3月26日の予算委員会質問(全文) | 石川大我にじいろの会

石川大我にじいろの会

立憲民主党 参議院議員の石川大我です。前 豊島区議会議員

2020/03/26(木)
参議院予算委員会 石川大我質問文(未定稿)全文
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○委員長(金子原二郎君) 関連質疑を許します。石川大我君。

○石川大我君 立憲・国民.新緑風会・社民の石川大我でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 昨夜、東京都の小池百合子知事が緊急記者会見を行いまして、感染爆発重大局面との会見を行いました。小西委員への答弁でも、協力、連携し、防止に努めたいというお話が官房長官からありました。
 一部のスーパーでは、食料品の買占めなどがもう始まっているというふうな報道もあります。既に百合子ショックという言葉も生まれているようですが、こうした事態、鎮静化をさせるために政府として冷静な対応を求めるメッセージを出すべきだと思いますが、担当大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(西村康稔君) 先般の専門家会議の提言でも、日本は何とか持ちこたえているけれども、警戒の手を緩めれば、いわゆるオーバーシュート、感染が爆発的に増えるということになりかねないと、しっかりと大きなイベントは自粛をして、対応な慎重を求め、そしてせきエチケットなども努め、また三つの密、密接したところで大勢の人が集まらないようにしてほしいということを提言を受けているところであります。
 東京都におきまして患者の数が増え、また、海外から戻ってきた方が、特に海外で感染が本当に拡大しておりますので、その影響を受けていると、さらには感染経路分からない人も増えていると、そんな中で小池知事がああいう形で危機感を表明されたものというふうに思っております。同様の危機感を私どもも共有しているところでございます。
 是非、国民の皆様にはこうした呼びかけに応えていただいて、何とか感染防止に向けて、感染拡大の防止に向けて共に努力していければというふうに思います。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 西村担当大臣。

○国務大臣(西村康稔君) 物資の供給につきましては、私ども責任持って行っていきたいと思いますし、状況を見ながら必要な対応を取ってまいりたいと思いますので、都民の皆さん、国民の皆様には冷静な対応をお願いしたいというふうに思いますし、私どもとしても、いろいろな状況を見ながら適時適切にメッセージも発信していきたいというふうに考えております。

○石川大我君 今回の知事の発言ですけれども、重大なメッセージでありますけれども、それによって混乱が生じているのも事実です。今後、政府が緊急事態を宣言した場合、それ以上の混乱が予想もされることだというふうに思っております。うがった見方をすれば、これを政治的に利用するということも可能だと思いますけれども、まさに透明性を担保しながら慎重な対応が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(西村康稔君) インフル特措法の審議の際にも、国会の審議の際にも、与野党多くの議員の皆様から、国民の私権を制約する措置がとられるときには、専門家の意見も聞き、適切に判断をしてほしいということ、これは附帯決議にも書かれておりますし、緊急事態宣言を発する際には、適切に国会にも説明をし、報告をするということが附帯決議にも盛り込まれておりますので、それに従って私たち、私ども対応していきたいと思いますし、とにかく感染防止を、感染拡大を防ぐために、専門家の意見をよく聞きながら適切に判断していきたいというふうに考えております。

○石川大我君 突然発せられますとパニックになるということもあると思います。事前の準備が必要だというふうに思います。情報公開、これしっかりと事前も含めてしていただきまして、起こり得る事態の対策、こういうのもしっかり手当てをして、そして何より科学的根拠をしっかり示していただきたいというふうに思いますが、そのことに関してお聞かせください。

○国務大臣(西村康稔君) 緊急事態宣言発する際には、専門家の意見をよく聞きまして、国内の感染状況、これは患者数の増加であるとか、あるいはまさに感染経路が分からない患者の数、患者数であるとか、海外の状況であるとか、こういったことを総合的に判断していくことになりますけれども、しっかりとそうしたデータも見ながら、またお示しをしながら、専門家の意見を聞いて適切に判断をしていきたいというふうに思います。

○石川大我君 知事の発言の背景には、先ほどお話もありましたけれども、感染経路を追えない感染者が急速に増えていることがあると思います。
 まさにパニックや風評被害を防ぐためにもPCR検査や追跡調査、これを増やして、皆さんに正確な情報を提供する必要があると思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まさに今、専門家会議からも御議論いただいておりますように、地域での患者集団、クラスターと言っておりますけれど、それをしっかり把握をして、そしてそのためにも、積極的疫学調査をして、濃厚接触者等、そしてその方々の健康観察をすることによって、言わば見える化をしてコントロールしていく、この重要性というのは指摘をされておりますので、そういった対応をしっかりやっていくと。そのためにも、それを支える保健所を始めとした体制、さらには検査も含めたそうした体制、これをしっかり充実していくことが必要だと思います。

