コロナウィルスによるパンデミック以来、感染症という単語に敏感になっていることに自分でも感じます。そして、この感染症という単語が耳に入ってきて、「えっ??」と思ったら、マヨット島での話でした。

 

 マヨット島は、海外とはいえ、フランスの海外県のひとつで、なにかが起これば当然のことながら、フランス政府が対応します。

 

 マヨット島は、3月以来、コレラの流行に直面しており、未だその感染はおさまってはいません。現在は、先進国では、ほぼほぼ、その対処方法(ワクチンや治療法など)も解明されており、稀に旅行者などから、コレラ菌が持ち込まれたとしても、深刻化するまえに、封じ込めることは可能になっているはずの病気です。

 

 しかし、今回のこのマヨット島でのコレラ感染が3ヶ月以上もおさまらない(5月9日の段階で確認されている感染者は一地区に限っても50人以上の感染者がいる)のは、異常事態、やはりこの地域の医療体制や衛生問題には、問題があると思わざるを得ません。

 

 まず、救急医療チームを備えた病院が島内には1つしかなく、このような感染症が蔓延した場合に対応しきれない現実があります。このため、フランス政府は、この感染症対応の援軍の人員を30名程度派遣しています。

 

 保健担当大臣は現場を視察したうえで、「感染が疑われる人々の家はすぐ消毒し、家族にも抗生物質を配布し、可能な限りワクチン接種を行い、ボトル入りの水を配布している」と、適切な対応が行われているため、これ以上に急激な感染拡大はないと断言しています。

 

 ところが、現地では、政府の努力は認めるが対応は適切ではないという声が多く上がっており、食い違いが指摘されています。

 

 まず、一つしかない病院になかなかアクセスができないうえに、不法移民の逮捕が病院でも行われているために、感染しても病院に行けない人が少なからずいるために、治療ができないばかりか、そのまま、感染が拡がり続けることに繋がっているというのです。

 

 また、全ての人が携帯を持っているわけではないため、情報にアクセスできずにコレラの流行そのものを知らない人さえいるそうです。 コレラは、細菌に汚染された食物や水を摂取することによって引き起こされる病気で、感染者の4分の3は無症状です。しかし、発症すると、症例の 10 ~ 20% が重度の下痢と嘔吐を引き起こし、脱水症状が進行するという恐ろしい症状を引き起こす可能性もあります。ちなみに潜伏期間は5日程度だそうです。

 

 現地の役人は、「私たちは常に、遅れたり、軽視されたりする場面に直面しています」と語っており、フランス本土ならばあたりまえのように対応されることが、このマヨット島では、なされておらず、未だに断水が続いている場所もあると説明しています。

 

 保健担当大臣は、国民を安心させるために、適切な対応がなされていると説明しているならば、それはそれで事実ではなさそうだし、本気でそう判断しているとすれば、現状の把握ができていないということで、これ以上の改善が見込めないというさらに深刻な話でもあります。

 

 ワクチン接種に関しても、実際には、ワクチンの数は限られているため、保健当局は投与回数を減らすようになってきていると言われています。

 

 政府の発表と現実が異なることは、少なからず、どこの国でもあることだとは思いますが、なんともやるせない話ではあります。しかし、微かな救いはその現実を書き立て報道するマスコミがフランスにはいるということです。

 

  NGO、学術機関、国連機関を集めた世界コレラ対策特別委員会は、「コレラは数十年前に先進国では見られなくなったが、依然として多くの人々に影響を及ぼし、最も貧しく脆い地域社会に影響を与えている」と強調しています。

 

 

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