猫の通勤電車/3 <3> 「お金は・・・持ってないよな」 「まだ子供だから、ただだろ車掌さん。この子は切符はいらないよ」と言っておばあさんが私の頭を撫でてくれた。 「そうですよね」 車掌が笑う。車内に乗客の笑い声が響いた。 翌日の地方新聞に、こんな見出しが載ってました。 『ニャンと猫が無賃乗車』