○石川大我君 特に感染経路の追跡調査ができていないというふうに聞いております。これは、先ほどもお話ありましたけれども、クラスターが追えなくなる、つまり感染者の集団をフォローできなくなり、感染の爆発を起こすというふうに言われています。
 保健所の人員、具体的に増やしていくということは考えていらっしゃいますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) やはり専門家会議から、かなり負担が過度になっている、対応をもっとしっかりやるべきだという御提言もいただいております。
 したがって、その保健所における、まずは、保健所はいろんなことをやっていますので、相談等についてはできれば地域の医師会等にお願いをして、替わっていただくべきものは替わっていただく。それから、これまでも保健所に勤めていた、やっぱり一定のノウハウが要りますので、OBの方とか、そういったことを再雇用するための予算措置、これは既にさせていただいております。
 さらに、昨日実は知事会の方ともお話をして、もう保健所部局だけじゃなくて、全庁、全庁的というんでしょうかね、という形の対応をお願いするということもさせていただきました。あと、私どもの方のクラスター班から必要に応じてそうした専門家も派遣をすると。そういった体制を組む中で、しっかりクラスターを追っていける、こういう体制をつくっていきたいと思います。

○石川大我君 是非よろしくお願いをいたしたいと思います。
 マスクの問題についてお伺いをします。
 市中にはとにかくマスクがありません。私の地元の豊島区の巣鴨地蔵通り商店街で、昨日の朝、うちのスタッフが調査をしましたところ、もう開店前に既に行列ができておりまして、七店舗調べましたところ、数枚入りが少しあるとか、二十セット、六十セットと、少しずつは出てきたようなんですけれども、開店と同時に並ばないと売り切れてしまうと、並んだ方も買えないというような状態です。
 厚労省、経産省、総務省でマスク班というのができているというふうにお伺いしておりますが、どんな仕事をこのマスク班されているんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) これ、やはりマスクという場合においては、やはり国内における増産もお願いをしていかなきゃいけない、この助成金はこれは経産省においてお願いをしているところであります。
 それから、輸入をしっかり、当時、このコロナウイルスの感染する前は、七割、八割が中国からの輸入でありました。それが途絶えているということでありますけれども、全世界的なこのパンデミック、状況でありますけれども、世界的なまだ、供給できるところから輸入をしっかり図っていく。そして、その上で、やはり足りないところの中においてもやっぱり優先度、緊急度がありますから、より優先度の高いところに配っていく。そういった全体的なことを一貫してやるというためにおいては、厚労省だけではできないということで、経産省を始め各省のそうした担当の方にも集まっていただいて、そうした対策斑をつくる中で一元的に対策を講じていくと、そういうことであります。

○石川大我君 都道府県で取りまとめをしていただいて、国があっせんしていると聞いていますが、そのシステムはうまくいっていますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) むしろ医療用マスクを中心に都道府県からいただいたものに対して、既に国が持っている二百五十万枚、これは既に配付をいたしました。
 それから、国が今、国内外から集めようとしている一千五百万枚についても、逐次これは配付をしていく。それ以外にも、私ども聞かせていただいた特に不足があるところに対して、民間のメーカー、卸にも促して、優先的な供給もお願いをしていくと。様々なチャンネルを使って、特に必要なところにしっかり流していきたいと思います。
 加えて、これは一般ではありません、医療用ではありませんけれども、一般の方、特に高齢者等については、今、布マスクを二千万枚、これを取り入れることによって、既に一部についてはそれぞれのところに配付をさせていただいて、今月終わりから来月頭にはそれを全部配付できるように作業を進めているところであります。

○石川大我君 緊急放出などで医療機関には渡っているようですが、小さな医院ですとか鍼灸や整体といったような患者さんに触れる職業ですとか、学校、学童、高齢者施設などではまだまだ不足しているようですが、この取りまとめでこうした施設、漏れのないように配慮するよう都道府県に要請いただけませんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 残念ながら、今需要と供給を比べるとやっぱり需要がオーバーしているという状況、これを解消すべく今生産能力の拡大等しておりますけれども、あるいは先ほど申し上げた輸入の拡大も図っておりますが、ただ、残念ながら、今そういう状況の中で、いかに特に必要な、一番必要なのはやっぱり感染症の現場に当たっている方々を始め、それぞれ優先度をつくらせていただいて、それにのっとってお願いをしておりますけれども、ただ、具体的には、都道府県が、それも参考にしながら、地域の実情を踏まえてお配りをいただけるようにというふうにお願いをしているところであります。

