年中を通して治安の悪いパリも12月となると一段と治安が悪くなるのは、毎年のことです。

 

 今回起こったのは、高級ブティック狙いの強盗で、この種の強盗は、季節的というよりも、もはや定期的に起こっている気もします。

 

 事件は日曜日の朝10時45分頃、シャンゼリゼからもほど近いパリ8区にある高級ブティック KITH(ニューヨークの高級ブランド)で起こりました。覆面をした2人の男が店に乱入し、催涙ガスを使用したうえで、持ってきたハンマーでショーケースを割り、多数の高級時計や宝石類を強奪し、バイクで逃走した模様です。

 

 犯行時間はわずか2分で怪我人は一切なしという鮮やかさ。現在のところ、犯人は逮捕されておらず、パリ検察庁は、この種の強盗を専門とする強盗鎮圧旅団に委託して捜査を開始しています。

 

 被害総額は少なくとも60万ユーロに及ぶ模様です。

 

 このような強盗事件は、たびたび耳にする話のような気がしますが、事件が起こった時は、一応、報道されるものの、その後に犯人が逮捕されたという話はいっこうに耳にすることはありません。

 

 このような高級ブティックでは、まず顧客や店員の安全を第一に確保するように店舗側も体制を敷いているため、まず、その場で犯人が確保されることはありません。

 

 だいたい、このような高級ブティックでは、盗難被害は保険がカバーするものと思われますが、ノエル前の商品が一番、売れる時期に商品がなくなるわけですから、たとえ、その分の金額が補償されたとしても、破壊されたショーケースや売れるはずの商品が消えてしまい、やはり大変な痛手であるにちがいありません。

 

 その同日、ホテルリッツでは、宿泊客がホテル内で紛失していた75万ユーロ相当の指輪が掃除機の袋の中から発見されたというニュースが報道されています。この指輪の持ち主はマレーシア国籍の経営者ということで、先週末にパリ中心部の警察署に盗難の被害届を提出していたそうで、これがホテル内で起こったということで、リッツ側もホテルの信用問題をかけて必死の捜索を行った模様です。

 

 しかし、強盗事件では60万ユーロ、ホテルリッツの掃除機からは70万ユーロの指輪、双方ともに、1億円近い宝石類が強奪されたり、掃除機の中から出てきたり、少し前の空港からの車を襲撃された人の被害総額57万ユーロなどなど、一般庶民としては、あまりに金額が凄すぎて、現実味のない話でもありますが、あるところには、あるんだな・・などと思ってしまいます。

 

 しかし、不謹慎ではありますが、数々の犯罪や強盗事件がある中で、わずか数分で負傷者を出すことなく、消え去ってしまう高級ブティック・宝飾店狙いの強盗は、鮮やかとさえ感じてしまう部分もないわけではありません。

 

 

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