福岡伸一 「生物と無生物のあいだ」 | 生きてる缶詰

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福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」読む

遺伝子学黎明期の話が中盤まで人間臭く描かれてて引き込まれた。
これは「二重らせん」を始めとする多数の書物に昔から詳しく描かれてたそうだけど、書物に疎い僕は偶然手にしたこの本でやっと知りました。

1940~1950年代に起きた遺伝子構造に関する発見から、最近の発見についても書かれてる。
野口英世の研究が ほぼでたらめであった話。
DNAこそが遺伝物質であることに感づいたオズワルド エイブリーの話。
X線結晶学でDNAの構造画像を描き出したロザリンド フランクリンの話。
のちに別の学者達がノーベル賞をもらった事への、、、な複雑な心象等々

僕がこれから描こうとしてるパム博士の物語は、産業革命よりはるか以前の文明レベルを想定している。
ブリキ星の文明段階では顕微鏡まがいの発明品は有るもののウイルスなんかまだ見えはしないし、交通手段も大型三輪車のレベルだ。
パム博士自体、自分たち貝人類の立ち位置を断定しかねてる。
貝人類の幼生態が巨大化したように見える謎の生命体タブコをみて、貝人類の進化が行き着く先に何が有るのか戦慄する博士。
そして学会では でたらめな推論・直観的な進化推論が生まれては消える。そんな真面目なでたらめ世界を描きたい。
僕が好きなレトロ世界をベースにしつつ、そんな生物学・分類学の試行錯誤時代を描けたら、、、と思っている。


その元ネタとして本書も有効な一冊になるかもしれない。