○石川大我君 このマスクなんですけれども、無料で配付をしていらっしゃるんでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 国が買い上げたものについては無料でございます。先ほどの布マスクとか、一部、北海道で感染率が高いところに対して今お配りをいたしました。そういったものは無料で対応させていただいております。

○石川大我君 昨日のことなんですが、私の知人の保育園の経営者から聞いた話ですけれども、首都圏のある市ですけれども、行政の方から優先的に買えるのでと言われて買おうと思ったんだけれども、一枚百円というお話を自治体の方からされたと。
 使い捨てのマスクで一枚百円ですのでちょっと高いんじゃないかなと思うんですが、その辺り、御認識いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっとそのお話は今初めてお聞きをしました。
 しかも、どういうスキームのどういう仕組みの中でおやりになっているかは分かりませんけれども、それが高いか安いかというのはなかなか、その質にも物にもよるんだろうと思いますけれども、いずれにしても、そうした、特に高齢者施設、保育所等にも今、布マスクを支給すべく努力をしておりますので、そういった努力を更に続けさせていただきたいと思います。

○石川大我君 中国にいる知人の、スタッフの知人の話なんですけれども、中国でもマスクが少しずつ買えるようにはなってきたと。ただ、一枚七十円ぐらいやはりするそうで、ちょっと高いような状況が続いているというようなお話がありますので、たくさんのマスク、やはりこういった場所では必要だと思いますので、できるだけ安価なものが供給できるようにしていただきたいというふうにお願いをしたいというふうに思います。
 文科大臣にお伺いしますが、学校の通知の問題、マスクを装着を指導とありましたけれども、こういった状況の中でなかなかマスク着けられない児童生徒いらっしゃると思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(萩生田光一君) マスクにつきましては、国内外において急激な需要が増加をしており、依然としてその不足が解消していないところです。現在、関係省庁が連携して確保のための取組を進めておりますが、児童生徒に行き渡るにはもう少し時間を要する見込みです。
 先ほど厚労大臣も御答弁されましたけれども、布のマスクにつきまして、第一陣で医療機関や福祉機関への配付が終わった後は何とか学校関係で確保させてもらえないかということも省庁間では今連携を取っております。
 このため、文部科学省では、新年度の学校再開に向けて、当面の間、各設置者、学校等に対し、家庭などにおける手作りマスクの作成、使用をお願いしたいと考えております。手作りマスクはハンカチやゴムひもといった各家庭にある一般的な材料で作成できるものであり、まずは御家庭において準備をしていただきたいと考えているところでございます。

○石川大我君 緊急避難的に、手に入らない状況で自作というのもありかと思いますけれども、材料の確保ですとか、個々の御家庭の事情などもあると思います。本来であれば、通常のマスクを国としてしっかりと確保して、供給体制の整備というのが国の責務だというふうに思いますが、その辺り、きめの細かい対応が必要だと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(萩生田光一君) 今冒頭申し上げたとおり、布マスク第一陣の後の配給を求めて今準備をしております。できる限り御家庭などにも負担がないようにしっかりサポートしてまいりたいと思います。

○石川大我君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、入管の問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。入管問題について、前回に引き続きましてお伺いします。
 日本人の妻がいらっしゃる四十代のクルド人で難民申請中の方、デニズさんが二月の二十一日に牛久市の入管の施設内で自殺未遂をしたお話をしました。前回の委員会です。救急車で運ばれた後、施設に戻ったんですけれども、懲罰房と呼ばれる独房に入れられました。睡眠薬を通常の量の四倍与えられ、意識がもうろうとする中、計六回、自殺未遂をその後しました。彼は薬の影響で自殺未遂をしたこと自体すら覚えていないというふうにおっしゃっています。
 大臣は前回、被収容者の人権に配慮して適切に行うよう指示してまいりますと答弁いたしましたが、具体的にどのようなことをその後指示されましたでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 前回の御答弁でも申し上げましたとおり、被収容者の人権に配慮して適正に行う必要があること、そして、かねてから出入国在留管理庁に対してもそのような指示を出しており、現場視察をしたときも重ねて指示をしておりましたが、前回、委員から御質問を受けた後も、すぐ、同日中に改めて指示をしたところであります。
 御指摘のあった個別事案の内容に関わる事柄はお答えすることは差し控えざるを得ないんでございますが、前回の御質問を踏まえた確認を現場で行った上で、対応を要する事項については具体的な対応を進めているとの報告を受けております。

