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そのお店は私の足でも駅から歩いてすぐです。
初めてこのお店にやって来た。いえ正確には久しぶりになのですが。
数カ月前の事
お店の前に立った時、ちょうどお婆ちゃんがお店の開店準備で表の戸を開けている所でした。
「おや、見掛けない子だね」
私に気付いたお婆ちゃんは、仕度の手を止めて私をしばらく見て、何かを思い出している様でした。
「こんにちは、野良ちゃんかい。お腹が空いているのかな・・・ちょっと待ってな」と言って店の奥に入って行きました。
「はいお食べ」と、お茶碗に入った煮干しを出してくれました。
ちゃんとご飯は食べて来たのですが、いらないと断るのも、何だかお婆ちゃんをがっかりさせてしまう様な気がして食べました。ひとつ残さず。
お婆ちゃんは私が食べている間、じっと私を見てました。嬉しそうに目を細めて。
「ごちそうさまでした」