神保町 にあるティーヌンは、とてもタイの雰囲気に満ちた店で、というのはたぶんタイの人たちが働いているせいだと思う。接客も心なしかおおらかで、キッチンでもせっせというよりはジャボジャボといった音を立てながら働いている。
「ふきんを投げないで、お客様の目の前です」
という張り紙がはってあったりする。どことなく南国の風情が楽しめて、みんながハッピーであるような気がしてくる。
従業員の幸せを追求することが会社の発展につながるという経営の考え方があるようだが、こないだ私はその、とっても具体的なバージョンを目撃した。
ランチタイム、隣の席にいたお客さんがビールを注文したらしく、ビールジョッキにつがれたビールが運ばれてきた。ところが、このジョッキ、満タンにしてもボトルに幾分余る仕様になっているらしい。「お待たせしました」とジョッキを置いた店員、ひょいと反対の手で、小さなコップに三分の一ほど入ったビールを、キッチンのカウンターに置いたのだ。ただもう、とっても当たり前に。
昼に他人がビールを飲んでいるのを、傍目にもとってもいいことだなあと思わせる、素敵なワザなのであった。(楽)