子育ての悩みを聞くと、
「子どもに何かをさせるために、どんな風に叱ったら良いですか?」
という人がいます。


そして、
子育てを教える人の中には、
「【叱る】と【怒る】は違います。良い叱り方とは・・・」
と話す人もいます。


また、体罰や怒ることを肯定する親や先生の中には、
「自分は怒られたことで今があるから、怒ることも時には必要」という人もいます。


これは、本当でしょうか?


『叱る依存が止まらない』の本の中では、「叱る」について、次のように書かれています。

 


・叱るというのは立場が上の権力者がすること
 

・叱ることは叱る側としては苦痛からの解放。これは依存性がある
 

・叱るということは相手に苦しみの感情を与えること
 

・叱ることは即効性があるように見えるが、相手はその場をおさめるために「逃げて」いる。それは学習を妨げる
 

・叱ることは効果がないし、むしろマイナスの影響すらある
 

 

 




ここでは、【叱るは依存する】と書かれていますが、
私は、さらに、【叱るは伝染する】と感じています。


人は自分がされたことを他人にするからです。


特に親や先生にされたことは、無意識にやってしまいます。
しかも、対策をしなければ年々ひどくなります。


私の夫は、父親から【叱るを伝染】されたと感じています。


しかも、【叱る】ではなく【怒鳴る】です。


叱られたり怒られたりして育った子の未来の参考になればと思い、私の夫の話をします。


何かを決めたり改善したりするために話し合いをしている時に、夫は、突然大声で自分の意見を主張するけど一貫性がなく話し続けてしまうことがあります。


私には怒鳴り続けているようにしか感じられません。


私は怒鳴られたことが無かったので、
結婚当初は驚き、
工夫を重ね、
コミュニケーションを学び、
1つずつ、実践してきました。



その結果、結婚して25年目となり、
突然怒鳴る頻度と勢いは年々減っています。



でも、一昨日、久しぶりに、
夫は、突然大声で自分の意見を主張するけど一貫性がなく話し続けてしまいました。


話しのきっかけは、自動車の不具合が治らない事でした。


夫は、「車にエラーが出たり坂道でターボが効かない時があるけど、理由がわからない」と言いました。


私は、色々話を聞き、
「じゃあ、エラーが出ないようにしてターボが動くようにしてもらうようにメーカーに持って行く?」と聞きました。


すると、
突然夫が、
「今までの俺のやり方が悪いっちゃろう!!」と大声で怒鳴り出したのです。


私はびっくりして、「小さい声で話してほしい」と伝えました。


夫は、また、同じ説明を繰り返しました。


だんだん声は大きくなり、
「どうせ俺が悪い」と言い捨てて、ふて寝をしました。


「怒鳴る旦那さん最低!」
「別れようと思わないの?」

と思う人がいるかもしれません。


なぜ、私が、
「どうしたら改善するかな?」と考え続けて25年間過ごすことができたかと言いますと、
夫は加害者かもしれないけど被害者でもあるからです。


それなのに、私にも子ども達にも、他の誰にも暴力を振るうことはありません。


何かのスイッチが入ったときに、大声を出して話し続け人の話を聞かないのです。


これは、自分を守るための行動です。


しかも、年々、頻度は減っていますし、
スイッチが入りそうになっても切る替えるなど、
夫も努力をしたり改善していることがわかります。



夫は、子どもの頃、父親に怒鳴られ殴られていました。


結婚当初、子どもの頃の話を聞くと、
色々な話をしてくれましたが、最後は「それで父ちゃんに怒られながら殴られた」となりました。


私は、「その時お母さんはどうしていたの?」と聞くと、
「いつの間にか(その場から)いなくなっていた」と夫は言います。


父親に怒鳴られながら殴られたのに、
母親は姿を見せず、フォローも無し。


子どもの頃の夫を想像すると、
辛さを感じます。

 




実際に、家族で集まったときに、
夫も夫のお姉さんも妹さんも、義父の言葉にビクッとして顔も体も固まります。


このように、子どもの頃に身に付いたことは、大人になっても反応してしまうのです。
怖いですよね?



一緒に学び改善して実践し、
年1~2回と頻度は減りましたが、
時として夫はブレーキが利かずに怒鳴り続けることがあります。


夫が怒鳴ると、私の精神は摩耗してしまいます。
そのため、「どうしたら、夫のスイッチを避けて私に要望を受け入れてもらえるかな?」と
考え、
タイミング、話す言葉を何度も検討してから、
夫に話す
ようにしています。


夫は中高一貫校に進学したので、
実家にいたのは12歳までです。


ただ、12歳までの家庭環境で身に付いたことは、
結婚した26歳から改善を始めて25年経っても、
ふとした時にやってしまうことがあります。



でも、
夫は娘たちには怒鳴ることも殴ることもせず、
ちゃんと話を聞いて、
親としての要望を伝えます。


私の家庭では
【叱るの遺伝】は回避できたと思います。


怒る、叱る、体罰、怒鳴るなど、
力で相手に言うことを聞かせるのは止めませんか。



もし、【叱る】を肯定的に考えていたり、
つい、【叱ってしまう】のでしたら、
『叱る依存が止まらない』を読んではいかがでしょうか。

そして、
対応策である、【予測】と【前さばき】と【後さばき】を身に付けると、
子育ても人間関係も楽になります。


よろしければ、試しください。