○石川大我君 大臣、この答弁された中で、指示を同日に出したというお話ありましたけれども、この答弁された日以降も、この方、実は四回も更に自殺未遂を起こしております。合計十回の自殺未遂です。
 長期収容によって多くの被収容者の皆さん、健康上、人権上、危険な状態です。こうした長期収容をやめるべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(森まさこ君) 送還を忌避する者が多数に上り、それに伴い入管収容施設の収容が長期化し、処遇に様々な課題が生じていることについては深刻に受け止めております。
 長期収容の状態はできる限り解消すべきでございますが、そのためには、まず送還を促進することにより収容状態を解消していくことが重要だと考えております。また、被収容者に対しては、健康状態その他の諸般の事情を考慮して、相当な場合には仮放免を活用していくものだと思っておりまして、その適切な活用も重要であると考えております。

○石川大我君 全く認識が違うと思います。
 多くの収容者の皆さん、長期収容者の皆さん、帰らないのではなくて、帰れない人たちです。大臣、こうした帰れない人たち、様々な迫害を受けるなどの理由で帰れない人、これ、いつまで収容するおつもりなんでしょうか。例えば、ウイグルなど明らかに難民と分かる人、認定されるのにも二年、三年というふうに掛かります。
 森大臣、こうした人たちに速やかに難民認定など在留許可を出していくべきではないでしょうか。担当職員、これ足りないのであれば増やすべきだとも思います。

○国務大臣(森まさこ君) 送還忌避者の方々の中には、日本人や正規在留者の妻子との同居等、本邦への定着性を主張する方々、そして難民性を主張する方々が含まれていることを承知しております。しかし、送還忌避者は、入国審査官、特別審理官及び法務大臣による慎重な審査を経て退去強制が相当と判断をされたものでございます。
 また、様々な課題については、現在、収容・送還に関する専門部会において有識者の方々に様々な観点からの御議論をいただいているところでありますので、今後、専門部会の御議論に基づく御提言をいただき、これを踏まえた上で、様々な御指摘にも耳を傾けながら、制度や運用の改善に向けて必要な検討を行ってまいりたいと思います。

○石川大我君 今、専門部会のお話ありましたけれども、この専門部会の中では、仮放免をされた方、この方がもし何らかの事情で出頭してこなかった場合、これには刑事罰を科そうという、そういう議論まで行われているというふうに思いますが、この刑事罰を科すという方法、全く方向性が違うと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 現在、専門部会におきましては様々な課題について議論を幅広くしていただいているところでございますが、これらについて今取りまとめに向けた議論が行われていることから、私からは取りまとめの内容について具体的な見通しを述べることは差し控えさせていただきますが、今後できる限り早期に専門部会の御議論に基づく御提言をいただき、委員からの御指摘等も、様々な御指摘に耳を傾けながら、収容及び送還に関する制度や運用の改善に努めてまいりたいと思います。

○石川大我君 今日は、実は大臣に聞いていただきたいんですけれども、この予算委員会の傍聴席、あちらに、先ほど私が、自殺未遂を十回繰り返してしまったというような、日本人の妻がいらっしゃるクルド人の、難民であることを申請しているデニズさんが今傍聴席にいらっしゃっています。白いVネックのシャツを着まして黒いジャケットを着られている左側の方ですけれども、このデニズさん、おとといお会いしました。仮放免がおととい出ました。これは一定評価をしたいと思いますけれども、愛する奥さんとともに普通の生活を送りたいだけというふうに涙を流しておられました。彼は、私は犯罪者でもテロリストでもない、私に必要なのはたくさんの睡眠薬ではなく奥さんだと、奥さんと一緒にいることが一番の薬だというふうにも言っておりました。
 森大臣から何かデニズさんに声を掛けていただけないでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 個別の事案についてはなかなかお答えすることができないんですが、傍聴に来ていただいた方に対して、本当にお体に気を付けてお暮らしになっていただきたいというふうに思います。
 委員から前回御指摘をいただきました。その個別の事案については私も申し上げることがなかなかできません、立場上できませんけれども、その御指摘を踏まえてすぐに事務の方に指示を出し、そして、その指示の結果、一般的に、現場において様々な状況を確認し、それを累次報告も受けておりました。
 今後も、専門部会もございます、またこの国会での御議論、国会での様々な委員の皆様からの御指示に耳を傾けて、しっかりと適正な処遇がなされていくように努めてまいります。

