2021年3月12日(金)参議院 予算委員会速記録(未定稿)石川大我全文! | 石川大我にじいろの会

石川大我にじいろの会

立憲民主党 参議院議員の石川大我です。前 豊島区議会議員

 

○石川大我君

立憲民主・社民の石川大我でございます。今日は質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。武田総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。先ほど、我が会派の打越さく良議員からるるいろいろと質問させていただいたわけですけれども、全く疑惑が晴れていない、そのように思います。大臣、来週の今頃、この状況どうなっているというふうに思われでしょうか。


○国務大臣(武田良太君) 

いや、来週どころか、あしたのこともちょっと私言えない。御理解いただきたいと思います。
 

○石川大我君

そうしましたら、来週の今頃、大臣の席には座っていらっしゃるというふうに思われますか。
 

○国務大臣(武田良太君)

極めて難しい質問ですね。そうした先のことというのは、今断定的に申し上げるということはできないと思いますよ、どなたも。
 

○石川大我君

来週の今頃、慎重に注視をしていきたいと思います。この問題、私の秘書が非常にたくさん調べて、この問題、あったわけですけれども、たくさん質問したいんですが、これから先の問題、このNTTの問題、総務省の問題に関しては同僚の小西議員に譲りたいと思います。私からは、入管行政についてお伺いをいたしたいと思います。政府は、入管法の改正案を国会へと提出をいたしました。この入管政策の転換、これから日本にとって本当に重大な意味を、日本の在り方、日本がこれからどういう国であろうとするのか、そういった意味で非常に重大な問題だというふうに思っております。一九三二年に初来日をしたチャップリンの言葉です、監獄を見ればその国の文化水準が分かると、こういうふうに述べて、各国の刑務所を訪れていたそうです。日本でも訪れたそうです。もちろん入管の施設は刑務所と違いますけれども、個人の自由、身柄を拘束して収容するという意味においては同じだと思います。今チャップリンが生きていたら、今、日本の入管行政どう見ていたのか、そんなことも思いをはせながら質問したいというふうに思います。今日は、出入国在留庁の佐々木聖子長官にいらしていただいております。ありがとうございます。初代長官に就任をした二〇一九年四月、毎日新聞のインタビューで、入局を選んだ理由、難民に関する本を読み、元々アジアに関心があったと述べられています。外国人支援施策を担うことについては、入管で支援をやりたいと考えていた、非常に大きな使命だと述べられています。長官の入管行政に懸ける思い、難民行政に懸ける思いをまずは教えてください。


○政府参考人(佐々木聖子君)

御質問いただきまして、ありがとうございます。思えば、もう三十有余年、入管行政に携わっているわけでございますけれども、この間、日本の出入国在留管理行政、あるいは外国人関係行政におきましては、非常に大きな、いろいろな大きな変化が起こってまいりました。それは、入管行政の変化ということではなくて、日本社会そのものの変化の一端だったということが申し上げられると思います。それに当たりまして、適切な外国人の受入れを行う、そしてそれにつながる適切な在留管理、そして退去強制までも含めての出口管理というものを適切に行うという使命につきましては一貫したものでございます。ここに参りまして、この入管の新しい使命として、外国人の在留支援、そして受入れ環境の整備についての総合調整役を行うという新しい使命を出入国在留管理行政が担うことになったわけでございます。いずれにしましても、社会の動きに合った出入国管理行政をつくっていく、そして、いろいろな方面のいろんな方のお声に耳を傾けながらより良い入管行政をつくっていきたいと思ってございます。


○石川大我君

長官の思いとは裏腹に、現在の日本、難民認定率の低さ、これ異常だと思います。僅か〇・四%。難民条約に加入して今年で四十年がたつわけですけれども、入管庁は国際基準にのっとった難民認定制度を行っている、守っているというふうに言えますでしょうか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

