りこ先生です。

 

子どもが転んだとき、とっさに手が出ない。


保育の現場でも、先生達からよく相談を受ける姿の一つです。



新人保育士だった頃の私は、「練習すればできるようになる」と考えていました。マットを敷いて転び方を練習したり、手をつく動きを繰り返したり…。

でも、それでは変わらなかったのです。

 

 

◆手が出ないのはなぜなのか?


転んだときに手を出すためには、

身体の傾きを感じること。
危険を察知すること。
姿勢を立て直そうとすること。


そして、
とっさに腕を動かすこと。


ほんの一瞬の間に、脳と身体はたくさんの情報をやり取りしています。

 

みなさんは、モロー反射という原始反射をきいたことがありますか?

 

生まれたばかりの赤ちゃんが急な変化から身を守るための大切な反射で、一般的には生後4〜6か月頃までに統合していくとされています。

 

 

私が、現場での子どもの困りごとから原始反射について学びにいったのですが、

 

 

この反射の影響がその時期が過ぎた子どもや、大人なっても残存の影響があることを知りました。


小学校に近い年齢になっても、身体がそわそわ、ざわざわしてしまう。


「落ち着いてね」と言われて理解して、ゆっくり動こうとしているのに、身体だけが先に反応してしまう。


原始反射だけで説明できるわけではありませんが、ゆっくり動くよりも、反応して動いてしまい「落ち着きがない子」と見えてしまう。

 


 

 

 

◆さて、どうしたらいいのでしょう?


私は、「訓練」よりも「遊び」が大切だと思っています。

赤ちゃんは、生まれてから

寝返りをし、
手足を突っ張り、
ずりばいをし、
ハイハイをし、

膝をついたまま手足を交互に動かし、

 

首を上げて支える過程で、脊椎を安定させ、二足歩行へ移行していきます。

 

そして立ち上がり、歩けるようになります。



◆この順番には一つひとつ意味があります。



身体の左右を使う。
重心を移動する。
身体をひねる。
バランスを取る。
自分の身体がどこにあるのかを感じる。



こうした経験を積み重ねながら、脳と身体は少しずつつながり、身体の土台が育っていきます。

 



身体の土台を育てたいときほど、赤ちゃんの頃の発達を思い出すような運動遊びをおすすめしています。

 

◆遊びには育つ理由があります


例えば、昔からある太鼓橋やうんてい。

最近は安全面への配慮から少なくなりましたが、私はとてもよく考えられた遊具だと思っています。

太鼓橋に登る子どもは、

前を見て次に手を伸ばす場所を考え、
左右交互に手足を動かし、
身体を支えながらバランスを取り、
登りきったら向きを変えて降りていきます。


実は、この一連の動きは、赤ちゃんの頃のハイハイやずりばいにつながる要素がたくさん含まれています。

私は、子どもたちが遊んでいる姿を見ると、
「遊具で遊んでいる」というより、
「身体の土台を育てている時間なんだな」


と感じます。


今は太鼓橋やうんていが少ない公園も増えています。



でも、

 

同じような動きを経験できる遊びはたくさんあります。

ボルダリング遊具。
ステップ遊具。
平均台。
縄跳び。


リトミック。
でこぼこ道を歩くこと。
花壇の縁をゆっくり歩くこと。



こうした遊びも、身体の軸を育て、バランスを取り、自分の身体を思い通りに動かすための大切な経験になります。

大切なのは、「上手にできること」ではありません。

たくさん身体を使って遊ぶこと。
たくさん身体を使って遊ぶこと。
たくさん身体を使って遊ぶこと。

子どもは遊びの中で、自分の身体を知り、少しずつ「身体の地図」を描いていきます。

 

◆身体には育ち直す力があります


そして、その力を引き出してくれるのが、毎日の遊びなのです。

土の上で遊ぶのが一番ですが、上記で紹介したものは、室内でも遊べるものもありますので、参考にしてみてくださいね。



遊びは、楽しい時間ですが、
子どもは遊びながら、身体の使い方を知り、脳とのつながりを育てています。



「何をして遊ぶか」だけでなく、「その遊びでどんな力が育っているのかな?」という視点でも見てみると、子どもの姿が少し違って見えてくるかもしれません。