○石川大我君 おととい仮放免が行われたわけですけれども、奥さんの、日本人ですよ、日本人の奥さんの携帯には多くの着信がありました。お仕事中で着信には出られなかったわけですけれども、余りにいろんな多くの方からの着信があったために、奥様は、てっきり旦那が、デニズさんが死んだんだというふうに、死んだ連絡だというふうに思ったということで、膝ががくがく震えて、もう涙が出てきた、しかし、もうこれは覚悟を決めて聞こうということで折り返しの電話をしたところ、実は仮放免になったということで、そういう知らせだったということで、本当に旦那がもう死んだんだというふうに思っていた。
 同じ日本人がこういう目に遭っている。これはまさに人権の問題ではないでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 委員の、いつも現場に足を運び、そして皆さんにお会いになったことに基づく御意見については真摯に受け止めております。一般的に、被収容者の処遇はその人権に配慮して行う、適正に行う必要があることは言うまでもございません。
 委員の御指摘も踏まえ、引き続き適正な処遇の徹底に努めてまいります。

○石川大我君 大臣は先ほど、いろいろな声に耳を傾けるというふうにおっしゃっております。そういった意味では、被収容者のデニズさん、是非会ってお話をしていただきたいと思いますが、そういう機会設けていただけますか。

○国務大臣(森まさこ君) 突然のお尋ねでございますが、事務方と相談して検討してまいりたいと思います。

○石川大我君 いや、大臣のお気持ちで会おうと思えば会えるわけですから、事務方と相談する必要はないと思います。是非、お会いしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(森まさこ君) 多くの皆様がいらっしゃいますので、大臣として個別の事案にどこまで向き合うかということでございますが、現場からもしっかり御意見、調査をしていただきますし、委員等の御意見も承ってまいりたいと思います。
 今後のことについては検討をさせていただきたいと思います。

○石川大我君 もちろん、入管の職員の皆さんからお話を聞くことも大切だと思いますけれども、一方、中に入られて、どういった処遇を受けているのか、それ両方しっかり聞くこと大切だと思いますが、検討をするというふうに言っていただきましたけれども、これ前向きに検討するということでよろしいですか。

○国務大臣(森まさこ君) 多くの方がいらっしゃる中で法務大臣が個別の方にお会いをすることが適当かどうかという困難な、難しい問題があると思いますので、その点について検討をします。

○石川大我君 別に個別に一人で会ってくれと言っているわけではないですから、もうたくさんの収容者の皆さん、仮放免されておりますので、きちんとヒアリングをするということが大切だというふうに思いますが、そういった、複数の方たちとお会いをする、そういったことであれば問題ないんじゃないですか。

○国務大臣(森まさこ君) 現場がどうなっているか現状の把握をすることは重要であると思いますので、その手法を含めてどのような方法が適当かを検討させていただきたいと思います。

○石川大我君 是非、大臣の御決断をしていただきたいと思います。
 あと、牛久をしっかりと視察もしていただきたいと思います。品川は行かれたということですけれども、牛久の視察、特に懲罰房と呼ばれる隔離室、本当にひどい状況です。長期収容今すぐやめていただきたいと思います。
 排除ではなくて共に生きる社会をつくっていただきたいと思いますが、その御決意を聞かせてください。牛久への視察、是非お願いしたいと思うんですが。

○国務大臣(森まさこ君) 各地の法務省の施設については政務三役で手分けをして視察をしており、牛久の方も報告を受けておりますが、私も時間の許す限り、可能な限り法務省関連施設の視察をしてまいりたいと考えております。

○石川大我君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、仮放免中の方は就労できますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 仮放免中の方の就労についてお尋ねがございました。
 仮放免は、退去強制令書の発付を受けて収容されている者について、諸般の事情を総合的に考慮し一時的に収容を解く制度でございますので、したがって、仮放免中の者は退去強制処分を受けて送還されるべき立場の者であることに変わりはなく、在留資格を有さず送還されるべき立場であることから就労を許可することは適当ではなく、これを許可することは在留資格制度の機能を害する、著しく阻害することになるため、就労を禁止することにしております。
 このような現行制度について、その在り方を見直すことについては慎重な検討を要するものであると考えておりますが、収容・送還に関する専門部会において有識者の方々に様々な観点からの御議論をいただいておりますので、その議論を見守っていきたいと思います。

