さよなら、ニルヴァーナ/窪 美澄
￥1,620
Amazon.co.jp
いまいち。
神戸の少年Aを題材にした作品。
窪美澄の持ち味は、丁寧な日常の描写が大きなテーマにふと繋がるところ。
『さよなら、～』は、殺人と贖罪という大きなテーマが先に来て、持ち味を殺してしまっているように思えた。
テーマに真摯に向き合うあまり、登場人物が誰も救いのない結果になってしまっているのが残念だった。どんなに過酷な状況を描いていても、一筋の救いを必ず用意していた作家さんだっただけに、これは本当にがっかりしました。自分が見落としているだけかもしれませんが。
読み直す気力が起きないほどの陰鬱さ。
放りっぱなしにされて、辛い読書でした。