前日のマクロン大統領のインタビューを聞いて、「なんか火に油を注いだ感じだな・・」と思ったのが、まさに文字どおり、火に油を注いでパリの街はあちこちが燃え盛り、特に今回はオペラ界隈近くのサン・マルク通りなどは、山積みにされたゴミにつけられた火が建物に燃え移る、かなり危険な火災にまで発展したり、ブルバード・イタリアンのキオスクが燃やされたり、もはやゴミが燃やされるだけでなく、建造物が燃やされる火災にまで発展しています。

 

 49.3条(首相の責任のもと、採択せずに法案を通してしまう法律)発令から8日連続のデモ+暴動騒ぎは収まるどころか、手が付けられない状態になっています。

 

 依然として続いているゴミ収集業者のストライキのために、あちこちに山積みにされているゴミには火がつけられ、消火された後は、まことに見るに堪えない惨状ぶりを強調しています。

 

 この日は、以前からCGT(全国組合連合)が大規模なデモ・ストライキを予告していた日で、CGTの発表によるとフランス全土で350万人がデモに参加した(当局の発表によると109万人)とのことで、記録的な動員であったと言われています。

 

 なにしろ、パリだけでも119,000人動員したというのですから、えらいことです。

 

 こうなってくると、山積みにされたゴミは、不衛生なだけでなく、近隣の住民や店舗などにとっても、いつ火がつけられるかわからない恐怖の対象でもあります。

 

 

 

 

 この日はなんと、大小含めて、少なくとも140ヶ所で火がつけられたとのことで、放火や破壊に乗じての略奪行為なども起こり始める危険も孕んでいるため、内務相をはじめとする政府の面々もこれらの暴力行為はとうてい、容認できないとしています。

 

 これは、パリだけではなく、ボルドー市庁舎の大扉も燃やされています。

 

 

 

 

 また、警察・憲兵隊もかなり乱暴な場面もみかけないではありませんが、彼らも命がけで、任務についているわけで、この日だけで負傷した警察官・憲兵隊は149人にも上ったということです。

 

 私の勝手な想像ですが、この警察官や憲兵隊の中にも、同じフランス国民として、抗議デモに参加したいくらいの気持ちの人はいるだろうに、まことに気の毒な気がしてきます。

 

 もともとの年金改革デモは、長いこと続いていましたが、比較的、暴力的な面が少ないデモだという印象でしたが、一気に暴力的な暴動の様相にシフトしたのは、49.3条発令が発端で、暴力的な行為は許せないことながら、この怒りに火をつけてしまった49.3条というものが、この激しやすい国民を持つフランスで、あってよい法令なのかどうか、考えてしまいます。

 

 私は年金改革は恐らく必要なことなのだとは理解しますが、やはり、フランス人の国民性を考慮したら、49.3条は使うべきではなかったと思います。やり方を間違えたと思います。

 

 国会での規定どおりの採決を通すにはリスクがあったためのこの49.3条発令で早道をとったつもりが、このパリの、いやフランス全土の荒れようを見れば、もはや、とんだ回り道になってしまったことは、もはや言うまでもありません。

 

 49.3条には、「首相の責任のもとに・・」という文言がついていますが、こんな破滅的な状況になって、首相が一人で責任をとれるものでもないでしょう。

 

 

 

<関連記事>

 

 

 

 

 

 

 

🌟コンビニ弁当も値上がりしてるから、優れもののお弁当箱で節約(^_-)