フランス大手自動車メーカー「シトロエン」が5月初め以来、約24万5千台の車をリコールし、その対応に追われ、波紋が多岐に及んでいます。

 

 このニュースに目が留まったのは、この大規模リコールの原因が日本のメーカー「タカタ社」製のエアバッグが原因ということで、安心と安全、絶対の信頼性を誇る日本製品の欠陥問題ということでギョッとしたのでした。

 

 このリコール対象となっているのは、2009年から2019年にかけて生産された18万1,734台のC3と6万5,149台のDS3で、エアバッグを駆動するガスが原因で、湿気や熱でガスが劣化し、乗員に重傷を負わせる可能性があるということで、該当車両を保有している人に対して、機器を交換するまでは運転しないように呼び掛けています。

 

 運転しないようにと言われても、コレクションでもあるまいし、日常的に利用している車が使えなくなることは、ユーザーにとっては一大事。シトロエンは、代理店の人員を拡大して、代替車の手配および機器の交換対応にあたっているとのことですが、まるで対応が追い付かずに大混乱を起こしているようです。

 

 大手仏紙(ル・パリジャン)によれば、このエアバッグ搭載の車で起こった複数の自動車事故(重傷・致命的な障害とも)について、すでにいくつかの司法捜査が開始され、顔や腕に重度の切断を伴う数人の死亡と重傷が報告されていると報道しています。

 

 また、このリコールに関して、集団民事訴訟が準備中だということで、騒動は簡単にはおさまりそうもありません。

 

 この問題のタカタのエアバッグの問題は、急に浮上したものではないようで、この製品に関わる死亡事故が2014年にアメリカで、フランスの海外領土(グアドループ、レユニオンなど)では2019年に事故が発生していたにもかかわらず、これを問題視せずに今回の大規模リコールを行うまでにあまりにも時間がかかりすぎているシトロエン側にも非難の声が上がっています。

 

 おおもとの「タカタ」に関しては、この欠陥エアバッグのリコールで超多額の負債を負い、経営破綻しているようです。

 

 また、2023年に車を運転中だった息子が死亡した事件について、被害者家族は、この原因がエアバッグによるものであったと告訴し、司法捜査が開始されている例も紹介されています。事故発生時にこの息子が乗っていた車は現在、リコールの対象となっている車であり、車の中で発見された発射物によって即死。息子の目と脳に穴をあけたような記録があるとのこと。青年の家族は、この金属物体の発射は欠陥のあるエアバッグによるものであると訴えています。

 

 この問題のエアバッグは、エアバッグに含まれるガスや推進剤の劣化に関連しており、事故が発生した場合、エアバッグが作動すると、粒子や小さな部品がエアバッグとともに飛び散り、怪我をする可能性があると説明されています。特に、この劣化は、高温多湿の地域で多く起こっているということで、時速 300 km で金属部品を発射できる強力なガスである推進剤の爆発に繋がると言われています。

 

 犠牲者家族は、「2014年にはすでに、日本の下請け会社タカタ社が製造したエアバッグが米国とアジアで死亡事故を引き起こしていたにもかかわらず、なぜこれまで全容が明らかにされなかったのか、私たちには理解できません。責任者が処罰されるまでは、絶対にあきらめない!」と怒りをあらわにしています。

 

 そもそも事故の際に危険から身を守るはずのエアバッグから危険物が発せられていたという事実は、やるせないというより許せない気持ちであるのはもっともなことです。

 

 また、このリコール対応が長引けば長引くほど、問題が注目されていくわけで、シトロエンにとっては、ますます、より大きな問題を抱えることになり、6月中旬に新型電動シトロエンC3を発売する予定のシトロエンにとっては、最悪のタイミングになってしまったと言われています。

 

 

<関連記事>

 

 

 

 

 

 

🌟お肌のケアをしながら美しく見せる💕