【SH25小説】複雑な思いのお客さま達20240409加筆修正済

何気なく、広がる夢見心地。
私はまどろんでいた。今日はお弁当持参日だ。
お弁当を作らなきゃと、起き上がらないといけないと
思いながら目覚めるそのときだった。

朝夕のラッシュ時ではない日中。
改札を通り電車に乗ろうとするお客さんを
見守る男性職員が頭上から、改札口を
眺めていた。
ある高齢のご夫婦は、その男性に気がついては
いたが、知らん顔をして改札口を通過する。

幼稚園だろうか?レースのついたかわいらしい
白っぽいワンピースを着た少女が、祖父母と
思われる男女に連れられて改札靴に近寄った
のだが、少女であるがゆえ、改札機の天井
付近から、見下ろす男性の姿に怯え、行かない!
と踵を翻す。
それを慌てて追いかける祖父母がいた。

頭上から見下ろす彼は列車の遅延がある度に
お客さまに頭を下げ続けた。
遅延の原因等は職員にすぐに連絡は来ない。
人身事故の場合、警察の調査、確認が
終わるまで、詳しく知らされないことが
多々ある。最低でも2時間はかかる。
その説明をできず、ただひたすら謝るしかない。

いい加減、嫌気がさす。
対処に追われ、顔もこわばる。
オウムのように同じ言葉を繰り返す。
浴びせられる不満と罵声。
その行為は、身体にまでおよぶかもと
恐怖がよぎる。

その中での自殺であったのかもしれない。

『毎日、改札口でお客様を見守り、
対応してくださってありがとうございました。』

私は彼にそう伝えたのだ。
彼は悔しかった。そして、もどかしかったのだ。
会社側が、原因を速やかに知らせてくれれば、
マニュアルで言い回しを指導してくれていれば。
そう思っていたのかもしれない。
彼は地縛霊として、その場にとどまっていたのだ。

私と二言、会話をして彼は旅立った。

次に現れたのは、五歳の男の子。
お母さんに連れられて、家庭の事情で
引っ越しをしなければならず、離ればなれに
なりたくない気持ちを胸に秘め、引っ越し先の自宅に
向かうところだったと教えてくれた。

また、次に現れたのは、高齢のご夫婦。
列車事故だと脳裏にあったので、
その時の話を簡潔にしたところ、居眠りをしていた
生き霊のせいであろうとわかると納得し、
そういうことかとうなだれた。
こんな話、理解できる人は少ない。
ただ、減速ができずにいた状況が生き霊のせいならば
と、把握してくださった老夫婦だった。

そう、こちらの方々は、
〈JR福知山線脱線事故〉

2005年(平成17年)4月25日 

9時18分ごろ 天候 晴


・運転士による速度超過; ATSの不備 速度計の

不備日勤教育などの劣悪な労働環境

による事故で亡くなり、魂のままさ迷って要らした

方々だ。


得の高いお坊さんが、私に話しかける。

私が誰の孫であるかわかり、事情を

説明すると大きく頷いてくださった。


私のしていることは、幽体離脱できる方には

理解されにくい。

私は幽体離脱ができないから、浄霊ができるのだ。


肉体がある限り、肉体に宿る目と脳の意識といえ

ばわかるのか?まぁ、肉体にくっついている魂の

体を持つ私がいろんな物事をアップデートし続け、

脳ミソを使い続けている限り、浄霊を行えるのだ。


だから、太りすぎないように、病気にならないように

長生きをしないといけない理由は、お日様の下で

楽しく心穏やかに会話を楽しみ、歩けることが

できないからだ。

もし、私がいなければ、慰霊塔を建立して、

お坊さんにそこへ留めておいていただくか

のどちらかだ。

一応、私は寺の子である祖母の血が流れている。

信仰は浄土真宗、浄土宗、日蓮宗と

まぁ、とにかく様々なところが関わっている

から、もちろん薄い(笑)

ただ、主人の母方のひ祖母の日蓮宗のお寺には

義ひ祖母を車で連れて参ることが度々あり、

孫の嫁にあたります。が、日蓮の血も流れてます。

と話し、驚かれたことがある。

いつもやさしく、義ひ祖母と話を交わしてくださった

住職の奥様が素敵だなぁ。とお会いする度に

思ったものだ。


さて、またいつもの朝が始まる。


早くお弁当を作らなきゃ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


おばちゃま、開花しちゃいました?

~りかおばちゃまの日記~


 rikachima0925


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※