最近のレッスンでのお話。

ある男の子(M君)がレッスン中に、

「ピアノを弾いて何になるんだ。大人になって何の役に立つんだ。僕は集中力がないんだ。集中できないんだ。なんで大人は「他所は他所、うちはうち」って言うくせに、「N君はもっと集中して練習してる。今も5時間くらい練習してるよ」って比べるんだ。卑怯だ。」

とポロポロ涙を流して話し始めました。

おっと、これは尋常じゃないな、とレッスンは中断。
話を聞くと、お母さんにそういう内容の事を言われた様子。

うーん、これは私も子育てをしている母親として耳の痛い訴え。

まず、「N君は5時間も練習していないよグッド!」(そこ?真顔)と訂正(?)をして、「M君、集中力あると思うけどなぁ」と話しました。

興味のある本を読んでいる時
大好きなゲームをしている時
瞬間的に集中して何かをする時(これはそろばん教室でのお話。後に話します。)

そういう時にすごく集中しているM君の姿を何度か見た事があります。

「集中って、「集中しよ!」って思ってできる事ではなくて、気付くとしている事だよね。M君が集中してる姿何回も見たことあるし、すごい集中力を持ってると思うよ」

「ピアノの練習で集中できないって事は、別に悪い事じゃない。
M君にとって今のピアノの練習は集中できる事じゃないってだけだよね。」

という話をしました。

私自身、子供の頃は父親にやらされていただけで、"自主的に" "集中して"練習した記憶なんて一度もありません。

高校生の時に、自分の意思で音大に行くと決めてから、初めて集中した練習ができるようになりました。

そう、

集中には〈自分の意思〉がとても重要です。

そして、その〈自分の意思〉は大きく分けて〈やりたい事〉と〈やらなければいけない事〉の2つ。

この2つについては、また次回お話したいと思います。