若干、入管、難民の認定手続にも触れまして御説明させていただきたいと思います。難民の認定、これは申請者ごとにその申請内容を審査した上で個別に判断をいたします。そして、もしも難民とは認定されなかった場合であっても、その判断に不服申立てを行うということができます。そして、不服申立ての手続におきましては、外部の有識者から成る難民審査参与員の皆様、例えば元裁判官、元外交官、大学教授などのこの分野についての様々な知見をお持ちの方々ですが、この方々が三人一組で審理を行い、意見を提出することとされておりまして、法務大臣はその意見を必ず聞いた上で、その意見を尊重しつつ裁決を行うという仕組みになってございます。さらに、難民には当たらないとの判断になお不服がおありになれば、裁判所に訴えを提起し、これによって司法判断を受けることも可能な仕組みになっています。ですので、これらの重層的な行政手続、そして訴訟手続を経た結果として難民と判断されなかったという方につきましては、日本国として難民であるとは認め難いというのが仕組みから申し上げました実情でございます。今お問いの難民の認定率ということでございますけれども、あくまでこのようにして個別に判断をされた結果の積み重ねであるわけでございまして、大量の難民、避難民を生じさせる国との地理的要件など、各国それぞれに状況が異なっていますので、難民認定率のみを単純に比較することは相当ではないというのが私どもの見解でございます。いずれにいたしましても、難民認定手続、適正に進めてまいります。


○石川大我君

長官は難民に対する思いがひとしおだというようなお話を聞いておりますので、あの答弁、本当に心の底から読んでいらっしゃるのかなというのはちょっと疑問だというふうに思いますけれども、カナダでは五五%、イギリスでは四六%、アメリカでは二九%という認定率、今重層的な行政手続があるというふうにおっしゃいましたけれども、結果的に〇・四%になっているということだと思います。日本の入管行政、国連人権理事会から怒られているという状況、御存じでしょうか。国連人権理事会の恣意的拘禁に関する作業部会が、昨年八月、東日本入国管理センターに収容されていた二名の長期収容者、四年、五年という方ですけれども、この方たちに対して、国際法違反の恣意的拘禁に該当するという意見を採択しました。この国連の見解について、どのような改善策を取られているんでしょうか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

今御指摘の昨年九月に出されました恣意的拘禁作業部会の意見書でございますけれども、現在、出入国在留管理庁におきまして、その内容の精査、検討を行っているところでございます。その精査の上で、関係省庁と連携しながら適切に対応していきたいと思ってございまして、その際に私どもの見解をお示しすることになると思います。


○石川大我君

今、精査、検討というお話がありました。これ、昨年も出ているんですよね。昨年出ているもの、これ、今法案を提出しております入管法の改正にこれは生かされているんでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

まさに精査、検討を行ってございまして、その内容の中には、私どもとしまして必ずしも御指摘のとおりだということにはならない部分も含め、中にも含まれていると思っています。法改正につきましては、もとよりこれまでの入管が抱える、特にその退去強制手続部分に関する諸問題を踏まえた上で有識者の皆様のお声もいただきながら検討を重ねてきたものでございまして、これにつきましては今後御説明を尽くしていきたいと思っています。


○石川大我君

今、これ法案がもう提出をされています。この収容・送還に関する専門部会というところのこの意見をこの改正には生かされているんだと思いますけれども、これが出たのが六月、昨年の六月です。国連から指摘を受けたのが八月。こちらは反映できるにもかかわらず、国連の方は、まあ二か月遅いですけれども、二か月遅れだからこれ精査中、そういうことなんでしょうか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

必ずしもそういうことではございませんで、内容につきまして精査の上、どのような見解の申し上げ方をするかということにつきまして、関係省庁とお話をしているところでございます。ですので、先ほども申しましたように、必ずしもこの御指摘を私どもとして分かった、是とするというものでもないということから、法改正につきましては、元々入管が抱えていた問題の解消、改善、解決ということで検討を進めてきたものでございます。


○石川大我君

これ、精査、精査、精査とずうっと言ってこの法律ができてしまう、これはおかしいと思うんですね。確かに、先ほど、今おっしゃいました、これ、是とするところだけではないと。それだったら、きちんと早くこの法案を提出する前にそれを出して、ここは受け入れる、ここは受け入れない、そういうふうにすればいいんじゃないですか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

その見解の表明の仕方等につきましても、関係省庁と協議しているところでございます。
 

○石川大我君

結局、国連の言うことは聞かないと、もうそういうことなんじゃないでしょうか。これ、法律が改正されても、国際法違反と指摘されたまま改正をする、そういうことですか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

