危険視されていたセーヌ川上でのオリンピック開会式もなんとか事件も事故も起こらずに済み、今回のオリンピックで終始、疑問視されていたセーヌ川でのトライアスロンが最後の最後までセーヌ川の水質問題で未だに動向が不明となっています。
セーヌ川で開会式のパレードを行うことも、ちょっと前代未聞の荒唐無稽な話ではありましたが、またそのセーヌ川を利用してトライアスロンの競技を行うという決定も、リスクの種類は違っても、同様にちょっと考えられない発想でした。
セーヌ川の水質を改善させることは、長いことパリ市の課題でもあり、このオリンピックを機に、浄化させることを目標としてきました。
パリ市は、このためにオーステルリッツに水を浄化するための巨大な貯水池を落成したりしたものの、今年に入って以来、イル・ド・フランス(パリを含む周辺の地域)は極端に天候の悪い日が多く、降水量も増えて、ギリギリまで水質検査の結果がオリンピック基準にパスできないまま、5月末から6月にかけて、大雨のために5万リットルの汚水がセーヌ川に流出するという事態まで起こっていました。
このセーヌ川の水質問題が浮上するたびに、マクロン大統領やパリ市長が、絶対に水質には、問題がなくなると確信している!なんなら、オリンピック前に自分が泳いで見せる!と言い放ち、現に、オリンピック開催のギリギリ直前の7月17日に本当にセーヌ川で泳いで見せるという体当たりのデモンストレーションを行い、水質改善をアピールしていました。
ところが実際にオリンピックが始まってみると、セーヌ川の水質検査は数回、続けて水質検査の結果に問題があり、トライアスロンのセーヌ川での事前トレーニングが2回連続で延期され、いよいよ日程が差し迫り、まさかの事態には、トライアスロンではなく、デュアスロンになるかもしれないという可能性がでてきています。
こうなってくると、遡ってパリ市長が泳いだ日も実は水質検査はパスしていなかったのでは?という話まで出てきて、パリ市長は、「あの日はたしかに水質検査はパスしていた!」と火消しに必死。この期に及んで、まだ、競技当日には、水質は改善されるはずと言っています。
そもそもオリンピック開会式の日は残念ながら、パリはかなりの雨で、そのうえセーヌ川はパレードのために選手たちが乗った船だけでも85隻にのぼる数の船、それに加えて警備用の船も含めたら、少なくとも100隻以上の船が雨の中を時間をかけてセーヌ川を通っているわけで、加えて、翌日も雨の一日。セーヌ川の水がきれいなわけがありません。
セーヌ川の水質問題については、専門家が出てきて、「セーヌ川が泳げるようになるには、あと4年くらいかかる」などとも言っています。
はっきり言って、セーヌ川がきれいかどうかは一目瞭然で、誰も好んでセーヌ川で泳ぎたい人はいないはず。同じくウォータースポーツでサーフィンなどの映像を見ていると、タヒチの海は本当に美しく、トライアスロンの選手からしたら、恨めしく感じることと思います。
そもそも、こんなにギリギリまで、事前のトレーニングも現場でできないなど、もうこの時点で選手には申し訳ない話。まだ結果は出ていないとはいえ、トライアスロンがデュアスロンになろうものなら、そのために、何年間も人並み外れた訓練を積んできた選手にとったら、痛恨の極みです。
火曜日の朝8時に行われる男子のトライアスロン競技は当日の朝4時に採取した水質検査の結果にかかっており、これにパスしない場合はまた延期、競技日程の最終リミットは金曜日(8月2日)の朝8時。当日、再び朝4時の水質調査の結果、パスできなかった場合は、この日が緊急事態宣言日となり、トライアスロンではなく、デュアスロンになる可能性があると見られています。
試合当日に向けて体調を合わせていく選手にとって、これは酷い話です。
水質検査がパスできなかったとしても、またパスしたとしても、いずれにしても、この水質検査ギリギリのセーヌ川で泳ぐのは、どんな罰ゲームなのか?という気がします。
開会式のセレモニーにしてもトライアスロンにしても、どうしてそこまでセーヌ川にこだわるのか? そもそも最初から問題視されていて、代替案があるとも言っていたのに、結局、最後までグダグダでギリギリまで引っ張るカタチになってしまいました。
単純に言って、水質検査をしなくても、「泳げるかどうかは、見ればわかるでしょ!」っていう気がするんですけどね・・。
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