今週の幸福論 | けにーのぶろぐ

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「動物が出てくる、アランの言葉⑤」

 

 

 

[ 鳥のようなイメージで ]

 

 

 

 人の心とは不思議なものです。人の幸せを左右する意見の微妙な違いについて、他人のことはおろか、自分のことでも予想することができないからです。すべては思考の流れ次第。知らないうちに考えが変わっていることだってあります。たとえば、作り話だとわかっていても、テレビドラマの登場人物が泣いているのを見て悲しくなり、食欲がなくなることがあります。ところが、ものの数分後には、友人からの誘いに胸を躍らせているのです。

 アランはこうした思考の流れを鳥にたとえています。鳥がとまっては飛び立っていくように、悲しみや慰めもまた、とまっては飛び立っていくのだと。「一時間の読書でまぎらわすことのできなかった悲しみなどない」と言ったのは思考家のモンテスキューです。私たちの思考はそれほど自由で、変わりやすい。それならば、不幸に見舞われたとき、鳥のようなイメージであちこちへと思考を飛び立たせて、乗り越えていくことはできないものでしょうか。

 

 

 

(「慰め」より)

 

 


 

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