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「お金は・・・持ってないよな」

「まだ子供だから、ただだろ車掌さん。この子は切符はいらないよ」と言っておばあさんが私の頭を撫でてくれた。

「そうですよね」

車掌が笑う。車内に乗客の笑い声が響いた。

翌日の地方新聞に、こんな見出しが載ってました。

『ニャンと猫が無賃乗車』