4月の半ば頃に、グランド・シント(オー・ド・フランス地域圏)で未成年の少年(14歳・15歳)が路上で男性を襲い、殴り殺してしまったという事件が起こったことなどから、未成年の超暴力化が問題にされていました。

 

 このような暴力事件がいくつか、この事件が注目されたためかわかりませんが、立て続けに似たような事件もとりあげられていました。

 

 グランド・シントでの事件を起こした少年たちは、すでに公判前拘留され、殺人罪で起訴されています。少年たちは、過去にも暴力行為や窃盗などで逮捕歴があったものの、今回は、殺人事件、彼らは、殺すつもりはなかったが、暴力行為を行ったことは認めているといいます。

 

 ところが、彼らのこの暴力行為についての計画が「coco.gg」というオンライン・チャットサイトで、「未成年の少女を装って被害者との面会を設定した」と供述したことから、このサイトの危険性に注目が集まっています。

 

 ココランドとして知られるこのサイトは、性別、年齢、ニックネーム、郵便番号を入力すれば、誰でも参加できてしまい、モデレータや会話のセキュリティやコントロールが全く行われていないサイトで、本人の身分をいくらでも偽ることができるため、このサイトを使って起こされている事件は少なくないようで、これが「捕食者の巣窟」と言われる所以のようです。

 

 ホームページの左側には、「料理」、「映画」、「60歳以上」などの、ある種のオーソドックスな感じのテーマに加えて、「異教徒の女性」、「女子高生」、「ふしだらな女」のようなわいせつで下品なテーマも並んでおり、小児性愛的なものや、同性愛嫌悪的なものなども含まれます。

 

 このサイトは、とても簡単にアクセスできるため、また匿名性という気軽さもあいまって、フランスでは85万人のユーザーが存在すると言われています。

 

 このような危険なサイトは、未成熟な未成年者には特に危険なうえに、その他、「小児犯罪者、強姦者、同性愛嫌悪者、武器、麻薬売買などの不法な交換の場にもなっていると警鐘が鳴らされています。

 

 Innocence in Danger などの児童保護団体は2013年からこのサイトの閉鎖を求める署名を集め、訴えているそうですが、現在、集まっているのは5,000人ほどの署名だそうで、85万人のユーザーに対しては、あまりにも少ないことは驚きでもありますが、私自身もこの事件が起こるまでは、このサイトの存在は全く知らなかったので、社会問題として、大々的には取り上げられてこなかったのかもしれません。

 

 しかし、このサイトはガーンジー島でホストされているために、フランス当局が必ずしも対抗できないかもしれないと児童保護団体の弁護士が語っています。

 

 近年、いくつかの事件がこのオンライン チャットにリンクされており、 ある男は10年以上にわたって妻に薬物を投与し、ココランドを通じて見知らぬ人に彼女とのセックスを持ちかけており、 この事件に関して50人の男性が2024年9月にアヴィニョンで裁判にかけられる予定になっているそうです。

 

 しかし、このココランドは、ある意味、そのような界隈の人々には象徴的な存在になっているものの、残念ながら、これは他の多くのSNSやチャット形式(ゲームなど一見無害に見えるものも含む)に存在する状況の一例にすぎないという見方もあります。

 

 近年、SNSを利用した犯罪が多発するようになり、コントロールが本当に難しくなっていますが、ある程度のセキュリティが保たれた状態でないサイトには、少なくとも未成年者だけでもアクセスできないようにしてもらわなくては・・と思います。

 

 

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