そのようなことにはならないと考えています。
 

○石川大我君

この法律を改正する大きな理由は何でしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

近年の出入国管理行政の運用の中で、大きな問題が二つ浮上してきておりました。一つは、退去強制が国の決定として決まったにもかかわらず、その送還を忌避して出国をしないという方が増えてきたということ。そしてもう一つは、そのことにも起因をいたしまして、先ほど来お話のあります収容が長期化してきたということが実情としてございます。ある意味、入管法は戦後間もなくできた法律でございまして、この退去強制手続部分につきましては、その後ほとんど大きな改正ということをしてきておりません。その意味、ある意味、今の入管法、出入国在留管理法が実態にそぐわなくなってきたという面も認められましたので、そこを今の時代に合うものに直したいと思ったものでございます。
 

○石川大我君

今の時代に合わせるということなんですけれども、この収容の長期化、問題があると、それを解消したいんだということですけれども、今回の入管法の改正で、送還を拒否する人を強制的に送還をするということができるようになりました。これ、送還忌避罪というのをつくって犯罪としてしまおうと、送還拒否するんだったら犯罪者にして出しちゃおうという、そういう乱暴なことだというふうに思います。こういう方たち何人ぐらいいるんでしょうか。データありますでしょうか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

私どもといたしまして、送還忌避をされている方ということを定義を付けまして、統計を精査をしてございます。一昨年、令和元年の十二月末現在で、退去強制手続の発付を受け収容中の外国人九百四十二人、仮放免の方二千二百十七人でございました。被収容者のうち送還を忌避する人が六百四十九人、そして、仮放免の方のうち、本来であれば退去強制手続が決定をしましたら速やかに出国をしていただくというわけですが、いろいろな事由、理由がありましてまだ退去されていない、収容をしていたけれどもそこから仮放免になっているという方の数を合わせて送還忌避者ということで、およそその時点で三千人という数でございます。


○石川大我君

この送還忌避の方、どんな方たちがいらっしゃるというふうにお考えですか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

主に難民認定手続がまだ進行している方、それから訴訟、入管関係の訴訟を遂行中の方などが数としては上位にあります。
 

○石川大我君

本国の迫害から逃れてきて、帰ったら命の危険がある、そういった方ですとか、この日本に長く生活をしていて、お子さんが生まれるとか、そういった事情で本国に帰れない、そういった方たちがたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

今御指摘の本国で迫害のおそれがあって日本に来られてという方は、恐らく御指摘のように難民認定申請をされている方だと思います。その難民認定申請を、冒頭御紹介をしましたように、重層的な手続で、日本政府としては法務大臣がまず判断をし、それから二回目の不服申立て審査のときには有識者の方々の御意見もいただき、またさらに、その中の一部の方は訴訟にも提起をして司法判断を仰ぐということで、その方が難民認定、あるいは難民条約上の難民に当てはまらなくても、日本として庇護するべき方については在留を許可していますので、そういうものに当たるかどうかということで、ある意味判断が一回なされます。その上で、それに当てはまらないので退去をしてくださいということで、今申し上げましたような退去強制の決定はなされているけれども帰れない、そういう方がいらっしゃいます。ですので、その意味では、その方が難民かどうかという判断はなされていて、その難民であるということには当てはまらなかった方々について退去強制を行う、まあステータスといいますか、位置付けになっているということでございます。それから、もう一つ委員のおっしゃいました日本に家族がいらっしゃられて帰れないのではないかという方、帰りたくないという忌避の理由の中でそうしたことをおっしゃる方はもちろんいらっしゃいます。それにつきましても、まず退去を、退去強制を決定するかどうかというプロセスの中で、その方を、本当は不法滞在者だけれども法務大臣が特別に在留を許可することができるというのが今の現行の入管法の中にもありますので、その特別に在留を許可をするのに当てはまる方かどうかという判断がなされるわけです。それも経た上で、あるいはそれを経てまた不服のある方については、訴訟に訴えるということもなされた上で、やはり日本国としてはその方の在留を認められないという方について退去をいただこうというものでございます。


