【SH20小説】いつかの山道で2024030901

ふいに男性ふたりの声が聞こえた。

あれは、いつかの渋滞に巻き込まれ、
車一台分のコンクリ打ちっぱなしの作業用である
中腹までしかない私道山道を登り、
転落してしまった50代の幽体離脱できる男性と
地縛霊20代男性のふたりだった。

彼は覚えていた。
若い方の男性は、地縛霊タイプのため、
過去を紐解く際に思い出し、闇にまた飲み後れ
てしまいそうだった。
彼を引き留め、ふたりに話した。

「自分の大切な人を思い出して。」

『いまさらかよ。』

「いまさらでもなんでもいい。あなたがいなくて、
悲しんでる人がいる。待っている人がいる。
お礼だけは言ってあげて。」

『どうやら、俺の死んだ魂は、途中で誰かに
憑いていってしまってたようだ』

そう言って、彼は消えてしまった。

浮遊霊となっていた彼が、地縛霊となる相棒に
より添っていた証拠となる証言。

今頃、家族の枕元に立てていればいいな。

ついさっきの夢の続きは…。
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おばちゃま、開花しちゃいました?
~りかおばちゃまの日記~

 rikachima0925

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