日本のオーバーツーリズム問題は、これまでフランスでも度々、報じられてきましたが、今回の富士山への観光客のための対応については、なぜか?これまで以上に大々的に報じられていました。

 

 「日本ではオーバーツーリズムに対抗するため、小さな町が富士山を隠すネットを設置した」。日本の小さな町は、大勢の観光客に人気の富士山の眺めを隠すため、高い不透明ネットを設置。日本の中部にある富士河口湖町役場は、多くの外国人観光客が地面にゴミを捨てたり、許可された場所以外で喫煙したり、赤信号で道路を渡ったり、無差別に駐車したりする無礼な行為を理由にこの決定を正当化している・・」というもので、このネットが貼られている映像を見る限り、無粋極まりない感じもします。

 

 なにやら、雄大な富士山の眺めと前景のコンビニエンスストアのローソンと駐車場を組み合わせた現代日本を象徴する光景としてインスタグラムなどのソーシャルメディアで大人気となっているこの撮影スポットは、交通量の多い道路沿いの狭い歩道から撮影するもののようで、より良い写真を撮ろうと、なかには、近くの歯科医院の屋根に登る人もいるとのことで、迷惑を被っているこの地域の住民からしたら、たまったものではない!と怒り心頭になるのも理解できます。

 

 これは、主に外国人観光客対策と思われるものですが、地面にゴミを捨てたり、許可された場所以外で喫煙したり、赤信号で道路を渡ったり、無差別に駐車したりする現地当局が無礼な行為として挙げている行為は無礼な行為には違いなく、日本人なら、まず、特に注意せずともこれらの行為をすることはないと思われますが、しかし、その一つ一つの行為を見ると、海外では(少なくともフランスでは・・)、地面にゴミを捨てられること、許可されていない場所での喫煙も、信号無視も、違法駐車もそれほど珍しいことではなく、住民自身もそれほど厳格にルールを守り、モラルが高いわけでもないので、特に観光客に限って問題視することではなく、住民もひっくるめて警戒しなければならない問題でもあります。

 

 このような迷惑行為を正当化するつもりはありませんが、言い方を変えれば、日本人の常識は、外国人には簡単には通用しないということでもあります。ルールをきっちり守ろうとする日本人とは違うのです。

 

 パリもまた、一大観光地のひとつでもありますが、このような問題に対してどのように対応しているのか?といえば、特に対応をとっていることといえば、主にセキュリティに関しては、銃を持った警察官が異様に多いということくらいでしょうか? 個人に迷惑をかけるようなケースでも恐らく、この警察官たちが厳しく対応しているのだと思われます。

 

 もっともパリの場合、治安が悪くて観光客の方が緊張していなければならない、まさに、全く違うレベルの問題ではあります。

 

 富士山近辺の小さな町ならば、このような外国人が大量に押し寄せる時点で、観光客に威圧される感じがあり、とりあえずとった対応として、この光景が見えなくするネットの設置ということになったのでしょうが、このままでは、かたちを変えて、同じような問題が起こることは、目に見えています。

 

 世界から見れば、日本人のモラルの高さは、驚くべきレベルであり、逆に外国人には、信じがたい世界なのです。観光産業を軽視できない現在の状況ならば、きっちりと取り組まなければならない問題です。

 

 話は少々、飛躍してしまいますが、移民を多く受け入れるということは、こういうことなのだとも思うのです。

 

 

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