○石川大我君

そういった制度が全く機能していないということを私たちは指摘をしたいと思います。私たちが提出をしました難民等保護法案、こちらでは、第三者委員会をつくって、しっかりと第三者の委員会の下でこれを判断しようというふうに思っておりますけど、なぜこう身内で判断をするんでしょうか。そこはブラックボックスになっていませんか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

身内で判断すると言いましたのは、先ほど申しましたように、この難民認定の手続の中には、有識者の皆様、特に入管法の中でこの難民の関係についてとてもお詳しくて人格高尚であるという方を法務大臣が任命するのだということが規定されているわけでございますけれども、この有識者の皆様が一件一件、しかも三人が一組になっていただいて、一件一件の申請についてその難民条約に当てはまるのかという判断をしていただいています。その意味では、今もしかしたら委員がおっしゃられました内々ということではない制度に元々なっているわけでございますし、私ども、いろいろな情報を、例えばUNHCR、国連難民高等弁務官事務所などの御協力も得て、各国情勢など収集をして、それを判断に生かしているところでございまして、その意味では、決してブラックボックス的に法務省が決定しているというものにはなっていません。ただ、そうしたお声もいただきまして、今、難民条約のこの解釈といいますか、この難民条約をどのように読むのかということにつきまして、その透明化を図るための作業をしているところでございます。準備が整いましたら、この判断の指針的になるようなものを公表したいと思っています。


○石川大我君

先ほどの送還忌避者のデータですけれども、これ一年分しか取っていないということですけれども、それでよろしいでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

令和元年十二月末の様々なデータをまとめましたものを昨年の三月に公表しています。その半年前のものにつきまして、この有識者会議での御議論に資するべく取りまとめましたものがあります。今、また、六月後の最新版について、今まとめている作業をしているところでございます。
 

○石川大我君

これ、まともなデータが一年しかない。つまり、これは立法事実として不適格なのではないでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

先ほど申しましたように、この送還忌避の状況につきましては、収容が長引いているということ、それから仮放免になった方が仮放免になってすぐ出国されてないなどを指標として考えているところでございます。送還の長期化ということにつきましては、六月以上収容され、あっ、ごめんなさい、収容の長期化ということにつきましては、六月以上の収容者数というものをずっと取っておりまして、これ、平成二十六年以降ずっと右肩上がりになっています。これはまさに送還忌避の状況に連動して収容が長期化しているものでございますので、一つの大きな私どもが今回の制度改正をするに当たりましての数的な根拠になっているものです。元々、この送還忌避の問題といいますのは、ここ十年来、私どもとしては問題意識を持っているものでございまして、その証拠にといいますか、二〇一〇年の出入国管理基本計画、これは出入国管理行政の指針を五年ごとにまとめているものでございますけれども、既に二〇一〇年の四次計画におきまして、この退去強制令書が発付されたにもかかわらず、自ら旅券を申請しないなどして送還をする外国人についての問題、あるいは二〇一五年の五次の計画、二〇一九年の四月に公表された計画におきましても、累次この問題について課題であるということを記載しています。ですので、ここ十年来の問題を、是非今回の制度改正で解消、改善したいと思っているところでございます。
 

○石川大我君

この送還忌避の内容を見ますと、六〇%が難民申請をされていたりとか、中を見ますと、家族と同居をされていて、家族が日本人ですとか、子が日本人、そういった方がたくさんいらっしゃいます。必要なのは長期収容による人権侵害をなくす法改正でありまして、これ、送還忌避をされている方を犯罪者にして、そして追い返してしまえばいいと、そういうことではないということを指摘したいと思います。入管法五十三条の三、ノン・ルフールマン原則について教えてください。


○政府参考人(佐々木聖子君)

その国に送還をしたときに迫害を受けるような国には送還をしないという規定でございます。
 

○石川大我君

これ、自由権規約、そして拷問禁止条約に違反する送還も駄目だという解釈でよろしいですね。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

そのとおりです。


○石川大我君

問題は、これ、日本がこのノン・ルフールマン原則、これを守っているかですけれども、これを守っているというふうに思われておりますでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

守って運用していると考えています。
 

○石川大我君

政府としては守っているんだというお話ですけれども、これに関して調査はありますでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

