力道の映画ブログ&小説・シナリオ

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映画ブログです。特に70年代の映画をテーマで特集しています。また自作の小説、シナリオもアップしています。

劇場最新作品の感想も書いています。

豊田四郎監督。水木洋子脚本・原作。岡崎宏三撮影。林光音楽。64年、東宝配給。

日本映画専門チャンネルの蔵出し名画座にて鑑賞。京マチ子毎日映画コンクール、キネマ旬報主演女優賞受賞作。日本映画第8位。

下町のバーに勤める女給・梅子(京マチ子)は、母(沢村貞子)と二人の弟(名古屋章、笹岡勝治)、高校生の娘(桑野みゆき)を女手ひとつで支えてきた。これまで陽気で楽天的に生きてきた梅子にも、老いの影が差し込む…。

水木洋子らしいおんなの生き様。肉感的でエネルギュシュな京マチ子が円熟の演技。かつての恋仲にあり再会する辰岡(佐田啓二)、家出する梅子の娘竹子(桑名みゆき)。母松子(沢村貞子)。壮絶な母娘の確執、渾沌とした時代を背景におんなの生き方を浮き彫りにした秀作。ラストの切り方も秀逸。
豊田監督の持ち味より水木色が強く出た映画。