○石川大我君 生活保護は受けられますか。

○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと急な質問なんですけれども、基本的には対象にはなり得ないんではないかと思いますが、改めてちょっと調べて答えさせていただきます。

○石川大我君 生活保護、対象にはなりません。
 国民健康保険、これも入れないと思いますが、どうでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、これも今突然の御質問なんですが、多分、今の法務大臣のお話を聞くと多分対象にはなり得ないんではないかと思いますが、正確な答弁は後で事務方から御説明をさせていただきたいと思います。

○石川大我君 住民票が作れないので、国民健康保険入れないというふうに思います。
 つまり、就労もできない、生活保護も受けられない、病気になっても国民健康保険で、病院に行くこともなかなかままならない。
 こういった状況、仮放免中、森大臣、これどうやって生活をするんでしょう。

○国務大臣(森まさこ君) 仮放免中の方の問題につきましては、現在、有識者の専門部会について検討されておりますので、今の委員の御指摘も踏まえて、今後の適切な在り方について検討してまいりたいと思います。

○石川大我君 今生活ができないんですよ。今デニズさんいらっしゃいますけれども、奥さんがいらっしゃいますので、世話になっています。しかし、自分の稼いだお金で誕生日プレゼントも奥さんに買ってあげることができないと言って泣いておりました。
 どのようにお考えですか。

○国務大臣(森まさこ君) なかなか個別の事案についてお答えすることが困難ではございますけれども、今の、突然の御質問でもございますが、委員の御指摘を踏まえて、この仮放免中の方の状況等も、今専門部会で検討中でございますので、しっかりと検討をしていただきたいと、その結果を踏まえて適切な判断をしてまいりたいと思います。

○石川大我君 大臣、現状についての問題意識、これは人権の問題だということ、問題意識は共有しているということでよろしいですか。

○国務大臣(森まさこ君) 先ほども申し上げたとおりでございまして、人権保障、しっかりとしていかなければならないということは重要であると認識しております。

○石川大我君 是非、その認識の下、これから検討をしっかりしていただきたいと思います。仮放免中も就労ができる制度にしっかり改める、若しくはきちんと難民として認めていく、そういったことが非常に大切だというふうに思っております。
 厚労大臣、来ていただいたので、ちょっと時間がなくなってまいりましたけれども、名古屋大学病院で今、保険証のない外国人の方に対して四〇〇%、これは料金を請求するというような事案が起きておりますが、このことについてどう思われますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと個別について私ども承知しておりませんから、一つ一つ申し上げられませんが、まさに自由診療の仕組みであります。したがって、余りにも著しければ別でありますけれども、自由診療の価格というのは、まさに自由診療でありますので、個々の医療機関が診療に係る適切なコストを踏まえて設定されているものだというふうに思います。

○石川大我君 これ、地域の大切な病院なわけですけれども、これ仮放免中の方でトランスジェンダーの方、ここでないと診療が受けられない。しかし、四〇〇%今請求をされているというような状況の中で、十割負担だったら四千円です。我々三割負担ですから千二百円、四〇〇%だと一万六千円になる。これはちょっとおかしいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まさに自由診療は自由診療でありますので、我々の通常受けている医療の場合にはそれぞれ診療報酬が決まっていますから、それに準拠していただくということでありますけれども、まさに、先ほど申し上げたそれぞれの医療機関が適切に掛かるコストを踏まえて設定されるということ、特に、海外の方の場合には、やはりそれを通訳するとかいろんな時間が別途掛かるというようなこともあるということも聞いているところであります。

○石川大我君 森大臣にお話をしますけれども、先ほど退去強制令状というお話がありました。これは入管の……

○委員長(金子原二郎君) 石川君、時間が来ております。

○石川大我君 職権で取り消すことができます。そういった意味では、在留許可しっかり与えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○委員長(金子原二郎君) 森法務大臣、答弁して終わりです。

○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘を踏まえて、しっかり検討してまいります。

○石川大我君 ありがとうございます。

○委員長(金子原二郎君) 以上で小西洋之君及び石川大我君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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