その方々の送還後、帰国後の状況については把握をしてございませんけれども、あくまでも国内でその方がその国に帰った場合に迫害されるかどうかについて判断をした上での送還をしています。
 

○石川大我君

安全だと判断しても、本国に帰った後に本当に安全かというのは分かりません。つまり、入管が難民でない、迫害の危険はないと、そういうことで強制送還をされた方が、帰国されて殺されたり迫害を受けた例。これ逆に、殺されずに暮らしている、迫害を受けずに暮らしている、そういう調査、そういうことはされていないんでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

それはしていません。
 

○石川大我君

そうしますと、強制送還された後、その方がどうなったか分からないと、そういうことですね。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

そのような把握はしていません。
 

○石川大我君

いや、これは余りにひどいんじゃないでしょうか。これまさに、ノン・ルフールマン原則、これに反するんじゃないかというふうにも思います。私たちが把握をしているところによりますと、支援弁護士さんで、クルド人の方でトルコに帰った後迫害を受けて死亡した例、そういうのもあるようですけれども、こういったところは把握されていないんですか、本当に。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

具体的な例は把握していません。
 

○石川大我君

まさに、そういった把握をしていない中で、今回の法改正の中では難民申請三回以上で送還可能とする、これは本当に危険だというふうに思います。私たちでは、私たち野党では、内閣提出の法案より先に提出をしました難民等保護法案、入管法の改正案、これ、佐々木長官、読んでいただけましたでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

概略、拝見しました。
 

○石川大我君

どのように思われましたか。出来はどうでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

内閣提出法案と考え方、見解が違うところがありますと認識しましたので、私ども閣法につきまして今後御説明を尽くしてまいりたいと思います。
 

○石川大我君

これ、私たちの法案、参考にしていただくと、そういうことはないんでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

これから議論をさせていただくことになると思います。
 

○石川大我君

ごめんなさい、何を。ちょっと聞き取れませんで、済みません。
 

○政府参考人(佐々木聖子君) 国会の場でも御議論があることになると思います。
 

○石川大我君

私たちもしっかりとこの難民保護、難民等保護法案、そして入管法の改正案、私たちの案ですね、しっかりと賛同者を得るように努力をしていきたいと思いますが。名古屋入管での死亡事案についてお伺いをいたします。三月六日、先週ですけれども、名古屋入管で三十代のスリランカ人女性の被収容者が残念なことに死亡する事案が発生しました。概要を教えてください。


○政府参考人(佐々木聖子君) 

まず、亡くなられた方には心からお悔やみを申し上げます。亡くなられた方は、令和二年八月二十日から名古屋出入国在留管理局の収容施設において収容されていた三十歳代のスリランカ人女性です。三月六日の午後、入国警備官の呼びかけに対して反応がなく脈拍が確認できなかったことから救急搬送されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されたとの報告を受けています。亡くなられた方ですが、以前から体調不良を訴え、今年の一月末頃以降、庁内の診療室や外部の病院をいずれも複数回にわたり受診していたとのことでございますけれども、死因は現時点では判明に至っていないとのことでございます。


○石川大我君

支援団体や報道各社によりますと、この女性、スリランカで大学を卒業された後、英語が堪能ということで、日本の子供たちに英語を教えたいという夢を抱えて二〇一七年に来日をしたそうです。将来、日本とスリランカの橋渡しをしてくれる、そんな方になったんじゃないかなというふうに思います。こういう方が来ていただけるのは本当にいいことだと思いますが、その点、長官どうでしょうか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

この方の詳細につきましては申し上げませんが、一般論として、それはいいことだと思います。

 

○石川大我君

来日されてお勉強された後、この方、御両親からの仕送りがなくなり、専門学校の学費が払えず留学生のビザが失効してしまう、そして昨年の八月から収容が始まるということなんですけれども、必要なのは、これ身柄を拘束して刑務所のような施設に入れることではなくて、適切な支援とかサポート、そういったことなんじゃないでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) この方の事案につきましては、先ほど申しましたように、医療的対応を行っていた状況において死亡に至ったこと、それから、死因が明らか、今の時点では死因が明らかでないことなどから、法務大臣の指示を得て、出入国在留管理庁におきまして経緯それから事実の詳細などについて調査を行っているところでございます。ですので、ちょっと個人のことにつきましては、今の段階では申し上げられません。


