吉田クリニック 院長の独語

吉田クリニック 院長の独語

医療関係に限らず日常の出来事についても思うところを書いています

 悪魔の証明の話の続きです。

 一人目の方は、ご高齢の方でした。しっかりとした方です。ただ金融関係の融資か何かで「認知症でないこと」の証明を「今日中にちょっと書いてきてもらってください」と、某金融機関に言われたそうです。「ちょっと」の診察だけで認知症ではないことの診断を簡単にすることはできません。

 とりあえず日数はかかるが「頭部のMRIをしましょう」ということで時間的猶予をご了解いただき検査を予約しました。後日その検査では明らかな海馬の委縮もなく認知症らしくないこと(それもまだ不安は残るが)の診断書を書きました。

 別の方です。その方は病気があると別会社に出向できないので、その会社からいそいで「病気がなにもないこと」を証明してもらえと言われてきたのです。これもまた「今日中に」「ちょっと診察のみで」の条件がついています。

 区の健診だって胸部レントゲン、心電図、採血、尿検査などがいろいろと行われます。それでも癌などの悪性疾患の有無は別のがん検診を受けないと分かりません。これだけのことは最低限必要なのですが、病気のないことの診断を「ちょっと行って書いてきてもらうよう」と患者さんに要求するこれら諸団体の方々にもご理解いただきたいものです。

 この方の診察はお断りしました。

 病気、例えばガンなどのようなものでも、最新の検査機器などを組み合わせてようやく診断できる場合は少なくないです。見つかればまだいいですが、精密検査でも見落とすこともあり、しかも検査の精度をはるかに超えた早期のものでは「ガンがあっても」検査で引っかかってこないことなどいくらでもあります。それにもかかわらず「病気がないこと」を、しかも「今日中」に、しかも「ちょっとの診察」だけで、100%保証が期待される診断書などかけるわけはありません。

 それにしてもそんな病気がないという陰性証明ですが、ないことの証明を「悪魔の証明」というそうです。

 こんな書類を十分な検査もしないで診察だけで書いてしまう医師がいたとすれば、それはドラマのスーパーマンかあるいは「占い師」かもしれません。まあ患者の求めに応じるのもいいですがサービス過剰の医療はあまりお勧めできません。

 自分の仕事はいろいろと証明書や診断書をかかされる仕事なんだなといつも思います。しかもその重みは極めて重くその人の仕事などに影響を及ぼしますね。

 例えばインフルエンザ検査で陽性にでれば、その人はインフルエンザにかかっていることになり「就業や通学を禁ずること」も可能です。

 しかしながらその逆は極めて証明が難しいです。

 つまり「何も病気にかかってないことを証明してくれ」と依頼されることがたまにあります。

 昔の話ですが、しかも「今日中」に証明してくれと急ぎのようなのです。病気の診断も難しいですが、病気がないことの証明はほぼ不可能です。「ちょっと」の診察だけで病気でないのが分かるなら、数多く行われている健診やら人間ドッグやら各種検査など必要ないことになりますよね。

 

 その昔、自分も学生時代、木造の4畳半風呂なしアパートに数年間住んでいました。まあ社会人ではなく学生時代なので収入はなく仕送りだったので事情は異なるでしょう。でもまあ実家まで1時間半くらいで行ける距離だったので必要最低限の広さで十分でした。

 冬の休みの日はこたつの周りの手の届く範囲にすべて生活に必要なものをおいておきました。例えばTV、ラジカセ、湯沸かし器、カップ麺、食料品、文房用具、教科書など。これで1日、トイレ以外はそこに座して快適に過ごすことができました。そのままこたつで寝ていましたのでまさに冬はぬくぬくと退廃的に過ごせましたね。広すぎると落ち着かないし掃除も大変だしこのような「自分の城」的感覚が楽しかったです。

 まあこんな生活は健康的ではないにしろ、若いころは快適に感じましたので、おそらくかえって「すべてに手の届く狭小環境」というのは若者ならよいのかもしれません。

 12/15(月) 8:00配信 産経新聞より

 東京都の家賃上昇が、若者の家探しにじわじわと影響を与えている。都心の職場近くに住みたいが、家賃は低く抑えたい―。相反するニーズを満たす物件として、「極小」アパートが人気を集めている。狭くても“住めば都”。単身で暮らす若者の住宅事情に迫った。

 ■歯科衛生士の女性(22)は、東京23区内にある主要駅近くのワンルームアパートに暮らしている。駅まで徒歩約10分。築6年で専有面積9平方メートルのロフト付き極小住宅だ。リビングは3畳ほどで、手を広げれば両側の壁につきそうだ。梯子の上にあるロフトに布団を敷いている。シャワールームとトイレは別々だが、浴槽はない。 女性は「初めて部屋を見たときは『めっちゃ狭いな』と思いました。「実家の自分の部屋の方が広い」と話す。それでもこの部屋を選んだ理由は明快だ。 「家賃が月6万円と安い」

■入居率99・9%

 実家から勤務先まで1時間以上も、ここなら通勤時間は約40分。狭いため洋服の収納は難しいが慣れたと。 このアパートは、建物内にワンルームが15戸ある。外観上は約98平方メートルの土地に一戸建てが建っているような形状で、共同の玄関から別々の部屋にわかれる構造だ。不動産会社によると、入居率は99・9%。借り手の約9割は20~30代だ。家賃が相場より3割以上安く設定されていることもあり、「空きが出て募集をかけると、次の予約まで埋まるほどの人気」という