ある貧しい詩人の家に友達がやってきた。そこで四方山話をしているうちに、(夜間)通行禁止時間になったので、一晩泊まることになったのだが、詩人が古新聞紙8枚を持って友達に云うには「新聞紙も8枚しかないが…お前は5枚、俺は3枚、乗せとけ」客たる友達が「何のつもりで新聞紙5枚?」
「布団がねえ。布団はなくとも何か引っ被らないといけないが、お前は客だから5枚、俺は主人だから3枚だけ引っ被って寝ようや」といって、二人とも新聞紙を引っ被って寝たという話である。

[これこそ何はなくとも客を丁寧に饗したという話である。]

※77年当時、韓国のほぼ全土に夜間通行禁止制が布かれており、通行禁止時間は真夜中の0時スタートであった。