虫歯:おう、その点は気にすんな

蟲:どうしてっすか?

虫歯:それもあろうと、今使うのは俺が人間界で買ってきたおもちゃの卵だよ

夜更かし:ああ、それだったら、安心だわな

蟲:だからって、お前空飛ぶなよ?

虫歯:あ~、んじゃ漬け物石でもつけとくか?

夜更かし:アホか!それじゃ走れねえだろうがよ!!

ナレーション:こうしてイースターは楽しく夕方になるまで続きました 春の風にのってお化け達の声が聞こえてくるかもしれませんね

 

第15話に続く