○石川大我君

ここからは、支援者の方の聞き取りの、詳細な面接の、お亡くなりになられる前の面会の記録がありまして、支援者の方の許可を得て、プライバシーを守りながらお話をしたいと思いますが。この方、昨年、ですからコロナ禍ということで帰るに帰れない、だったと思います。名古屋の収容施設で体を壊してしまいます。一月には体重が十二キロ減、これ三十代の女性の方ですからね、十二キロ減るというのはかなりしんどいと思います。喉に違和感があり御飯が食べられない、施設の看護師に相談をすると、適度な運動や胃のマッサージをするようにと言われた。十二キロ減って、適度な運動や胃のマッサージをしろ、これ適切ですか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

今お尋ねの点を含めまして、亡くなられた方の診療経過あるいは健康状態の推移につきまして現在調査中でございます。
 

○石川大我君

佐々木長官は、二〇一九年の日本外国特派員協会で記者会見をされていまして、入管収容の医療について現在の体制が十分ではないことを認め、更なる充実を図らなければならないと、医療体制の拡充などに努力したいなど、難民や日本に滞在する外国人に寄り添うメッセージを発していただいたと思うんですが、この状況を見てどうお考えですか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

法務省令におきまして、入管の収容施設におきましては、被収容者が罹病し、又は負傷をしたときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならず、各収容施設においてこのような現行法令の規定に従った診療を実施する体制を整えることとなっています。他方で、今委員御指摘の点とも関係をしますけれども、常勤医師が配置できておりますのは長崎の大村入国管理センターのみでありまして、私ども、引き続き常勤医師の確保などによる医療体制の充実に努めてまいります。まさに今回の改正法におきましても、例えば常勤医師の確保に資するための兼業に関する国家公務員法等の特例規定などを含んでございまして、この医療体制の充実、優先的な課題として取り組んでいきたいと考えています。
 

○石川大我君

この方、一月下旬になると足の痛み、胃の痛み、舌がしびれるなど訴え、とうとう血を吐いてしまう、死にそうというふうに面会される支援者の方に訴える、この後も嘔吐、吐血。そのときに入管職員何と言ったか、迷惑だからといって単独房に移されたと、そういうふうに証言しています。目まい、胸の動悸、手足のしびれ、施設内の診療所で処方されたのはビタミン剤とロキソニンですよ。ビタミン剤と痛み止め、これだけで本当に充実していると言えるんでしょうか。まともな体制でしょうか、これが。

 

○政府参考人(佐々木聖子君)

その経緯につきましても調査中でございます。先ほど申しましたように、不断にこの医療体制については充実させていきたいと考えています。
 

○石川大我君

この方、二月、先月ですけれども、二月になると彼女は車椅子でとうとう面会に現れるようになるということです。食べられない、薬を飲んでも戻す、歩けないという状態、ここでやっと外部の病院での内視鏡検査。その後、点滴を打たせてほしいと言ったにもかかわらず、長い時間が掛かるという理由で入管職員が認めずに、一緒に帰ってしまった。このこと、ありますでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

その経緯につきましても、正確に把握するべく調査中です。
 

○石川大我君

これ、私たちで調べますと、外部の病院に行っても、入管の職員がもういいからと連れ帰すと、そういう事実もあるようですけれども、この点把握されていますか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

正確に調査をいたします。
 

○石川大我君

この、調査調査と言っておりますけれども、いつまでに出すんでしょうか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

法務大臣からできるだけ早急にという指示を受けておりますので、もちろん正確性を期すということが第一ではございますが、それを期した上で、できるだけ早くに調査を遂げたいと思っています。
 

○石川大我君

これ、大村で死亡事案が、餓死ですけれども、これ出たときには、六月に亡くなって、入管庁からの死亡、死因の発表、報告、十月だったんですね。これ、まさか法案の審査の後にこの報告が上がる、そんなことはないですね。


○政府参考人(佐々木聖子君)

