人との繋がり明と暗

手紙 [Blu-ray]/ギャガ・コミュニケーションズ

¥2,160
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地味な良作。
自分の大学進学のために、盗みに入り、人を殺してしまった兄を背負う弟の物語。
東野圭吾の小説を映画化。犯罪加害者家族という独自の視点で描く。
兄が殺人犯ということで、社会から疎外されて生きる弟を山田孝之が繊細に演じる。
設定がミュージシャン→お笑い芸人になったのは、個人的には良かったと評価。
おどけていても、どこか影がつきまとう様子がよく出ていた。
兄が殺人犯というのは、弟・直貴にはどうしようもないこと。
断ち切りたいと思いつつ、自分のための犯行だったというところが、兄を見捨てられない後ろめたさにつながっている。
直貴の周りにはそれでも直貴を受け入れる人々が存在する。
しかし、家族ができると、兄の存在を抹殺すべく、直貴は兄との手紙のやり取りを断ち切ってしまう。
家族という重荷や、罪とは何か、人との繋がりとは何かという重いテーマが盛り込まれつつも、温かさの残る一本。
差別するのも人間ならば、救ってくれるのも人間。
流行りのソーシャルキャピタルではないけども、人との繋がりがもたらす良い側面と悪い側面の両方が丁寧に描かれている。
人の業は、人との繋がりによってもたらされるのだ。
玉山鉄二は完璧。惜しむらくは沢尻エリカの関西弁。でも、画面に華を添えていた。





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