弟が宿を目指して車を出ると間もなく、目の前が見えなくなるくらいの吹雪になりました。
「え…まさか、弟、遭難しないよね」
急に不安になった私達は弟に電話をかけてみます。
すぐに電話に出た弟
「スコップ借りたから、今から戻る!」
と20分ほどでしょうか…しっかりした雨ガッパ、口の閉まる長靴、雪かき用の手袋、そしてスコップを片手にした弟が戻ってきました。
聞くと、宿の方が服を貸してくれたとの事。
ここから私たちは、雪を掘ってみたり、掘って出来た轍に沿って車を押してみたり…。
みんなでドロドロになって頑張りました。
しかし、車は掘った分の距離こそ押せば動くものの…ほんの30センチほど。
勢いよく坂を登る気配はなく、このまま600mもひたすら掘って進んでいたら朝になりそうです。
この頃になると、すっかり寝ていた娘達も起き出し
長女
「すごーい!雪だー!え?進まないの?私達、車に泊まるの??」
次女
「あめ?ぬれる?」
と騒いでいます。
あーでもない、こーでもないしているうちに宿のご主人が車で迎えにきてくれました。
状況を確認して、とりあえず今晩は車を諦める様に言われます。
いや、私達も薄々気づいていました。
どう考えても、私達が乗ってきた車で宿に辿り着くのは難しそうでした。
しかし、パジャマの5歳児と2歳児。
それにスキー旅行の為のもろもろの荷物を抱えて、吹雪のなか600m歩く勇気が無かっただけです
私たちはバック走行でゆっくりゆっくり坂を下り、何とかスキー場の共用駐車場までたどり着きます。
そこから迎えに来てくれた車に荷物を移し、乗り換え…
立ち往生してからおよそ2時間後、何とか宿に辿り着きました
ちなみに今回お世話になったのは親戚の宿でして…
父は
「50年以上通ってるけど初めて立ち往生した…」
と、落ち込んでおりました。
反省すべき点は多々あります。
まず、慣れないレンタカーで行った事。
初めての車だったため、車の機能を理解しきれていませんでした。
アクセルを思い切り踏むとブレーキがかかってしまうらしく、上手に使いこなせなかった様です。
また、雪が少なくて困ってると聞いていたので、スタッドレスタイヤのみで行った事。
チェーンを買って持っていけば良かったです…。
弟は次の週も友達と同じ宿にお世話になる予定です。
そして、同じ車を借りています。
帰ってきてから急いで、タイヤチェーンを調べて購入していました。
そんなこんなで、何とか無事、宿に着いた私達。
スキー初日は、滑る前から筋肉痛という、何とも貴重なスタートになりました