正確性を期した上で、できるだけ早く調査を遂げます。
 

○石川大我君

これ、まだまだ事案があるんです。時間がありませんけれども、読んでいて本当につらくなるんです。とうとう面会には車椅子で出てくる、そして、バケツを抱えてくるという状態、歩けない状態で、職員はコロナを理由に介助しない、胃がねじれるように痛い、歩けないのに歩けと言われる、お弁当は冷たくて油物が多くて食べられないけど食べろと言われる、トイレに行こうとして倒れても助けてくれない、担当職員、コロナだから入院できない、病気じゃない、仮病だと言う。そして、二月下旬、とうとう二十キロ痩せてしまう、おなかが痛い、口から血が出て倒れても助けてもらえないので床に転んだまま寝た、こんなこともあったというふうに述べております。三月、今月です。頭がしびれる、手足がちゃんと動かないなどの危険な状態になる、熱はずっと三十七度から三十八度です。支援者では、支援者は、このままでは死んでしまう、すぐに入院させるべきだと申し入れますが、職員は拒否、予定は決まっていると答えるのみ。これ、本当にひどくないですか。調査中調査中と言いますが、私たちはここまで分かっているんです。なぜ調査しないんですか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

私ども、本庁から名古屋出入国在留管理局に職員を派遣して聞き取り等々を行っています。その際、もちろん、残っている書類等について収集の上、精査、分析をするという作業を行っています。もとより、できるだけ早く調査を遂げます。
 

○石川大我君

これ、第三者による調査委員会つくる必要があると思いますが、つくっていただけますね。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

まず私どもで調査を尽くした上で、もちろん、これは以前の案件もそうですけれども、医師等専門家の方々にその所見を伺うという作業はすることになります。
 

○石川大我君

いや、外部の調査が必要なんじゃないですか。
 

○政府参考人(佐々木聖子君)

今私どもでできる調査を行い、それに対して外部の方の御意見をいただくということはやっていく予定でございます。
 

○石川大我君

法務副大臣、どうでしょうか。
 

○副大臣(田所嘉徳君)

今申し上げましたように、十分の公平性、客観性を確保するような調査が必要でございます。もちろんプライバシーの配慮も必要でありまして、いろいろな公表されない事情等につきましても、十分その関係した記録等を精査して調査を進めてまいりたいというふうに思っております。そして、この調査したチームとともに、先ほど長官もお答えいたしましたけれども、外部の医師等専門家、そういった方々の意見も踏まえて、しっかりとした調査にしたいというふうに思っております。
 

○石川大我君

名古屋では昨年十月にも別の死亡事案が起こっています。これ、立て続けに起こっているんですね。これ、のんびりしたことを言ってられないと思います。第三者による調査委員会をつくる、すぐつくる。内部の調査と言いますけれども、大村では、六月に亡くなって調査結果出たの十月ですよ。四か月掛かっているんです。内部の調査ではもう駄目だというふうに思います。そして、支援者にこれはお話を聞く、そういった予定はありますか。


○政府参考人(佐々木聖子君)

正確な情報を得るのに何が必要かということを検討の上、今御指摘の点も含めまして適切に対応してまいります。
 

○石川大我君

私、支援者の方と昨日お話をしましたけれども、会う用意があると、入管の方、そして副大臣にも大臣にも会う用意があると言っております。副大臣、会っていただけませんか。
 

○副大臣(田所嘉徳君)

適正な調査をすることが今後のそういったことの問題が起きないようにするために大変重要だというその委員の意見もよく分かっておりますので、そういう中で、よく事情の分かる関係者の意向等も聞き取りをして、今回の調査の中で更に正確な充実したものにしたいということをここで申し述べたいと思います。
 

○石川大我君

副大臣、明確に行きますと言っていただけませんか。
 

○副大臣(田所嘉徳君)

今申し上げたとおりでありますが、調査結果を受けて、必要とあればしっかりと私自身もそれに立ち会って進めていきたいというふうに思っております。
 

○石川大我君

調査結果が出てからでは遅いんですよ。調査をするために行く、そこを分かっていただけませんか。
 

○副大臣(田所嘉徳君)

それでは、正確に申し上げたいと思いますが、調査結果を受けてではなくて、調査を受けながら、必要があればしっかりと現地を見て、完全なものにするようにしたいというふうに思っております。
 

○石川大我君

少し前進したのかなと思います。速やかに行っていただきたいと思います。終わります。