悪魔の証明の話の続きです。
一人目の方は、ご高齢の方でした。しっかりとした方です。ただ金融関係の融資か何かで「認知症でないこと」の証明を「今日中にちょっと書いてきてもらってください」と、某金融機関に言われたそうです。「ちょっと」の診察だけで認知症ではないことの診断を簡単にすることはできません。
とりあえず日数はかかるが「頭部のMRIをしましょう」ということで時間的猶予をご了解いただき検査を予約しました。後日その検査では明らかな海馬の委縮もなく認知症らしくないこと(それもまだ不安は残るが)の診断書を書きました。
別の方です。その方は病気があると別会社に出向できないので、その会社からいそいで「病気がなにもないこと」を証明してもらえと言われてきたのです。これもまた「今日中に」「ちょっと診察のみで」の条件がついています。
区の健診だって胸部レントゲン、心電図、採血、尿検査などがいろいろと行われます。それでも癌などの悪性疾患の有無は別のがん検診を受けないと分かりません。これだけのことは最低限必要なのですが、病気のないことの診断を「ちょっと行って書いてきてもらうよう」と患者さんに要求するこれら諸団体の方々にもご理解いただきたいものです。
この方の診察はお断りしました。